○城内
政府委員 お答えいたします。
高田警視が国際平和
協力業務を遂行中に武装集団によって襲撃されて殉職いたしましたが、まことに私
どもとして痛恨のきわみでございまして、今後このような不幸な
事件が二度と起きないように、安全確保に万全を期してまいりたいと考えておるわけでございます。
警察庁から総理府
国際平和協力本部に対して
文民警察官の要員を推薦した時点と比較すると、現地の
治安情勢あるいは生活環境は激変をしております。大変悪くなっておるわけでございます。
当初は、もちろん私
ども、派遣をするに先立ちまして、当庁職員を含む
政府の
調査団がカンボジアに参りまして、そのときの状況をいろいろ視察をしてきて、その
理解に基づいていろいろと判断をしたわけでございまして、それには慎重な手続を経ておるわけでございますが、当初の考え方というのは、いわばカンボジア
国内各地において
文民警察官がプレゼンスを示すんだ、
文民警察官の武器というのは
けん銃などの武器ではなくて、
文民警察官としてのベレー帽であり、ワッペンである、こういうような
説明でございましたし、また武力衝突の可能性のある地域については軍事的な対応が必要なんだから、そういった地域には
文民警察官は配属しない、あるいは飲料水や食料等については後方支援が
整備されておる、そういったような
理解が基本でございましたが、御承知のような大変な激変があるわけでございます。地域によって大分差があるようでございますが、ひどいところではなかなか生活をすること自体が困難である。
それから、私
どもの任務は現地
警察に対する指導、助言あるいは監視ということでございますけれ
ども、そういう指導をする対象がいないとか、そういった状況になってきておるということで、文字どおりそこにおる、おるというのはプレゼンスなんでしょうけれ
ども、そういう状況にあるということでございます。
それから、任務についての御質問でございますが、今申し上げたように助言、指導、監視という業務でありますが、現実にはそれとはちょっと違いまして、例えばベトナム人の居住区のパトロールであるとか、あるいはVIP、これはUNTACの要員であるとかあるいは現地の政党の要人、そういった者のボディーガードとか、あるいは政党本部の警戒、そういう業務、これはUNTACの方から命ぜられてそういう仕事に従事しておるというようなことで、若干そこにずれがあるというようなことを承知しておるわけでございます。
警察庁といたしましては、国連の平和維持活動への
我が国の
協力の重要性ということを十分認識しながら、とりわけ今回こういう事故があったわけでございますので、
文民警察官の安全確保に万全を期するということで、いろいろと
国際平和協力本部に対して私
どもとしての要請をしておりますし、また
法律に定められた業務ということについての私
どもの認識を伝えてあるわけでございます。現に、今御質問にありましたように、村田大臣が現地に参って、安全確保のための配置転換などの措置についていろいろ要請をしておる、こういう状況でございます。