○濱本
政府委員 大臣からお答えをいただかなければならない大きな部分があるように存じますので、その前に私の方から、幾つが御
指摘ございました中で気づきましたところを申させていただきたいのでございます。
法人税の引当金につきまして、これは優遇措置である、六種類の優遇措置が存在しておる、このあたりをまず見直す必要があるという御
指摘でございますが、これにつきましては、私どもいつも申し上げることを重ねて恐縮でございますけれども、
税法の中で、引当金と準備金という二種類のものがございますけれども、これは全然違ったものというふうに認識しておりまして、引当金の方はあくまでも
費用、収益の対応という
考え方に基づきまして法人税の
課税所得をきちんと計算するために設けられているものであって、
制度自体、政策税制と
考えるということは適当でないと
考えております。
ただ、そうは申しましても、そのときどきにそれが利用実態としまして実態をきちっと踏まえた利用がなされているということが必要でございますから、その点検を行いまして実情に則した見直しを行っていくということは当然でございますけれども、
制度自体が優遇税制であるという
考え方に立っていないということを申させていただきたいと
思います。
一方で、準備金というのは、これは一種の優遇税制であるというふうに認識しておりまして、さっき御
紹介ございましたように、たくさんの準備金がございますけれども、かなり綿密に毎年見直しております。
ことしも、平成五年度改正でも、一、二、例を申し上げますと、例えばプログラム等準備金というのがございます。これも長い間やってきたものでございますけれども、汎用プログラムに係ります準備金のうちで制御プログラムといいます範疇につきましては、積立率二五から一〇%に大幅に引き下げるとか、あるいは計画造林の準備金のようなものがございますけれども、積立率を一ヘクタール当たり二十一万円を十九万円にする、こういった見直しを毎年重ねているということを御報告申し上げておきたいと存じます。
それから、
利子課税につきましても
お話がございましたけれども、ここは戸田先生からさっきまことに貴重なお示しをいただいたと思うのでございますが、シャウプ当時の
総合課税の
考え方というものを忘れちゃだめだぞ、常にそういうものを志向しながら税体系というものを見ておかなければだめだという御
指摘がございましたけれども、ここは、ことし
利子課税の議論をたまたまさせていただく時期に当たりまして、その機会に
政府税制
調査会におきましても再び強く認識された部分であろうという気がいたします。
ただ、現状において
総合課税というものをいかに現実のものとし得るかというところは依然としてやはり難しい問題が残っておるわけでございますけれども、お言葉を返すようで大変恐縮なんでございますが、まことにそういった問題を
考えます上におきまして、先ほどの財形貯蓄とか老人マル優とかああいったものをどう
考えていったらいいか、これは非常に迷うところでございます。
所得税の体系自身につきましては、おっしゃいますような骨格をどう
考えるかということが非常に大事でございまして、そういう
意味からも、これは与野党協議を前にして、私ども与野党協議の成り行きを見守らせていただく
立場にあるわけでございますけれども、従来の
考え方から申しますと、まさに先生がおっしゃったように常に体系自身を磨いていく必要があるのであって、ばらまき減税とか体系をゆがめるような反体系的な見直しというものに手をつけるべきでないという
考え方で一貫して参ったつもりでおります。