○小平
委員 武藤大臣には御就任おめでとうございます。私が
最後の質問になりますので、大分お疲れのようでありますが、ひとつよろしくお願いします。
特に、現下の
国際情勢は変転きわまりないといいますか、至るところで紛争なり
問題点を多々抱えております。特に、
ロシアの問題もさることながら、カンボジアやアフリカのソマリア、また東欧にしても、至るところで、本当にお忙しいお
立場になったと思いますが、ひとつしっかりと御健闘を
期待するものであります。
また、私は、
我が国の
議会制
民主主義の中にありまして、このルールでやっておりますけれ
ども、しかし
外務大臣、私の
考えは、
外務大臣という職員はちょっとほかの
大臣と違う、言うならば一年こっきりで交代するのじゃなくてもっと長期にわたって、言うならば時の首相と同じサイクルでしっかりと腰を据えてやっていかなければ、外交というのは違うと思うのですね。なぜならば、
我が国の外交はどうも
外務省、外交官にスタンスが置かれて、ちょっと
我が国は一種独特なものを私は感じます。
そういう中で、例えば端的に言うと
日本外交は物わかりがいい。私は外交というのは、いわゆるよい悪いじゃなくて、いかに
我が国の国益を守るために主張するかということでしょう。例えばほかのものに当てはめて言いますと、ボクシングに置きかえて言いますと、ボクシングをやると相手の弱いところ、嫌なところをねらいますね。例えば相手がもしあごが弱いとなったらあごをねらうでしょう、アッパーカット、ノックアウトをねらって。外交も同じことで、相手の弱いところ、嫌なところを突くのが基本的な鉄則であって、そういう意味からいうと、どうも私は
日本の外交というのは物わかりがよ過ぎる。悪い比較を出してなんなのですけれ
ども、かつてのソ連は国連の安
保理の場で、ニエット、ニエットを連発して拒否をしましたね、拒否権発動。言うならば
我が国もそういう毅然たる姿勢が見えていいと思うのです。それが逆に
日本は手ごわいぞという感じを諸
外国に持たして、
我が国の主張を貫いていけると思うのですよ。それがどうも今欠落している。それも
一つは、
外務大臣という重責の方が腰を据えてやっていけないというところに問題があるような気がするのです。少し前置きが長くなりました。
そういうところで、今まで大変長くかかりました、この
北方領土の問題。ですから、そうそうそんな一朝一夕にはいかぬと思います。しかし、それと同時に、私は
北海道の人間です。かつて
北海道における
北方領土返還運動も昔はもっと活気がありました、熱気がありました。いろいろな方が
活動しまして、特に時期を定めて
根室に、納沙布岬に集結をして、やはりそういう示威行動があった。中には過激過ぎる行動もありましたけれ
ども、最近はそれがちょっとトーンダウンしている。それは、言うならば
ロシアのことをおもんぱかっているのですよ、
エリツィン氏のことを、あの人が大変だろうと。今は基盤が脆弱だ、不安定だ、今余り言ったらかわいそうだって。それは
向こうさんが
心配することであって、何で
我が国の方が
心配する必要があるのですか、そんなことを。私は、物わかりがよ過ぎると思うのですよ。ですから、
援助はしてあげます、あげるけれ
ども、
我が国の主張はするという、それは堂々とやっていいと思うのです。それがどうも相手の
立場を思い過ぎるのが私は強いような気がするのです。どうも納得がいきませんね。
それで、いろいろな方から話が出ます。特に、
エリツィン大統領が近々来日するという。私は、
国民の多くの皆さんは、もう正直に言って内心は余りいい
気持ちは持っていないと思いますよ。これは外交上こんな変なことはないでしょう、来ると言って来なかったのですから。で、また来ると。本当に来るんですかね。そこのところがまるっきり
向こうのペースに乗っているじゃないですか。おもしろくないですね、こんなの。私は、そういう意味において、かつてソ連は
我が国に対して無理難題をそれこそやってきましたよ。当時の
我が国はそれを一生懸命受けていました。でも
我が国は今、
国民の皆さんの
努力によって、勤勉さによってこれだけになってきた、堂々とやっていいじゃないですか。そんな意味を込めて、私は、今回の
エリツィン大統領の来日を含めて、また、今の
ロシアに対する
支援策、それは確かに隣国の
ロシアに対して助けてあげるという
気持ち、それはわかります、必要なことも。しかし、どこか一本柱が欠落しているような気がしてならないのです。
そんな意味で、まず
大臣にお伺いいたしますが、これについて今いろいろと各党の皆さんから質問ありましたが、
我が国の
対ロ外交基本
方針が転換してきましたね、このことは
ロシア側に、特に
エリツィン氏にどういうふうに伝えているのですか、そこのところをお答えいただきたいと思います。