○小森
委員 我が国憲法の趣旨を理解してもらいたいと思うんです。
我が国憲法は「確立された国際法規」、これをつまり尊重しなければいかぬ、こう書いてあるんですよ。官僚から答弁もらえば、確立された国際法規とは
日本もそれに調印しておることをいうんだと言うと思いますけれ
ども、趣旨を理解しなければいけませんよ。つまり、
我が国が得手勝手に自分の国だけのことをやればよいということであってはならぬという意味のことを憲法に書いておるのだろうと思うんです。このおくれを一日も早く取り返してもらいたい、私はこういうように思います。
そこで、今まで人種差別撤廃条約のことについて何回か私は質問いたしましたけれ
ども、その際に時間の
関係で触れておくことができなかったんですが、こういう事実を
局長さん方にしても
大臣にしても知っておいてもらいたいと思います。
一九八三年の第二回の人種差別撤廃世界
会議、スイスのジュネーブで行われたのでありますが、私はそれに出席をしておりました。そして、その前の日にニューヨークからやってきた千葉
国連大使、この人と会いました。私は出る前に外務省を訪ねて、人種差別撤廃条約についてはぜひひとつ立派な態度をとってもらいたい、こういうことを言っておった
関係上、ジュネーブで当時の千葉
国連大使と会いました。千葉大使は、私に非常に前向きなことを言われたのであります。
その前向きなことを言われたのは、英文もありますけれ
ども、それはその私に言われたとおりを演説されたんですから、英文もここへ私は持っていますけれ
ども、翻訳したのをちょっと読んでみますと、どういうことであるかというとこうなんですよ。これは国際約束ですよ。
外務大臣、よく聞いてください。「
日本は近々他に二つの重要な条約に同意する考えでいる。」その他の二つの条約とは既に批准をされた女性差別撤廃条約、「それらは、女性差別撤廃条約とあらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約である。
我が国は既にこれらの概念を精神的・実際的にかたく守っている。」こう千葉大使は言っている。これは大演説したんですよ。私は、英語がよくわからないから、わからないというかすぐ発言で聞き取るだけの力はないから、じっとその原稿を読みながら、前の日に私に見せてくれた原稿と同じことを読んでおるということだけは発言で確認しておるんです。それを
日本語に翻訳したらこうなるわけです。
一九八三年、ことしは何年ですか、一九九三年ですか、そのときにかたく守られていると公言しておきながら、十年間たって中身もまだ目下
検討中というのは筋が通らぬじゃないですか。ええかげんな答弁はせぬようにしてくださいね。
中身はどうも、去年の答弁も聞き、ことしの答弁も聞いて法務省だということがわかりましたが、法務省の人権擁護局というのが
日本では人権破壊局なんですよ。そうでしょう。本来法務省が外務省と協力して何とか国際的にかかわるんだということを、そうじゃなければ言わにゃいかぬわけでしょう、人権に関しては。外務省は、我が党の仙谷代議士に対して渡辺
外務大臣が、四分六分で私は批准の方に傾いておるという意味のことを
私が質問した直後の質問で答弁をしておられます。だから、外務省の気持ちはわかるんだ。わかるが、先ほどのような答弁はいけませんよ。人種差別の
規定、特に門地というのを私が出して、これをどう思うのかいと言ったら——これは
日本社会ではずばり言って部落差別なんですよ。そういうことを、
検討しておるということじゃだめですよ。
外務大臣、法務省と打ち合わせをしてもらって、幸いに法務省が、どういいますか実力
大臣後藤田副総理でもあるので、ひとつよく打ち合わせをして、ぜひとも国際的に筋の通ったことをやっていただくように御尽力願いたいと思います。最後に一言コメントを聞いておきましょう。