○中西(啓)
委員 午前がもうほとんど時間がなかったわけでございますが、まずしかし
社会党、
公明党の
皆さんの大体の
感じは、単独で政権をというところまではとてもまだほど遠い
感じはありますけれ
ども、まあしかし連合というような
感じででもいいから、とにかく政権に近づこうという意欲は十分にじみ出ていたと私は思うのです。そういう
意味では大変結構なことだ。ですから、
国民の
皆さんに
期待のされる、本当に堂々と機能のできる立法府をつくり上げていこう。また、その立法府に所属する
政治家として十分胸を張っていけるような
環境にもしていこう。あわせて、迫力あるというか緊張感のある政権交代可能な
制度に、より一歩近づいていこう、そういう
認識でおおむね一致できたのかな、そのための改革なんだという
認識で足並みがほぼそろいつつあるのかなという
意味では大変結構なことだ、意義のあることだ、私はそんな印象を抱かせていただきました。
それでは、これから二時まででございますが、午後の部の質問をさせていただきたいと思います。
テロが起こるとき、内乱が起こるときの条件というのは御存じですか。四つあるのです。
一つは、
経済が非常に低迷しているとき、不況のときですね。まあもちろんこの不況も
世界的な要因というものも存在することは事実ですが、やはり
政治がいろいろな局面で打つ手がおくれたというような側面も否めないと思うのですね。それが
一つ。それから、政界にいわゆる汚職、不祥事、スキャンダルが連続すること、御案内のとおりのような不祥事でございました。特に金丸副総裁の件につきましては、副総裁をいただく
自民党の人間として、また会長としていただいておりましたかつての経世会に所属していた人間として、私
たちは心から率直におわびを申し上げたいと思います。しかし、弁明はいたしません。その
反省のあかしとして、もう真一文字にこの
政治改革を断行して、その行動によって
国民の
皆さん方に証明をしていきたい、私は今そんな心境であります。それが二つ目の原因です。そして、
政治に著しく
リーダーシップを欠くとき。そして四番目に
国民が白けるとき、激しくいら立つとき。この四つの条件が満たされたときには、もう歴史をひもといてみていただいてもわかりますが、内乱、テロが続発しているわけです。まさに
日本は今ぴったんこの条件下にあるのです。
やはり
自民党は本当に過去
国民の
皆さんに支持をいただいて、もちろん四割しか支持をとっていないのに六割の議席をとったとかというようなそういう理屈は別にして、いずれにしても政権
政党の座を与えていただいて、それなりに本当に懸命の努力をしてきて、天井に張りついたわけですね、頂点に。そしてマクロに見れば、
世界でもこれだけ
経済が活発に豊かな国は断じてありませんし、またこんな自由を謳歌している国もないし、四十年も五十年も戦争に無縁というか関係なく平和な日々を送り続けている民族もないし、また何よりもやはり
世界じゅうのいろいろな国々の中で男性も女性も最も長生きのできる国になった。そういう、マクロに見れば、オリンピックでいうと主要種目で大体金メダルを独占しているといってもあながち間違いでないと思うのです。そういう功績は確かに
自民党にあったと思うのです。
しかし、天井に張りついて、それてそのままパターンとしては持続的にいわゆる水平飛行していくか、それができなければ、上り詰めればもう下るしかないのですね。今の世論調査を見ても、どんどん下っている以外の何物の証明でもない。
自民党に投票する人、ある新聞社の調査によれば一七%。一七%というのは、議席に置きかえれば八十数議席ですよ。もう鳥肌の立つ思いですね。
かつて三木武吉さんが提唱されて原動力となって、三十有余年前、
自民党が保守合同して生まれたわけです。今日の
自民党は原点がそこにあるわけですね。そのときに松村謙三さんが、もし保守合同をして行き詰まったときに、社会主義を標権する
