○森国務大臣
法案の
審議を通じまして
委員からいろいろ建設的な御意見をちょうだいをいたしました。その中にも、既に私
どもとしても、事務
当局から申し上げましたように、まさに
委員のお考えどおりということで進めてまいりましたものもございますし、これからまた積極的にそのお考えな
ども十二分に駆使をして
対応していかなければならぬということを、まず冒頭に申し上げておきたいと思います。
御
指摘のとおり、大変な
黒字を
我が国としては有しておるわけでございまして、この大幅な経常
黒字を、まず基本的には、今新しい国内のいろいろな施策についてもお述べになりましたけれ
ども、内需拡大を進める、そしてそれに伴って輸入促進に努めていくということが、これはまず重要なことであろうというふうに思っております。そしてさらに、
発展途上国に対しまして円滑な
資金の
流れの確保を通じまして国際貢献を果たしていくということが、極めて重要であると考えております。
このため、通産省といたしましては、総理からも指示を受けまして、
途上国への
資金の
流れを確保するための方策につきまして検討いたしておるところでございまして、また、
関係省庁におきましても今検討が進められているところでございます。この一環として、
海外におきます事業に対する
我が国民間企業によります
資金の
貸し付け及び出資等、いわゆる
民間資金の還流の促進を図るとの観点から、本日この
貿易保険法の一部を
改正する
法律案を御
審議をいただいておるところでございまして、今後速やかに可決されることを
期待をいたしておるわけでございます。
また、
政府開発援助及び
民間資金を含めた
資金の
流れにつきましては、
発展途上国の自立的な
発展に資するという観点から、どのような分野に置くべきか。例えば、私
どもも常々申し上げておりますが、部品などすそ野産業を育成するとか、あるいは
環境分野等、また
我が国の国際社会に対する積極的な貢献としてどのようなものが適当か、また可能なのかということについて、今鋭意検討をいたしておるところでございまして、また、
委員からいろいろとお話ございましたことな
ども十二分に参考にさせていただきたい、このように思う次第でございます。
ロシア支援につきましても、来週外相・蔵相
会議も開かれるわけでございますが、そうした会合はもちろん重要なことでございますけれ
ども、通産省といたしましては、これまでは原子力安全あるいは軍民転換、中小
企業、あるいは
環境問題につきまして、それぞれ既に多くの人々を招いて勉強させたり、またこちらからミッションを派遣をいたしましたりして、具体的に既に
ロシアとの二国間におきます支援活動も積極的に展開をしておるということも、
委員も十分御
承知のとおりだろう、こう思っております。
今後とも、今
委員からいろいろ御
指摘ございましたことにつきまして、
我が国もこれからまさに、先ほどお話ございました、成熟した
工業化社会を完成したわけでございまして、同時にこれから新しい
世界秩序をつくり上げていくということは、それぞれそうしたことにおくれている国に対しても、同じようなやはり文化や科学や、あるいは
環境や教育や、いろいろな
意味で同じような条件が享受されていくような、そうした
環境をつくり上げていくことに
日本が積極的にお手伝いをすることが、国際貢献の最もふさわしい
日本の
役割であろう、このように考え、通産省としてもそのイニシアチブをとっていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。