○菅
委員 これは大臣にも一応聞いておいていただきたいのですが、確か一、二年前に私が少しこの
質疑をしたときには、看護婦さんをふやしたくても、看護婦さん教育をする教育の人材がまだなかなかないんだということを
厚生省、文部省から聞いたことがあるわけです。今の説明によれば、人材確保法ができた後、十四校が八校ふえて二十二校になる。ここに定数も私の方の資料はいただいておりますが、かなり思い切った拡大といいますか、定数増あるいは大学増をされたというふうに率直なところ評価をしておきたいと思います。
そういうことを踏まえて、
先ほど最初に申し上げたように、長期的な看護婦さんの不足を解決していく上で、しかも質的な、私が聞くところによれば、大学の看護学科などには希望者はかなり多いのに、今までかなり難しくてなかなか合格するのが、三倍とか何倍とかいう倍率で、せっかくなりたくてもなかなかなれない人が多かったというふうにも聞いております。それでなくても非常に不足している分野ですから、そのあたりの中長期の見通しに立った
厚生省、文部省、ある
意味では十分協議をされた上での
計画をさらに確実に進めていただきたいということをこの点については申し上げて、次の問題に移りたいと思います。
ところで、
先ほど大臣からも老人の自立という言葉が出てきたわけです。私もこれからの高齢化社会というものを考えたときに、今までは元気な間は当然ながら普通の生活をする。自分の家であったり借り家であったりする。病気になってしまうと、端的に言ってしまえばベッド
一つ、自分の存在はベッド
一つの存在になる。その間にいろいろな形態があるわけですね。例えば、
先ほど言われたもので言えば、どちらから言ってもいいですけれ
ども、かなり介護の必要な人は特別養護老人ホームがある。あるいは、そこまで介護は必要はないけれ
どもという人には軽費老人ホーム、あるいはこのゴールドプランではケアハウスという言い方をされております。
それに対して、必ずしも施設というよりは、住宅の側から迫ってきて、つまりはほとんどは自立した生活ができるけれ
ども、しかし、いざ何かあったとき、あるいは若干はいろいろお手伝いいただきたい、こういうものをどういう形で埋めていくのか、こういう問題が今一番大きな問題にたってきていると思うわけです。
あるいは大臣、これ読まれたことがあるかもしれませんが、三年ほど前に岩波新書から「体験ルポ 世界の
高齢者福祉」という、当時二十九歳の青年が国内国外のいろいろな施設に数カ月間ずつ住み込んで報告をした、私、数年前に読みまして大変印象が深かった本があります。あるいは大臣も読まれたかと思います。
そういう中で、いろいろな事例が出てきておりますが、例えばスウェーデンなどでは日本よりかなり進んでいるなと思ったのは、日本の場合は特別養護老人ホームあるいは老人ホームの個室化の問題も、基準からいえばまだ大部屋制が基本になっている。私の地元の保谷市というところに東京老人ホームというところがありまして、ここは数年前建てかえをやった中で大部分を個室形式にした。それをするに当たっては
厚生省と大変な議論をして、いろいろと言って何とか認めてもらったなんという話も聞きましたけれ
ども、個室化の問題がある。
しかし、スウェーデンではさらに進んで、個室で住んでいるあるいは夫婦で住んでいるよりも一部屋ですから、いろいろな食事とかなんとかのサービスの提供が全部受けられる。そうすると、自分が食事ぐらい多少つくれる能力があっても、しないで済んでしまう。だから逆に、施設の中の部屋ではなくて、まさにケアハウスですね。つまりは安心を、いざというときには何か手伝ってもらえるけれ
ども、日ごろは自分が食事をつくったり掃除をしたりあるいは洗濯をしたり、そういう最低限のことをできるようた施設の方に重心が移っているというふうにこの中にも出ているわけです。
そういう点で、
先ほどケアハウスあるいはシルバーハウジング等について大臣の方からも触れられました。このシルバーハウジング・プロジェクトというのも、せんだって
厚生省あるいは建設省からいろいろ聞きまして、
制度としてはなかなかいいなと思うのですけれ
ども、基本的にはまだモデル的な段階だとは思いますが、現在のところ公営住宅に限られた
制度になっている。
公営住宅というのは、ここに書いてあるのによりますと、まだ実績が
計画戸数で三千百戸、管理開始で五百戸と書いてありますから、まだまだ量的にはごく限られたものにたっていると思います。今後こういうことを公営住宅に限らない
方向でもっと拡大すべきではないかと思っておりますが、こういったシルバーハウジングあるいはケアハウスについての今後の展望について、
厚生省としての見解を伺っておきたいと思います。