○関
委員 ちっともお答えになっていません。お答えになっていませんけれども、これにばっかり時間をかけたら大事なきょうの質問があとできなくなりますので、これはひとつ後でもいいから、明細なお答えができるように説明に来てくださいね。それだけは要求しておきます。
〔
委員長退席、村井
委員長代理着席〕
本日の本論に入りたいと思います。
本論は、六ケ所の再
処理工場をなぜ許可したかということです。これを許可するためには、許可の条件が二つある。一つは、
安全性の問題についてきちんとしておく。一つは、経営的基礎において、これは商業的炉ですから、
実験炉じゃないのですから、経営的基礎においてきちんとすること。この二つがきちんとすることなんです。ところが、この
安全性の問題にいきますというと、垂れ流しですよね。クリプトン85、トリチウムを垂れ流し。しかも、この垂れ流しの放射能は三十三京ベクレルを超えるのですよ。
世界にどのくらいのクリプトンの放射能があるかというと四百京ベクレルと言われていますよね。六ケ所だけで三十三京ベクレル、八%です。そういう放射能を大気中にまき散らす。当然大気に影響を与えますよね。
先般の私の質問のときに、安全
委員長がこう答えましたね。これを取り除く
技術はないわけでもない、ないわけでもないが金がかかり過ぎるので云々、こういうお答えです。これは予算
委員会における内田
委員長の答弁ですよ。金がかかり過ぎるからやらない。それから、
安全性上大した影響はないから、やけどが起こるとしても大したことないだろう、こういう
考え方のようであります。
でもしかし、この地球環境に与える影響からいけば、大気に与える影響からいけば、これも天候に非常に影響しますよね。非常に影響します。CO2の問題で、
原子力、原発はCO2を出さないからいいんだ、こう言いますよ。しかし、このクリプトンは大変な量になって、そうして大気に大きく影響する。その事実が今随所にあらわれていますよね。チェルノブイリの影響を受けまして、スウェーデンにおいてはそれの影響があらわれているとか、雷が多く発生したとか雨が降らなくなったとか、温暖化に非常な影響をもたらしてきたとか、生活に不快の
状況が醸し出されてきたとかあります。大体トリチウムというのは、ギリシャ語で隠されたという
意味があるそうですよ。なるほど危険を隠されたままでやったんだなと、こう私は思いますよ。
そういうことを考えますというと、この
安全性においてクリプトンの問題をもっと責任を持って当たるべきだったんじゃないか。大したことはないということではなくて。そういう
意味において、青森県で私が議
会議員をしておったころには、クリプトンやトリチウムは取り除く建屋をつくることになっていましたよ。結果的にそれはわきにやられちゃった。大したことがないということでわきにやられちゃった。しかし、大したことがないということは、知ってそう思ったのか、知らなくてそう思ったのかは別としても、これはやっぱり考えなきゃならない安全上の問題だと思うのです。
二つ目は、経営的基礎ですね。幾らかけて再
処理工場がつくられるんだ、どのくらいの借金がそこに出てくるんだ。そうしたら、これは十五年で返済しますよ、償還しますという答えが、これも予算
委員会でやりましたよ。十五年で返済されるというんだけれども、本当だろうか、これもきちんと聞きたいと思うのです。そうして、その経営的基礎の中に、やがて再
処理工場だって時が来れば解体しなきゃならなくなりますよね。解体の費用というのをどのくらい見ているんだろうか。始めるところの費用は見ているかもしらぬけれども、終わりの費用なんかはどう見ているんだろうか。先般担当者に聞いたところ、見ていないと言っていますよ。そういうふうに見てもいないで、そうして借金が十五年後に償還されますよと言って、経営的基礎も成り立っていますよというような認可に当たっての
方針、態度というものは、大きく間違っているんじゃないのか。そこだけとらえても、今のような批判は私は当たっていると思うのです。
その上、もう一つ。この再
処理工場から
プルトニウムをつくり出して何に使うのです。
高速増殖炉に使うわけでもない。電気に使うものでもない。そうして、わざわざMOX燃料にするというのでしょう。またここに金をかけるわけですね。MOX燃料というのは、
最終目標じゃないでしょう。プルサーマルに使うなんというような格好で持っていくと言ってみたところで、どれだけのものが使われるのです。ですから、こういうものはつくらぬ方がいい。
高速増殖炉の時代が来たというならば、これは別ですよ。いつ来るかわからないものに、来るものとしてつくった計画です。そのうちの一つの
段階が大きく狂ったのだから、狂ったら狂ったなりに考えていかなければならぬではないだろうか、こう思うのです。
そういう点からいきますというと、
アメリカのレーヴェンサールさんが、
日本は今のうちに安い
ウランを五十年分買った方がはるかに得じゃないかという発表をしていますね。なるほどなとうなずける。ずっと安い。そして五十年過ごすことができるならば、電力料金だってずっと変わってくるでしょう。これを再
処理の道を歩み、高速の道を歩めば、勢い電気料金の方にもまたはね上がっ
てくる。ですから、はるかにワンススルーの方がいいのじゃないだろうか。ワンススルーと再
処理の方とどっちが電気料金に影響を与えますか。
そういうことを見ますと、私どもはさきの計画でも、二〇三〇年を
高速増殖炉の時代にしようじゃないか。商業的ベースのFBRは二〇三〇年。それは
フランスがきちんとやっておった時代なんです。ところが、
フランスはもうお手上げですよ。また延びるでしょう。そのかわりを
日本がやって、
フランスに追いついて
フランスを追い越すまでやらなければならないのだと考えておるのでしょうか。とりあえずそういう点、
お尋ねをしておきたいと思います。