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細谷委員 例えば清算事業団に対する財投の投入なんか見てみますと、これは土地が担保になっているということかもわかりません、国の機関だということかもわかりませんけれども、しかし、利子を生むようなそういう事業では到底ない、まさに清算事業であるわけでありまして、これに際限もなく財投をつぎ込んでいく、そしてその財投の
残高がどんどんふえるということは、私は決して財投の本来の目的に沿っているものではないというふうに考えるわけであります。
だから、
一般会計をつぎ込めと言っているわけではないのですけれども、私は、そういう
意味においては大変問題があるんじゃないか、財投が原資が多いからといって、
余裕があるからといって、放漫な運用というものは必ずや将来に禍根を残すであろうということを大変心配するわけなんです。ですから、財投が二けたで伸びだとか、そう言って手放しで喜ぶような
状況ではないということだけ私は警告をしておきたいというふうに思います。
次に、法人税の
関係について
お尋ねをいたしたいと思います。
債権償却特別勘定の運用基準の緩和ということでございます。多少専門的になって恐縮でございます。私
自身まだなまはんかで勉強不足の点がございますけれども、素人なりに大変多くの疑問を持っておりますので、
お尋ねをさせていただきたいと思います。
昨年八月の総合経済対策の発表に先立って出されました金融行政の当面の
運営方針は、もちろん金融システムの安定確保のために金融機関が抱える不良債権処理対策として示されたわけであります。税務上の取り扱いが運用上の変更
措置として行われたことは御
承知のとおりであります。すなわち、通常の貸倒償却引当金勘定を上回る税制上の特別
措置というものが認められたということであります。
法人税法基本通達九−六−四の「認定による債権償却特別勘定の設定」についてでございますけれども、この基本通達の変更ではなくて、運用上の基準の緩和として、実は大幅に拡大適用されるようになりました。税務上の優遇
措置が行われたわけであります。
すなわち、従来、償却証明上、
債務者の過去、おおむね二年以上ということでございますけれども、二年以上における
債務超過の
推移及び今後の事業好転の見通しのそうした基準、これを変更いたしまして、おおむね一年以上に短縮いたしました。そして、むしろその
債務超過に至った事情とか将来に向けて事業が好転するかどうかに重点を置いて同基本通達の適用の有無を判定するということにされたようでございます。
そして同時に、貸し金等の相当部分、おおむね五〇%以上ということであったようでありますけれども、
金額について回収の見通しかないと認められるに至った場合に同基本通達を適用することになっておりますのを、四〇%を一応の目安にすることとしたことであります。その他残余の
改正措置が行われたわけでありますけれども、これが大きな柱だというふうに思います。
まず第一にお伺いしたいのは、この運用変更について、私は大変重大な税務上の、課税上の問題があるというふうに判断いたしております。この基本通達、
昭和二十九年以来四十年間にわたって一貫して適用されてきた本基本通達の運用をなぜこの時点で変更しなければならなかったのか、特段の
理由というのは何があったのか、どうなのか、まずそういうことでございます。
不良債権の迅速かつ的確な処理ということでありましょうけれども、本来、金融機関が自己責任原則によって、必要であるならば有税で償却処理するのが私は当然だというふうに思うわけであります。こうした税制上の優遇
措置が今回行われたわけでありますけれども、これは、いろいろ言ってみても、
大蔵省の銀行保護姿勢の典型例だと言われても私は仕方がないんじゃないかというふうに思うわけであります。
一体銀行の自己責任原則というのはどこへ行ってしまったんだろう。バブル崩壊で苦しんでいるのは金融機関だけではなくて、もういろいろの階層の方々、いろいろの業種の方々、同様に苦しんでいるわけであります。何ゆえにこの金融機関だけがこうした税務上の優遇
措置を与えられなければならないのか、それについてまずお考えをお聞きしたいと思います。