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薮仲委員 局長は荒川とか墨田の低層の、木造の密集した
住宅をイメージされると思うのですが、今度世田谷とか練馬の生産緑地に農協の方が建てたものはそういうひどい密集状態にございませんで、ごらんになればわかります。雨戸が閉まっていて入ってないのですよというおうちが、ところどころに見え隠れしているわけでございますから、そういうものは、先ほど来の三大都市圏の市街化農地の有効利用ということでテークノートしておいていただきたい。これはここで論議はいたしません。私は現地へ行ってしゃべっていますので、大変そこは意見がかみ合わなくて申しわけないと思っておりますけれ
ども、よろしくお願いいたします。
次に、もう時間もありませんので大臣初め、最後の
質問に入りたいと思うのでございます。
先ほ
どもございましたけれ
ども、これから高齢者の
住宅、これは私は非常に大事にしていただきたいと心から念願をするわけです。高齢者の
住宅がなぜ大変なのかというと、六十三年の
総務庁の
住宅統計
調査、これは先刻御承知の統計でございます。この中で一人きりのお年寄りの約三〇%、この方は世帯にしますと三十七万五千世帯あるわけでございますが、この方はほとんど民営
住宅に入っていらっしゃる。この民営借家に入っていらっしゃる一人ぼっちのお年寄りの居住環境はどうかというと、やはり
住宅統計
調査では、この中の七四・六%が非常に狭い、いわゆる居住水準以下のところ。しかも、おふる場とかトイレとか共同利用なんですね。そういうところにお年寄りが入っていますよ。しかも、お年寄りは引っ越そうとすると、病気の問題、あるいは
家賃の支払い能力がありますかとか、いろいろなことで、時には火の始末の心配などがあって快く入れていただけないのですね。こういうお年寄りの方がいらっしゃるわけでございます。
しかも、これは建設省がおやりになる住調などを見ましても、五年以内に移転した人はどうだ。その
理由の中で、一人ぼっちのお年寄りの一番多い
理由は、立ち退いてくださいというのが一番多くて一七・七、約五人に一人は五年以内に追い出されている。お年寄りはかわいそうだなと、私はこういう数字の上からだけ見ているわけでございますけれ
ども、やはりこういう方は建設省の、公共であるとかあるいはパブリックの中へ吸い込んでもらいたい。老後が不安で、人生長い間苦労してきて、最後の無終章でまた苦労なさるようなことがないように大事にしてあげてほしいと私は思うのです。
私の
住宅に対する一番の願いは何か。人はどこでも住める、確かにそうなんです。人はどこでも住めるよ、でも私は、人はどこにも住めないよ、こう反論するのです。特に、私はお年をとられた方と話し合うのですけれ
ども、例えば
公営住宅の建てかえだとか、あるいは公団もそうですけれ
ども、住みなれたところから離れるということは、お年をとられた方にとっては相当の苦痛なんですね。やはり自分が住みなれたところで、お友達がいる、あるいは近所のお店屋さんと親しくなった、親戚もいるというところへいるわけです。そういう親しい仲間や何かと楽しく人生過ごしたいのがお年寄りだと私は思うのです。
ですから、きょうはもうその辺の
質問は全くできないのですけれ
ども、これからのパブリックの中にお年寄りも一緒に入れる、公営二種というところへ入れるのじゃなくて、今度おやりになる民営
住宅のある
部分はお年をとられた方のために用意しましょうとか、大きさはいろいろ
考えればいいわけですから、パブリックの中で公共と公営をどううまく混合させるとか、あるいは建てかえのときには、
基本的にもうお年をとられた方は不安のないように、前の
家賃でお入りいただいて結構ですよとか、そういうようなことも十分
考えながらこれからの
住宅政策をやっていただきたいと心から思うわけです。お年寄りに対して、安心してできるように、シルバーハウジングとかシルバーピアとか、先ほど局長お話しになられましたけれ
ども、こういうことが非常に大事だと思うのです。こういう
住宅政策、どうかこれから
考えていただきたいな、お年寄りの問題。
それから、これは最後になりますので、この
住宅政策はまとめて大臣にお答えいただいて私はやめたいと思うのです。
公営住宅の中でも、ずっと昔建てた、私のところで言うと安倍口団地というのがあるのですけれ
ども、そこは調整区域に建てましたから交通のアクセスが非常に悪いのですね。こういうような交通のアクセスの悪いところな
ども、これからの時代、やはりもう一度アクセスの方も御
検討いただけないかという気持ちもございます。
それからもう
一つは、そういうところは大体中心市街地から相当離れているわけです。そうすると、だんだん空き家もふえてくる傾向にもあります。そういう昔建てた、建設省が努力してつくってこられた
公営住宅の団地があるわけですけれ
ども、そういうところへ今度はまた人が集まるような、情報の発信地というとちょっと大げさな言い方かもしれませんけれ
ども、新大久保に、マンションの中にグローブ座という劇場があるのです。ああいうのは非常にすぐれているなと私は思っているわけです。そこへいろいろな芸術家が来て、演奏者がみんな集まってくるわけですけれ
ども、住まいの中に若者も集まってくる、あるいはそこでいろいろな演奏会があったり、文化的な施設があったりというふうにして、そういう昔つくった公営団地というものが新しく生まれ変わるような時代もこれからつくっていただきたい。あのままただほっておくと、だんだん空き家がふえてくるのじゃないかなという懸念もございます。
いろいろ問題があろうかと思いますが、もう時間が参りましたので、冒頭からいろいろと
住宅政策を申し上げました。結論は、どうか中村建設大臣に、我々国民はひとしく安らぎと豊かさを持つような
住宅を建てていただきたいし、お年寄りにとっても不安のない時代をつくっていただきたいし、中堅サラリーマンも不安のない人生を送らせていただきたい。もう
住宅では不安がありませんよという時代を多くの国民が期待しておりますので、最後に大臣の御決意を、そして、我々はずっとこの
住宅政策には、何回も大臣のところへ、今度の中村大臣に行っておりませんけれ
ども、歴代の大臣に、中堅サラリーマンの
住宅をということで、今度
法案が出てまいりました。我々はこの
法案というものを非常に期待しておりますし、どうかすばらしい時代を築き上げていただきたい、このことをお願いする次第で、大臣の御決意を伺って終わりたいと思います。