○常松
委員 私は、一九九〇年二月に当選させていただいて以来、当運輸
委員会に所属をしてまいりました。私たちの任期は来年の二月までであり、通常国会もこの二十日をもって閉会になる予定であります。したがって、当運輸
委員会において運輸
大臣に御質問し、論戦を挑ませていただくのも、この任期中では恐らくこれが最後になるかと思います。
私が当選させていただいた九〇年二月は、国鉄改革三年目が終わろうとしていた時期でありまして、清算
事業団の就職未内定の職員の御家族の皆さんから、首を切らないでくれとか、JRに復帰させるよう
努力してくれというような趣旨のお手紙やら陳情やらが連日参った時期でした。華々しいJR発足と国鉄改革の陰にたくさんの犠牲者の方々がいることを知りました。
この四年間、当運輸
委員会の中で清算
事業団と
政府、そしてJRによって解雇された皆さんの問題を取り上げてまいりました。私は当初、この解雇された方々はいわゆる階級闘争に身を殉ずる活動家だろうと思っておりましたが、しかしそれは間違いで、ごく普通の国鉄職員、家族や両親との
関係などから北海道、九州を離れることのできない事情を持つ旧国鉄職員が大部分であることを知りました。
政府の約束、
労働組合による差別はしない、あるいは全員を就職あっせんし、一人も路頭に迷わせないという国会答弁を心の底から信じている方々であることを知りました。そしてまた、地方
労働委員会の命令、JRは即時復職させよという命令は法によるものである以上、必ず履行されると信じている方々であることを知りました。その上、ほとんどの皆さんが旧国鉄から表彰されるなどの優秀な
鉄道マンであり、かっ
鉄道の仕事を愛しているということも知ったわけであります。
驚いたのは、解雇された皆さんがアルバイトや出稼ぎなどをして食いつなぐとともに、お互いの収入をプールし、助け合いながら、
政府の約束を信じ続け、法の履行を確信し、JRへの復帰まで闘い抜くと頑張り抜いていることでありました。
国鉄改革後丸六年たちました。JR東
日本は株の上場を予定しています。光の部分であります。しかし、旧国鉄の累積債務については、その解消のめどが全くつかぬどころか、利息の支払いさえできず、ひたすらふえ続けることを食いとめることさえできずにいます。この点でも国鉄改革はいまだ未解決だと思います。国鉄改革のこの
二つの未解決な問題について、本日改めて取り上げさせていただきます。
しかし、他方では、幾つかの長い間の懸案であった問題の解決の道を切り開くことができました。精神薄弱者の皆さんへの運賃割引制度の実現や、駅などを新設する場合には、エスカレーターではなくエレベーターの設置をという車いすの方々などの強い要望が実りつつあります。また、JR中央線の立体化・複々線化
事業も二十五年来の念願で、スタートさせることもできました。運輸
大臣及び
運輸省鉄道局の皆さんの御
努力と御協力に心から感謝を申し上げます。
きょう改めて取り上げる
二つの未解決な問題についても、皆さんの御
努力で解決への大きな道が開けていくことを心から期待をいたしまして、質問をいたしたいと います。
まず第一に、九一年の十二月八日の運輸
委員会におきます当時の奥田運輸
大臣の御答弁があります。その御答弁は、清算
事業団の抱えている債務の軽減と
国民負担を少なくしていくことは、国鉄改革に対する
一つの使命が達成されることであるという趣旨の答弁でありまして、債務を軽減していくということが国鉄改革の仕上げにとって重要な課題であるという
認識を答弁の中でされているわけでありますが、この点は
越智運輸
大臣においても全く同様でございましょうか。