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遠藤(和)
委員 私は、
老人訪問看護ステーションにつきましては大変深い感慨を持っております。といいますのは、我が公明党では、これから
高齢化社会になるということで、十年ほど前からこの
制度をつくるべきだということを主張し続けてきたわけでございますが、おかげさまで老健法の改正時にこの
制度が創設されました。しかも、そのときの政府の
考え方は、この分に対しての国庫負担は三割ということであったのですけれ
ども、国会でこの分に対して国庫負担は五割にするという修正で成立をしたわけでございます。
そして、昨年の四月一日からスタートしたわけでございますが、全国で初めてこの日にスタートしたところがございました。それは宮城県の大崎
看護ステーションでございましたが、そこに私も行ってまいりまして、生まれたばかりのこの
ステーションがどのような運営になっているのか、現実に
現場へ行きましていろいろとお話を伺ったことがございます。
そのときには
厚生省の
皆さんに大変お世話になったわけでございますが、そこで
現場の声といたしまして、開設するのに大変資金が要る。大崎の
看護ステーションは、たしか
看護協会がされていたと思いますので、特にそういうことが大変問題であったんだろうと思うんです。したがいまして、何か開設資金に対して助成する
制度、あるいは融資の
制度というものを
考えてもらえないかというふうな御要望がありましたものですから、東京に帰ってまいりまして、当時の
厚生大臣にそのことを強く要望したことを思い出します。そして、これが今回こうした形で
社会福祉・医療事業団あるいは
沖縄振興開発金融公庫から融資
制度をつくるということになりましたことは、大変一歩前進であると受けとめておるわけでございます。
そこで、私の地元の徳島でも、昨年一カ所この
訪問看護ステーションができたのです。ことしの四月一日に、二カ所目でございますけれ
ども、徳島
医師会が開設したものでございますから、先般地元に帰りましたときにそこにお邪魔いたしまして、どのような実態であるかというのを実際にお聞きしてきたのでございます。
皆さん非常に熱心にやられているんですけれ
ども、大変心配なことは、これからの
訪問看護ステーションの収支見通しというものを出してもらったんです。それを見ますと、徳島市
医師会がこの四月一日からスタートさしたんですけれ
ども、この
訪問看護ステーションの場合は開設準備経費に四百五十万円かかっているんですね。それから、現在は
看護婦さん二人、
パートの方が一人、管理者一人という体制でやっているんですが、この
訪問看護を受ける対象者が三十人おりまして、それで計算をしますと、
収入の
試算といたしましては、
基本療養費とか
管理療養費、情報提供
療養費だとか交通費、全部込みで一年間で一千五百八十九万四百円の
収入が見込める。しかし、支出の方は、
人件費と雑費を合わせると一千八百七十一万一千七百六十四円かかる。したがいまして、その差額は二百八十二万一千三百六十四円
赤字になる、こういうことなんでございますね。
今、対象が三十名ですが、希望がたくさんありまして、四十名ぐらいにしたらどうかという話もありまして、これでも
試算をしているんですね。四十名にした場合は、
パートの
看護婦さんを二人ふやしましてやりますと、
収入の合計が二千百三十八万四千円になる。支出の方は全部で二千二百四十一万七千七百六十四円になる。こちらの方もやはり百三万三千七百六十四円の
赤字になる、こういう
試算を出しているわけでございます。
したがいまして、いわゆる単年度の収支でも
赤字でございますから、この開設準備経費として四百五十万かけているんですけれ
ども、これはこの限りでは永久に償還をされない、ずっと借金として残っていく、こういうふうな状況になっているわけでございます。ここは
医師会が経営しているものでございますから、
医師会が持ち出しをしてやっているんですけれ
ども、こういう状況を見ますと、この
訪問看護ステーションというのは、将来、
平成十二年に五千カ所つくるという目標を立てているんですけれ
ども、
赤字を覚悟でつくるとなると、とてもそういう目標を達成するのは難しいのではないか、こんなことが心配されるわけでございます。
それで、順次現地の
皆さんの要望に沿って質問したいんですけれ
ども、この開設資金に対して今回融資
制度というものを設けたわけでございますが、融資
制度でなくて補助金にしていただけないか。融資というのはお返ししなきゃいけないわけでございますから、これは今の収支見通しを見ている限り返せるめどがない、こういうふうな収支見通しになっておるものですから、これは補助金にしていただけないか、こういうことも
考えてもらえないのか、こういうふうな要望があったのでございますが、この点についてどのようにお
考えか、まずお聞きしたいと思います。