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古賀(一)
委員 高田警視及び
中田さんの件につきましては、そういうふうに
総理大臣、
外務大臣表彰等々の
検討がなされておる、あるいは実際やられたということでございますけれ
ども、私はぜひこれを今後続く
人たちへの
措置としてというか、今後、将来への
方向として
本件を生かすためにはぜひとも
制度として本当に総合的な
検討と前向きの真剣な
検討をお願いしたい、かように思います。
実は、読まれた
委員の
先生、たくさんおられると思いますけれ
ども、文芸春秋に、今月号でございますが、「桜とともに天に召された
息子 中田武仁」とお父様の文が載っております。一行一行に
息子を思う父の
気持ちというものが本当にあふれておるし、そしてまた、普通は逆でございますけれ
ども、
息子の遺志を継いで
自分も何かを、
国際貢献に尽くしたいという
気持ち、そしてその
息子に対する畏敬の念が行間にあらわれておるわけで、これを読んだときに、先ほど申し上げましたように、
中田さん、
高田さん、両名を表彰するあるいは何らかの
補償の
手だてをするということだけでは済まない、やはり何か
制度として後に続く人に残すべきだという感に駆られるわけでございます。
ちょっと長くなりますからるるは申し上げませんけれ
ども、
一つだけ、さわりの部分をあえて読ませていただきたいと思います。
厚仁は危険な
国連ボランティアの
選挙監視活
動中でも、最も危険なコンポントム州に真っ先
に手を上げて志願し、何にも替えがたい、たっ
たひとつしかない命を捧げました。
厚仁は常々、
「
世の中には誰かがやらなくてはならないこと
がある。僕はその誰かになりたい」と言い、それ
をこの地で現実としたのです。
厚仁とはいつも、「
自分たちを
安全地帯に置
いていながら、ほかのことについて、饒舌にあ
あだこうだと言うことはみっともないからやめ
よう」と話していました。
というようなくだりもございますし、
信ずるもののためには命を捧げても行動す
る、という崇高さを持った
人間を示してくれた
ことが、
厚仁の救いであると思います。貴いも
の、崇高なものが
人間のなかにはあるというこ
とを信じさせてくれたことが。
こういう文章もございました。
私は、
本件のあの
中田さん親子といいますか、御両名がテレビ、
新聞等を通じまして我々
国民に示したことというのは、何か、
厚仁という
名前を
日本と置きかえた場合、我々ももっとしっかりしなければならぬ、かように思ったわけでございまして、ぜひともこの
事件を生かした
制度というものを真剣にとらえていただきたい、これは御要望でございますが、申し上げたいと思います。
第二問でございます。
カンボジア問題もそうでございますし、先ほど冒頭申し上げましたいろいろな
世の中の
流れを考えたときに、私は、これから
外交というものが本当に重要である、重要にならざるを得ない、そして
内政をも、国の命運をも左右するほどの
重要性を持ってくると信じて疑わないわけでございます。先ほどこの四年間の話をしましたけれ
ども、これからもっともっと
世界は激動し、とりわけ
国内そのものの
利害調整というのが大変難しい
時代になっております。恐らく
日本が
成熟化社会になり、
先進国になったそのあかしたと思うのでありますけれ
ども、
国内調整が大変難しい。
しかし、その国内問題を決めるときにも、ことごとく、ほとんどと言ってもいい
分野で、つまり
経済、
社会、文化、あるいは貿易、環境、いろいろな問題で実は国際問題が絡んでくる。そしてまた、国際問題の
相手でございます諸外国もまた
日本と同様に
国内調整が非常に困難な
時代に今来ておる、あるいは来つつあるという感じがするわけでございます。そうしますと、
外交というものは大変難しい状態に陥るし、それをしのいでいくための
機能といいますか、そういうものが問われてくるのではないか、かように思うわけでありまして、
外交機能の
強化というものが、別に
外務省のためとかそういうことではなしに、これからの
日本のために欠くべからざる問題だ、私はかように
認識をしております。
実は私は、二十年前に
出向で
外務省に二年ばかり
お世話になった
経験を持つものでございます。私、いろいろな
役所に
出向等で参りましたけれ
ども、その
一つとして
外務省に
お世話になった。外に出て見る、外から見ると物事というのはよくわかるわけでありまして、私も一
たん外務省に
お世話になっただけに
外務省のこともわかるし、もともと
外務省の
人間ではないがゆえに
外務省のよさ、悪さがわかると
自分自身は思っております。
そういう中で、ぜひお聞かせ願いたいわけでございますが、非常に総論的でございますけれ
ども、今般あるいは今後の
国際情勢を見たときに、果たして
外交機能は十分であるのかあるいは
外交体制は十分であるのか、そういうことをお伺いしたいわけでございますが、第一点目に、この十年、二十年でも結構でございますけれ
ども、
世界の
動きは極めて激しゅうございました。この四年でもそうでございます。しかし、それに対応して
外交機能あるいは
外交体制の改善と
強化というものに
外務省は実際どう取り組まれたのか、そういうものを、過去の話になりますけれ
ども、ひとつお聞かせ願いたいと思います。