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麻生政府委員 御
指摘のように、今の不況のもとで今回のような料金の改定を
お願いするということは大変申しわけないことでございますし、特に
中小企業への影響が少なくないという点は私
ども非常に考えなければいけないと思っておるわけでございます。
アメリカにおきましては、今お話がございましたように、
中小企業につきましては別料金体系をとっております。これは歴史的に言いますと、八三年に非常に大幅な料金改定を行っておりまして、手数料では四倍、それから
特許の
日本の
登録料に当たる部分につきましては二十倍ということでございまして、こうなりますと
中小企業への影響、激変緩和ということが必要だということで
中小企業につきましての料金体系が導入された経緯があるようでございます。
私
どもの
特許庁では特別会計、受益者負担という考え方でございまして、
権利を得るということは大
企業であれ
中小企業であれ非常に大きな経営的、財産的な価値をもたらすわけでございまして、そういうことに着目いたしますと、やはり料金面で差をつけるというのはなかなか、
我が国におきましていろいろな料金がございますけれ
どもそのような料金差をつけていないという
状況のもとで、
特許の方で差をつけるというのは理屈の上でも、また
実態面でも非常に難しいというふうに
判断をいたしております。
ただ、御
指摘のありましたように、
中小企業に対する影響が非常に大きいということを何とか少しでも緩和することは、料金面ではなくて、いわば広い
意味の
中小企業対策という形でやっていく必要があるということでございます。
このためにどうすればいいかということをいろいろ考えたわけでございますが、これも先ほど申し上げましたように、今後の
中小企業のいろいろな負担というものを考えます場合には、やはり
先行技術調査を補完することによって行うというのが最も実質的かつ効果的ではないかと考えたわけでございます。
先行技術調査を十分にやって
出願をするということになりますと、まず何よりもむだな
出願、
出願しましても
権利にならない、しかしいろいろなお金をかけて
出願をするというようなものがずっと減ることになってまいります。その
意味で、大いに
出願料の節約になるはずでございます。また、これを十分やっておきますと、いろいろ
製品開発、
製品を
市場に出す、あるいは研究開発を行う場合におきましても、どういう
発明があるかということがわかるわけでございますから、効率的な研究開発になっていくことも十分期待できるということでございます。そういうことでございますから、
先行技術の補完をやっていこうということでございます。
先ほ
どもちょっと申し上げましたが、これをやりますためのデータベースの蓄積というのは、ペーパーレス計画のもとで随分進んでまいっております。これを効果的に使うということで需要に十分対応できるのではないかと考えておるわけでございます。
具体的には、先ほ
どもちょっと申し上げましたが、全国にございます
発明協会、これは各県に支部が設けられております。そこを窓口に、さらに通産局あるいは商工
会議所というものを使いまして、そこに
中小企業の皆様方がこういう
発明について
先行技術がどうなっておるかということで
調査依頼あるいは相談に来られますと、この窓口で中央にございますデータベースを使いましてチェックをする、そして
先行技術として、先行
発明としてこういうものがありますよということをお示しすることにいたしたいと思っておるわけでございます。これを行いますための予算につきましても、今年度予算で確保しておるという
状況でございます。