○林(義)
国務大臣 平成五年度の当初予算をお願いいたしまして、三月三十一日に成立をさせていただきました。予算案編成は、非常に厳しい財政事情、税収動向なんかも非常に難しい、こういうことでありまして、その中で既存の制度や歳出の徹底した見直しを行う、しかも内需中心の持続的成長を図っていかなければならない、こういった形で、
政府といたしましては昨年の暮れに予算案を作成いたしまして、一月に国会にお願いをしたところでございます。
そうした当時の
状況から考えますと、今から考えますとまだ景気の先行きは真っ暗であった。確かに昨年の八月に
総合経済対策を出しましていろいろやりましたけれども、補正予算の
審議のおくれもありましてまだまだ明るい兆しが見えてないというような
状況でございました。何としても早く、こういうことでお願いをいたしておりましたし、三月ぐらいになりまして少しよくなってきたなという感じが実はしておったわけでございまして、その段階で予算案の御
審議をお願いしている、こういうことでございます。
そういった形で、国会の御
審議でもこれだけでは足りないじゃないか、もう少し景気刺激的なことをやらなくてはならないではないかというような御議論も多々あったところでございまして、景気回復はどうなるんだ、こういうふうなことについておしかりを受け、鞭撻を受けたというのが
状況だった、私はこう思っておるところでございます。
そういったことの中で、とにかく早くまず当面の予算をつくりましてそれの実行をしていくことが必要であろう。予算案が三月三十一日に成立いたしまして、その後直ちに公共事業の前倒しをやっていく、こういうふうな話でありましたし、七九%だったと思いますけれどもやる、こういうふうな話までやったわけであります。
そうした上でこれからどうするかということを考えますと、そのときに、申し上げますならば、あるいは一月ごろに考えたよりは少しは景気はよくなってきたかもしれないけれども、やはり足りない、まだまだだなという感じを持っておったところでございます。
普通ならば
一つの国会で
一つの予算、こういうことでございまして、おくれて景気
対策をやる、そのためには臨時国会でも、こういうことも頭の中にはあったわけでございますが、昨年の例を見ましても、八月に
経済対策を出す、十月に国会にかけようというのがだんだんおくれてきた。おくれればおくれるだけ景気回復というのができなくなる、こういうことでございまして、そういったことからすれば、できるだけ景気というものを考えていただける
状況にある、各党とも皆そういったことで考えていただけるということを前提にいたしまして、私どもあえて、まさに異例の時期であるということを承知の上で、経済政策を立て、また新しい予算案を国会に
提出をしたところでございます。
私は、こうしたことが
日本経済のためにいい影響を与えてくるのではないかな、こう思っておるところでございまして、重ねて本補正予算の円滑な御
審議と速やかな成立を心からお願いをするところでございます。