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上田(哲)
委員 とんでもない誤解の答弁だ。そんなことを言っているのじゃありません。
郵政大臣の見識を疑いたい。
私は
報道がどうだこうだと言っているんじゃ全くないのですよ。問題は、国会にかけられるべき
NHK予算について、国会が
審議し結論を出すべき場である
逓信委員会の
議論よりも、その前に政府・与党の機関の中で
議論が済んでしまっているのでは、新聞だって国会
審議を問題にする
意味がなくなる、これは国会の権威の問題ではないかということを言っているのでありまして、
報道批判の問題ではもちろんありません。
ここにそれらの新聞記事があるから具体的に申し上げるのですけれども、例えば一九八六
年度予算で、二月六日の自民党総務会で、外国出張など
経費節減の努力が不十分とか、
料金改定をしないことを条件にという
意見が出て、
NHKの川原
会長は八七
年度も
料金値上げしないと約束して
予算の国会
提出が了承された。ここにこう記事が出ているわけです。記事ですよ。我々はそれらの事実も
会長の約束も知らないのです。
逓信委員会は知らないのです。つまり、この
逓信委員会の前に
NHK予算の結論が出ているということを言っているのです。
一九九〇年の値上げでは、
NHK側と自民党側との間で実に複雑ないきさつがあったことが新聞などで細かく
報道されています。消費税反対の風が吹き荒れた総選挙の直後、しかも国会
提出が三月二十日、その十日後に二八・〇%の値上げが決まる過程には、今でも理解できない捏造の、中傷の筋書きが執拗に飛び交いました。念のためですが、これは自民党から出たのではなくて
NHK内部からも出たものでありまして、当時の
NHKにとって大変残念であります。
これらの問題は、そのような画策や裏
情報ではなくて、この場で、
逓信委員会の場で、国会の場ですべて語られなければなりません。すべて明らかにしようではありませんか、それが国会との関係でなければならないと言っているわけであります。
予算以外でも、昨年二月の自民党総務会で、岐阜県長良川河口ぜき問題の
報道で
川口会長にいろいろな注文がついたとか新聞に書かれています。ことしのムスタン問題でも
会長が総務会に
出席し陳謝していますが、その際、国の政策を広報する場がもっとあっていいと要請があったものと
報道されています。私は、ここではその主張のよしあしを言っているのではありません。そういう
議論が出る場が
逓信委員会よりも総務会の場の方が
意味を持つ、その方が
NHKに影響を与えるということになっては問題ではないか、
逓信委員会の
審議の権威の問題として、そうしたあり方というのが反省されるべきだと思っているのであります。
繰り返して言いますが、各党の検討の場はどんなにやってもいいのです。また、政権党として自民党が十分な
議論をすることは必要ではあります。しかし、怖い政権党に
会長が何遍も
出席して、
予算と関係のないことまで言われて頭を下げるということではいけないというのです。そんなことではこの
委員会の権威にもかかわるし、
NHKが明るいところで
議論されているとは言えないと思います。
議論はもっとここで、
逓信委員会でやるべきだということを私は言いたいのです。
それで、
委員長にお願いしたい。先ほど既にお約束いただきましたが、第一に、
NHK問題を国会でもっと
国民に見えるようにしてしっかりできるようにしていただきたい。さらに第二に、
NHK会長を
NHK予算に絡んで
委員会より先に各党に顔を出させることをやめて、ここで堂々と自由に
意見を開陳できるようにしようではないか、
逓信委員会でこういう話し合いを進めていただきたい。私は、これが具体的な政治改革だというふうに思っていますので、
委員長、御努力をいただきたいのです。