○坂井政府委員 いわゆる建設残土の処理の問題につきましては、
首都圏のみならず、全国的にかなり厳しい
状況にあるのではないかなというふうに思っております。
この件につきましては、私どもでは相当古くからといいましょうか、
昭和四十八年から、港湾法を一部改正いたしまして、港湾施設として廃棄物埋立護岸を
位置づけ、自来積極的に廃棄物あるいは建設残土の受け入れを港湾の中でやっておる次第でございます。年間に直しますと、
事業費で約三百億、大体三十港くらいのペースで全国的に事業を展開しておるわけでございます。
特に、今
首都圏という話がございましたが、五十六年には厚生省と共同いたしまして広域臨海
環境整備センター法というものをつくらせていただきまして、東京湾とか大阪湾におきます自治体の廃棄物の広域処理を行う新たな制度を
整備いたしました。
大阪湾につきましては、五十七年三月にセンターができまして、尼崎と泉大津沖の処分場で受け入れをやっておるところでございます。東京湾につきましては、ややおくれておりましてまだセンターの設立には至っておりません。私どもといたしましては、厚生省と一緒になりまして、東京湾フェニックス
計画の基本構想というものに基づきまして、東京湾を中心といたします七都県市首脳
会議、いわゆるサミットと言われておりますけれども、そこで現在検討が進められておるところでございまして、まだ完全にフェニックスをつくろうという合意がなされておりませんが、その芽が出てきつつあるのではないかなというふうに感じ取っておるところでございます。
しかし、これにばかり待っておれませんので、私どもは、特に
首都圏におきましては長々期的には湾の中で処理すること自身がいずれ不可能になるというふうな
認識をいたしておりまして、現に、現在でも東京湾の外に船で、しかも千トンとかいうかなり大型の船で建設の残土が出ていっておりますので、やはり全国的に
首都圏の建設残土を受け入れてくれる港湾の埋立地に対しましては、広域資源活用護岸というような名前で新たに
平成五
年度の予算として計上をさせていただいておるところでございまして、これによりまして、埋立用材の引き取りといいましょうか活用といいましょうか、そんなことが少しでもうまくできる、全体として
環境への影響がより
緩和できるような対応が可能になってくるのではないか。
いろいろな手だてがございますが、やはり
首都圏につきましては、基本的にはまず東京湾のフェニックス
計画を実現すること、それから長々期的には湾の外での処理というふうなことも真剣に
考える必要があるのではないかなというふうに思っている次第でございます。