○柳川
覺治君
総理御
指摘のとおり、
政治改革につきましては国の大道を誤らない一番大きなことであろうと存じます。そして、このことはまた
国会議員の我々にとりまして、与野党を通じてこの道をたずねる重大な
責任があろうと思う次第でございます。
総理の一層の御熱意を心から御期待申し上げます。
次に、不況対策でございますが、長期化している景気の低迷は
国民経済に深刻な影響を及ぼしております。
小さな例ではありますが、今我が国の工業系の専門学校が全体の五五%、そのうちコンピューター系の学校は約三千校あります。生徒数は十万人で、全生徒数約七十万人の専門学校生徒の七分の一がコンピューター系の生徒でございます。昨年三月、コンピューターソフト会社の三〇%が倒産いたしました。その結果、昨年、卒業生である五万人の学生が就職難に追い込まれるという状態が起こりました。この現象は今年にわたりましても続いております。専門学校のみならず大学、短大にも見られるわけでございまして、就職内定者は採用取り消しや別の職種への変更を余儀なくされるなど、さまざまな影響が出ているのが実態でございます。若者に夢と励みをといって教育をしてきた
成果がこういうような急激な変化ということになっておるわけでございまして、これらはささやかな一例でございますが、このような状況の中にあっても、
国民は一生懸命歯を食いしばってあすへの希望に向かって頑張っております。
振り返って過去にその例を見つけるならば、私たちは幾度となく不況を経験いたしました。
総理がさきの
所信表明で述べられましたとおり、第一次、第二次オイルショックによる景気低迷も、その都度
国民の理解を得てより強靱な経済構造の実現によってこれを乗り切ってまいりました。その背景には、
国民が苦難に耐える忍耐力と
政治への信頼、そして官民一体となった英知があったことと思うのであります。
総理が既にお話しになられました今回の経済不況はかつて経験したことのない深刻なものと言われております。ある部分では根底から経済構造そのものに深くメスを入れなければならない状況さえあります。この長い、あるいは暗いとも言えるトンネルから脱出していく、そのために最も重要なことは、
国民が抱く先行きの不安感を解消することではないでしょうか。
日本人、それは何か。常に勤勉、誠実そして感謝の心を持つ、これが
日本人と言われております。
日本人は常に自己を高め、またよりよき社会を築いていく、その
努力をする民族だと言われております。ここでしっかりした先行きの目途さえ示していただければ、
国民は、耐えるものは耐え、あすへの希望を持って
努力することと信じます。
残すところあと一月余りで新年を迎えようとしております。
国会は一日も早く
補正予算の成立を図り、
政府は大英断と果敢な実行力をもってこの不況対策を実施し、
国民が希望に満ちた新年を迎えることのできるよう一層の御
努力をお願いする次第でございます。
総理の御所見をお願いいたします。