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細谷委員 公定歩合の
引き下げの問題については判断は極めて微妙なようであるということもよくわかりました。ただ、仮定の話で恐縮でありますけれども、そういう
指摘があるわけでありますから、もし仮に
公定歩合を
引き下げるということになれば、それが十分
経済に対して実効性を担保できるようにぜひ大蔵当局を含めて御
指導を賜りたいというふうに思います。と同時に、仮に
引き下げということになれば、また史上最低水準に近づくわけでありましょうけれども、これがまた前回の轍を踏まないように、長期間にわたって放置した結果がバブルの生成ということになったわけでありますので、超低金利を実行する場合には厳しい監視をして、
経済のインフレ化を招かないような配慮が必要であろうということを念のために申し上げておきたいと思います。
それから次は、時間がございませんので少しはしょって申し上げますけれども、所得税減税の
実施と
財源問題について申し上げたいと思います。
最近では、もう
景気刺激策という面で所得税減税の大合唱でございます。各野党はもちろん、財界、労働界、学者、評論家も異口同音に所得税減税の必要性をうたっています。与党の幹事長でさえも、
国会対策のリップサービスかもしれませんけれども、戻し減税を示唆しているのです。与党内でも既に暗黙の合意すらできているということであります。従来慎重派で、どちらかといえば大蔵省の味方でもあった経団連の会長とか、それから税調の
委員の学者
先生なんかも、やるなら戻し減税だという発言もされているようであります。宮澤総理も、総選挙対策かどうかわかりませんけれども、赤字国債による本格的な所得税減税をひそかにお
考えになっているというふうに伺うわけでございます。
また、最近は野党でも、我が党の赤松新書記長も赤字国債
発行の、従来の不
発行、赤字国債を出さないという党の方針と多少違って、
財源対策として所得税減税をやるために赤字国債を容認してもやむを得ないのじゃないかという張り切り発言
も実は出ております。そういう
状況でございまして、大蔵省はひとり壮絶で悲壮な決意のようでありますけれども、今や四面楚歌、包囲網ができ上がっていると言っていいのじゃないかと思います。しかも、ぐずぐず渋っておる間に、昨年来の二兆円
規模というのが四兆円、五兆円、いや五兆円、六兆円というふうにだんだん膨らんできてしまっているようであります。
そこで、私は提案したいのは、大蔵省もこの際この大合唱に乗じて、逆手にとるということはおかしいわけでありますけれども、方針転換をされたらどうかということを提言を申し上げたいと思います。
我が党の新書記長の発言の中に、この大部分の
財源は単なる借金ではなく、償還をどの時期に、どういう形で返済していくか手法を
考えて、禍根を残さないようにしなければならないとまで言っておるわけでございます。野党第一党の新書記長の発言というのは私は重いのじゃないかと思います。償還の時期を決め、手法を
考え、禍根を残さず、しかも四兆円、五兆円の赤字国債の
発行を許すというのでありますから、これは当然
財源対策というものがその裏づけとしてはあると私は
考えます。四、五兆円の
財源捻出ということになれば、二兆円
規模ぐらいならばいざ知らず、直間比率の
見直しを含めた
税制の抜本改正なしには四、五兆円の
財源というのは出てこないのじゃないかと私は思うのです。
財政を少し知る人なら、ある意味では明白なことだと私は思います。こういうことがもし各野党とも担保されるということであるならば、大蔵省として
政策転換をすることにやぶさかであってはならないのじゃないかと思いますけれども、こうした一連の
動きについて
大蔵大臣はどういうふうなお感じを持っておられますか、お答えいただきたいと思います。