政党に政権を渡すのかと。大変なことですよね。そうしたら、その保守合同が行き詰まったときに
日本の運命を託する、そういう政権を担当する能力のある
政党がいてくれれば
国民もハッピーなんです。しかし今、
自民党がドーンと天井に突き当たって、どんどんと今もう急降下でおりている。そのときに、託したいけれ
ども見渡したら全くない。いや、ないじゃないですか。その証拠に、
自民党が下がったら
社会党初め野党の支持率が上がるのが当たり前でしょう。同じように下がっているじゃないですか。これはもう何よりも論より証拠。
お互いに
反省しましょう、謙虚に。
そういう状況の中で、ひとつぜひ
皆さん方に聞いていきたいと思うのですが、私はこの間
選挙区で、名前は言いません、
社会党を支援する、むしろ左だと言われている労働組合の幹部と
議論する
機会があったのです。それで、何であなたの組合と仏とが敵対しなければならないのか、特に
選挙のときに。一遍
政治理念について話をしようと言って、我々の
政治理念は自由主義だ、民主主義だ、基本的人権の尊重だ、平和外交だ。あなた
たちの理念を言ってくれ、こう言ったら、同じだと言うのです。全く同じだ。
経済理念は。市場
経済の導入だ、自由貿易体制だ、全く
一緒だねと。
もう少し、きょうは何か
社会党はあれですか。
社会党改革議連、もう発足されたんですか。まだですか。いやいや、関連があるんだから。
それで、その協会派と言われる労働組合の幹部に、さらに私は聞きました。韓国はどうするのですか。それは一衣帯水の隣国だし、韓国とは緊密な外交をしていかなければそれは
日本としてはどうもぐあいよくないでしょうねと、韓国を容認するんです。原発はどうですか。理想のエネルギーが見つかるまでは、十分安全性に配慮しながら原発を是認しなければしょうがない。全く
一緒なんですよ、これも。自衛隊は違憲なんですか。いや、やはり自衛隊はもう違憲なんてことは言ってられないですねと。全く
自民党と、
社会党の右派じゃないですよ、その方は左派と言われる労働組合の幹部なんですが、全然
政治的にも
経済的にも、理念的に異和感がない。
そこで、もう東西冷戦の構造も終わったわけですから、だから私の持論は、私
どもは今
自民党というとりでの中に囲まれている。
皆さん方は
社会党というとりで、塀の中におる。
公明党、民社党、共産、それぞれおるわけですね。まあ共産党はちょっと別かもしれませんけれ
ども。だから、もう
お互いにイデオロギーで対峙している、対立している必然性というのはもはや全くと言っていいくらいなくなっている。だから、どうですか。とりでを一遍取っ払って、それてどうしても自衛隊は違憲だ、原発は認められない、こういうマルクスとかレーニンとか、まだホームシックにかかっているというか、そういうような郷愁を
感じている人とはちょっと線を引かせていただいて、あとは一遍がらがらかきまぜて二つの拮抗する二大勢力をつくる。
そして
お互いに、これから国内の問題だって大変ですよ。例えば年金の問題、
皆さんどうしようとされているのですか。僕もまだ全然いい
考えは浮かびません。年金をもらう人の方が掛ける人よりも多くなっちゃったんですよ。こういうふうな問題。あるいは人口、出生率に関して、もうあと七百年か八百年かしたら、このままの出生率だと
日本人は一人もいなくなる。今までは三人も四人も子供がいたから、高学歴社会で大学を卒業しても、商社に入った、銀行に入ったといっても、だれかが、全国いっぱいある商店街の跡取りがいた。しかし、これから一人っ子ですよ。商社へ入って、銀行く入ったら、おれはもう田舎へ帰って文房具屋はやらぬよ、そういうふうな問題をこれから乗り越えていって、
世界にいろいろな形で貢献を果たしていかなきゃならないプレゼンスをもう
日本は持ったわけです。そういう状況の中で、そういう
政治の仕組みをつくっていく。だからとりで論、こういうのはもう開放しようということについて、一遍御意見、
お答えください。