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金子(一)
委員 原子力の昨日の
議論に戻りますけれども、そういうことで
江田委員だけではなくてほかの方からも、
同僚議員からも
学校教育をやろう、そして、
学校でこういう
原子力というものを現場に行って見てもらおうよというような御
提案があったと私は理解しているのですけれども、そういうことでこれからもいわば
安全性、もちろん講じていかなければなりませんけれども、育てていっていただきたいと思っております。
さて、
エネルギーの、今回の
法案の中でいろいろ
省エネルギーを進めていこう、そういう中で
産業、民生、
運輸、これはいろいろ
法案で盛り込まれておりますけれども、結構大変だ、
産業部門は
エネルギー消費全体で五二%を占める。これの部分の
エネルギーの
消費、このまま
伸びると大変だからと、何%
エネルギー換算で削減しよう、こういう御
努力をされていますけれども、これはきのう
局長がGNP原
単位、
生産の原
単位で直しますと三六%、七三年から進んできたのとほぼ同じ
程度をこれからもやるのだという
お話がきのうあったのですけれども、その実績があったじゃないかとおっしゃられたのですけれども、
産業部門はかなり
ぞうきんをぎゅっと絞ってこられた。
鉄鋼で言えばもう一トン当たりの
エネルギー単価、二〇%削減させてしまった。自動車の
鋼材使用量も三割削減させてしまった。新幹線の
新型車両、あれの重さも六四年に比べて七割にしてしまった。
橋梁関係もそうなんですね。
東京タワー、あれは四千トン
鉄鋼を使っていますけれども、今の
技術でいえば三千トンでできてしまう、そういうことでかなり絞ってきている。一方、これからさらに頑張っていこうということになりますと、一方で
環境として大変な障害ができてきているだろう。
ある会社のボランタリープランというのを、ちょっと
お話を伺ってみたのですけれども、今まだ夏の冷房を十分入れていない。
作業環境を改善していかないと
人手不足で大変だ、
作業環境の改善。それから、やはり
省力化投資をしなければいけない、
ロボットを入れなければいけない。ところが、
ロボット一台一千万するのですけれども、従来は二交代でやりましたから、いわば二人分の
効果があった。ところが、これ、今は昼間の一交代といいますか昼間だけ、そうすると、今まで
省力化投資、大概
ロボットを入れますと二人分の
効果があったのですけれども、今一人分になってしまっている。それから、当然千八百時間のいわば労働短縮という問題、そういう中でも、しかし頑張らなければいけないということで、毎年一%ずつ原
単位、
生産原
単位を減らしていこう、十年で一〇%、そのための
省エネ投資をどの
程度やらなければいけないか、試算してみたら十年間は全部試算できないけれども、当面三年間
計画してみましたら、全体の設備投資の四〇%の省力化をやってようやく原
単位での年一%弱の低減ができそうだ。これは全体の設備投資をやって四割も
省エネ投資をやらなければいけない。これは大変だ。そういう中で、拝見しますと、今回いろいろ施策を講じていただいているのですけれども、既存設備の廃棄をどうしてもどこかで進めていきませんと
省エネという
意味での
効果はなかなか上がってこないようです。だから、今いろいろ施策を挙げていただいていますけれども、課題としまして、特別損失というものをどこかで検討していただかなければいけないのではないか。ぜひやってほしい。低利融資、今かなり安い金利が出ております。これもいいのですけれども、そういう特別損失が必要だ。
それからもう
一つ、これは別の会社なのですけれども、今度はコジェネレーションというのを
一つのポイントに、つまり、
個々の設備、機械から、全体として面的に
省エネシステムを進めようという今回の
方向だと思うのですけれども、ところがある会社の場合、都市ガス
地域とLPG
地域と同じ工場の中で二つに分かれてしまっている。そうすると、LNGとLPG、これは容量が違ってくるものですからコジェネレーションをやろうかと思ってもなかなかやれない。これは、こういうところがなかなか難しいね。ですから、今回、全体の
省エネをやる
努力を阻害する
要因を排除する仕組みの
整備もうたっておられるわけですから、こういう点も検討していただければ、きょうお答えいただくのは難しいと思いますので、それもぜひお願いを申し上げたいと思っております。
それからもう
一つ、フロンの問題なのですが、これも大変なのです。
今までフロン設備というのは五・五メーターぐらいの、五メーター強ぐらいのスペースで済んだのですけれども、フロンをやめまして水系の洗浄装置でやりますと長さが六十メーター要るわけです。六十メーターかかりますと今までのスペースでは足りませんから、全然別のところにレイアウトする。そうすると、部品を買って、六十メーターのところまで、新たなところまで洗いに出す。それを元に戻して、それからまた加工したり組み立てたりするということで、大変行ったり来たりが出てくる。洗浄時間も、今フロンでやりますと一分、水系で洗いますと十倍の十分強かかるといったようなことで、なかなか大変だな。
ただ問題は、フロンを使っているのは、ユーザーの七割がどうも大
企業みたいですね。ところがもっと問題なのが、いわゆるトリエタンで洗っているもの。これは逆に大体七割が中小
企業で使われている。ある靴の下請メーカーなのですけれども、工場が下町で、住宅街に密接している。さっきも申し上げましたように、水系の洗浄装置はスペースが非常にかかりますので洗えない、使えない。今までだったら本当に狭いところで済んだのですけれども、そういうスペースがとれない。ではアルコール系にかえようかと思ったら、消防法でだめだと言われてしまう。これは困ったねという話がありましたし、それからもう
一つは、水系で洗浄いたしますと、水には表面張力があるものですから非常に細かいところ、例えば針の穴みたいなところは表面張力が邪魔してしまって洗えない。仮にそこを洗ったとしても、それを乾かさなければいけない。乾かしているうちにさびてしまうということが出てくる。もう
一つは、水系で洗いますと、結局洗い流した後の水質汚濁の問題、これは防止装置をつけなければいけないよ。だから、トリエタンで切りかえると、そういうような設備の問題、スペースの問題と同時に、最後の公害防止の、水質汚染の設備までやらなければいけないねというので、本当に大変だね。しかも、水系で使いますと当然電力
消費も大きくなりますから、トリエタンをやめてしまって電力を使うと、これが本当に地球に優しいという話になるのかねと言って、中小
企業の皆さんからもいろいろ出てくる。こういう問題がフロンに絡んでトリエタンについても、トリエタンの方がかえって大変だろう。
しかも、もう一言言わせていただきますと、これはたしか九五年までにやめるのですね。そうだったですね。そうすると、この三年間で全部
需要を切りかえなければいけない。三年間で
需要を切りかえますと、全体でどのくらい
需要があるかというと、まだよくわかっていないらしいのですけれども八万台から十万台切りかえなければいけない。ところが、これをつくっている業者が全国で七十社あるのだそうですけれども、年間の
供給力というのが今のところは全体で一万台ぐらいしかないらしい。そうすると、八万台、十万台というのが本当に九五年までにちゃんと達成できるのだろうか。こういう切りかえの問題というのもどうも出てきそうだ。
そういう問題があるものですから、
産業界全体のぎゅっと絞る話、そういうフロンの話、こういう問題、
通産省いろいろ取り組んでおられると思いますけれども、これも簡単で結構でありますから、一言コメントがありましたらお願いをいたします。