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村田国務大臣 ただいま議題となりました
暴力団員による不当な行為の
防止等に関する
法律の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案理由及び
内容の概略を御説明いたします。
この
法律案は、最近において
暴力団員が組織から離脱する傾向が見られることなどの暴力団をめぐる情勢にかんがみ、
暴力団員の暴力団からの離脱を阻害する不当な行為を防止し、
暴力団員の社会復帰を図るため、暴力団からの離脱を阻害する不当な行為を規制し、暴力団への加入の強要等の行為に関する規制を強化するとともに、
暴力団員の暴力団からの離脱と社会復帰を促進するために公安
委員会が行う
措置についての規定を整備するほか、最近の暴力団の資金獲得活動の実態にかんがみ暴力的要求行為に係る規定の整備を行うこと等をその
内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
まず第一に、
暴力団員の暴力団からの離脱を阻害する不当な行為の規制についてであります。
これは、指詰めや入れ墨が暴力団から離脱した者の社会復帰の障害となり、
暴力団員の暴力団からの離脱を阻害している実情にかんがみ、指定
暴力団員が他の指定
暴力団員に対して指詰めや入れ墨を強要すること等を禁止するものであります。
その一は、指定
暴力団員が、他の指定
暴力団員に対して指詰めを強要すること等を禁止することとするものであります。
その二は、指定
暴力団員が、その配下の指定
暴力団員に対して指詰めの強要等の禁止行為をすることを命令しまたはこれを助長すること等を禁止することとするものであります。
その三は、指定
暴力団員が、少年に対して入れ墨を受けることを強要すること等を禁止することとするものであります。
その四は、指定
暴力団員が、他の指定
暴力団員に対して少年に対する入れ墨の強要等の禁止行為をすることを要求すること等を禁止することとするものであります。
その五は、公安
委員会が、これらの禁止行為の違反者に対して、当該行為の中止を命じ、または再発防止のために必要な事項を命ずることができることとするものであります。
第二に、暴力団への加入の強要等の行為に関する規制を強化することであります。
その一は、指定
暴力団員は、人を威迫して、親族その他その者と密接な
関係を有する者を指定暴力団等に加入させまたは密接な
関係を有する者の指定暴力団等からの脱退を妨害するために行う一定の行為をしてはならないこととするものであります。
その二は、指定
暴力団員がその配下の指定
暴力団員に対して加入の強要、脱退の妨害等の行為をすることを命令しまたは助長すること等を禁止することとするものであります。
その三は、公安
委員会が、これらの禁止行為の違反者に対して、当該行為の中止を命じ、または再発防止のために必要な事項を命ずることができることとするものであります。
第三に、
暴力団員の暴力団からの離脱と社会復帰を促進するための規定の整備についてであります。
これは、暴力団からの離脱を希望する
暴力団員の暴力団からの離脱と暴力団から離脱した者の社会復帰を
確保するため、公安
委員会が、暴力団からの離脱を希望する者に対して暴力団からの離脱と社会
経済活動への参加のために必要な
措置を講ずるとともに、暴力団から離脱した者に対する援護に関する思想を普及するための啓発活動を行うこととするものであります。
第四に、暴力的要求行為に係る規定を整備することであります。
これは、最近、暴力団が競売その他倒産整理に絡む事案や証券取引をめぐる事案等に介入する動きが目立っているなどの実情にかんがみ、この種の事案における不当な行為を暴力的要求行為の行為類型に追加する等の
措置をとるものであります。
その一は、競売の対象となるような
土地または建物について明け渡し料名目で不当に金品等を要求する行為、株式会社やその
関係者に対して不当に株式の買い取り等を要求する行為等を新たに暴力的要求行為として規制することとするものであります。
その二は、何人も、指定
暴力団員が行う暴力的要求行為の現場に立ち会って助ける行為を行ってはならないこととし、その違反者に対しては、公安
委員会が、中止を命ずることができることとするものであります。
その他、以上の
改正に伴い、仮の命令、罰則、別表等について所要の規定の整備を行うことしております。
なお、この
法律の施行日は、別表の
改正規定を除き、公布の日から三月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上が、この
法律案の提案理由及びその
内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことを
お願いいたします。