○平田(米)
委員 土地がなかなか取得できないというのが一番大きな理由のようでございますね。それからもう
一つ、私もいろいろ調べてみましたらば、なかなか地価の高いところは採算が合わなくて、土地があったとしても、もう
業者が採算がとれるような地価で分譲することが難しい、そういうような事情もある。
それからもう
一つ、これはちょっとおかしな話なんですが、いろいろ聞いてみますと、もう既にこの
法律の施行前に流通センター等をあちこちにつくっていて、改めてまた
流通業務市街地として一カ所に集約することが非常に経済効率性等からいって適当じゃない、こういうところにどうも国がどんどん指定してしまった、こういうような事情もあるようでございまして、もう二十年近くほかってあるのにどうなっているのですかと聞きましたら、実はもう一応でき上がっているのです、こういうような話もございました。
これはまさに中央集権の弊害でございまして、国が地元の
状況をよくお調べにならない
状況の中で指定されてしまったのかな、こんな感じがございまして、今回
知事に
権限を移譲される、こういうことは、非常にこういう問題を起こさせないという点では
改善かというふうに思うのですね。そういう
意味で、
地方分権という流れの中での前向きの改正だというふうに私も評価をしておるわけでございます。
それで、
建設省から資料をいただきましたらば、
流通業務団地、これまでつくってこられてどれだけの
事業費がかかっているかというふうに
伺いましたら、大体平均で二百七十億の
事業費がかかっている。これは大変な金額でございまして、大変財政力のある自治体ならば十分
対応できるかと思うのですが、これから
地方都市にもつくっていこうということになりますと、なかなかそれだけの財政力のない自治体が、果たしてこういう多額な
事業費がかかる
事業を率先して遂行しようという意欲が起きてくるのかどうかこれは非常に疑問だなというふうに思うのです。
割合と
地方にあります府県がやりました
事業について聞きました。そうしましたら、やはり相当な期間かかった。買収から
事業完了までに二十年以上かかった。そしてその間、起債でやっておりますので、金利が地価にどんどん反映をしてしまう。そういうことで、どんどん地価が高くならざるを得ない。赤字を出すわけにいかない。そして、一生懸命セールスに回って
業者に買ってもらおうとしたけれ
ども、なかなか買ってもらえなかった。しかし、幸いに今回バブルがあったので、全部売れました。だけれ
ども、あのバブルがなければいまだに残っているのではないか、こういう
お話も
伺いました。
それで、当然買収から完了するまでに長期間かかれば、四%台だとしても、それだけの金利が毎年毎年売れるまで地価に上乗せになっていってしまう。地価の
状況は、バブルが崩壊をして今後もう底値なのかもう一段下がるのか、いろいろ言われておりますが、しかし、いずれにしましても、毎年毎年五%以上の地価の上昇が今後期待をされるというのは非常に難しいのじゃないかと私は思うのですね。今までの
流通業務団地の造成の仕方を見ていますと、少なくとも毎年地価が五%上がっていくんだ、上がっていくから、時間がかかったとしても最終的にはペイしますよ、こういう前提でこの
事業計画はっくらざるを得ない、そういう
状況のもとでやってきたと思うのです。
しかし、これからはそういうわけにはいかないのじゃないか。少なくともここ五年ないし十年は今のままで地価を安定させないと、まさに生活大国は実現できません。年収の五倍で住宅をなどという目標は実現できないわけでございますから、そうしますと、毎年地価が五%以上上昇するというような前提で起債をさせて、そしてその起債の元利合計の返済は土地の売却で充てるなどというような
やり方では
対応できないのではないか。また、まして
地方の余り財政力のない県がこの
事業をやる場合には大変勇気が要る。こういうことになりますと、今回、幾ら
法律を改正したとしても、
地方都市に
流通業務市街地、
流通業務団地ができ上がるのはなかなか難しいのではないか、こんなふうに私は思うのです。
伺いますと、特段の財政措置はございません、新しいものはありませんというふうに
伺いました。確かに、税制上の措置なり、あるいは上物を建てる
業者に対する融資
制度というのはあるわけでございますが、自治体がこれだけの大きな
事業を今後やっていくことについてのインセンティブを与えるような財政措置というのは全くない、こういうふうに思うわけでございます。
大臣どうですか、今の
状況を
お話ししますと、これからの地価の上昇がないということになりますと、基盤
整備として出した工事費は上乗せするのは当たり前だと思うのですね、それだけの付加価値がつくわけですから。しかし、長期間にわたる、十年も二十年もかかるということは、結局は購入した地価の倍にして売らなければいけない、それにさらに工業費がかかるということですから、これは何らかの支援措置を国がしないと、
地方都市でこのような
事業がどんどん行われるような機運にはなってこないのじゃないか、こんなふうに私は思うのですが、いかがでございましょうか。