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常松克安君
笹川政務次官、本日はまことに御苦労さまでございます。先ほどから答弁を聞いておりましたら、大臣よりむしろ明確に要点を、聞きたいところをお述べになる。いつしかまた大臣としてお会いできる日を楽しみにいたしております。
私は、本日は、洋上救急医療における
郵政省管轄のインマルサットの医療無線の無料化という問題をまず提起をいたし、御
意見、御答弁を求めます、これから問題提起いたしますが、過日、塩釜披済会病院、東京披済会病院、横浜船員
保険病院、海上保安庁羽田特殊救難隊、こういうところへの現場視察をいたしまして、その現場の声をもとにしてお尋ねをいたします。
御案内のとおり、海上におけるところの救急患者が発生いたしますと、これはもう大変なる時間との戦争が起こるわけでございます。御案内のとおり、今日まで五百名になんなんとする方が、三分の一は外国の船員の方、あるいは三分の二の方がいろいろの
漁業関係の方々、その方々が必死になって洋上における作業中に、時には刃物で足を切断し、ウインチに巻き込まれる。そういうときに大きな問題は何かと申しますと、御存じとは存じますけれ
ども、第一発見から無線で沿岸の無線局に入ります。入りますとそれが直ちにKDDに入ります。入りますとすぐさま沿岸の
全国十七ブロックにおきますところの救急病院のところへ入ります。
次官、そこで
一つの大きな問題は、後ほどまた提起いたしますが、外国の場合はこういう文面が入るんです。(資料を示す)こういう文面が昔流のツートンツートンの無線で入ってくるわけです。これを日本の病院の医師はすぐ読み返しまして、それを日本語に直訳いたします。ここがまた大変なんでございます。遠洋
漁業に出ております船は限られた医療資機材しか積んでおりませんから、陸上における病院の薬品をすぐ指示できないんです、限られた薬品でございますから。その症状を即座に判断いたしまして、そして積み込まれている薬品だけを指示して手当てを出すわけです。
そうしますと、外国船なんだからまたまた不便です。英文からこれを日本語に訳し、日本語からそれを適当なものにしてまた英文に書いて、KDDで無線局から向こうへ出す。ところがありがたいことには、ジュネーブ協定によりましてこの医療無線というのは全世界八十七カ国無料ということになっておるわけでございます。
しかし、今お示しいたしましたところで一番難渋いたしますのは、小指第二関節を切って、これをツートンツートンに変えるのに三百語の字句を並べぬと相手の医療
関係に
理解をしてもらえないわけです。三百語要るわけでございます。ところが今あるのは、ほとんどインマルサットの無線というものをきちんと積み込んで、メディアの最先端のものを積み込んで作業していらっしゃいます。そのときにファックスをもって図を書いて、そしてKDDなるインマルサットで届ければ少なくとも十分の一の時間が縮まるというわけでございます。
そこまで救助に行くのには、医療団が看護婦と一緒にヘリに乗って今行っているんです。一千マイルというものはどれだけ遠いものであるか。鹿児島港から稚内港までが一千マイルとされております。この間の洋上救急を必死になってやるわけですが、やはり第一発見の処置というものを誤りますと、もうこれは救急医療の鉄則でございます。第一発見、第一治療、こういう時間との戦争の中においては、悲しいかな海の男はどうしようもございません。理屈ではどうにでも言えますけれ
ども、その間、医師に対してわかりやすい言葉、わかりいい的確なものを述べ、そして指示を受ける、そういう作業というものが大事になってくるわけでございます。
そういう中におきまして、今その最先端にいらっしゃる大いなる声は、商うつきます。そして、そんなに数はございません。インマルサットは一分間で九百円でございます。
自動車電話は一分間で六十円でございます。確かに高こうございます。これはいたし方ございませんとしても、全世界においてツートンツートンは、せっかく医療無線は無料という日本国の姿勢あるこの今日におきまして、そんな多くの件数じゃございません。二億も三億もという、KDDで調べましたならばそういうことはございません。過日、KDDの副社長のところへ直訴に行ってまいりました。
こういうふうな考えをもとにして、本当に人命ということは、一人の命ということは、国挙げて余りに大きな問題化するのはどうかと存じますが、何しろ命は
一つでございますから、そういう方で帰っていらっしゃる五百名の方が、悲しいかなほとんど助からずしてしまっている現状でございます。
これはいろいろな問題あるんです。船員に行く、
漁船に行く場合は健康診断、健康診断の基本は二十年、三十年前の基本そのままなんです。梅毒検査と肺結核検査がベースになっているんです。ところが、今ほとんど亡くなるのは脳内疾患、心臓。全然それに
制度が合わないんです。そういうことを加味しながら、海の男は乗り越えて必死になって闘っているわけなんです。
そういうふうを方々に対するところのこういうふうな問題を、鋭意無料化という問題に取り組んでいただく一面、豊かな日本、そして豊かさというものを、現実問題として、生きるか死ぬかの戦争のときに、十分の一時間が縮まるならば非常に
皆さんが安堵できるんではなかろうか、こういう
気持ちを持って過日提起し、いろいろ汗をかいていただいているかのように聞き及んでおりますが、まず中間
報告的にどういうふうに今日その検討の内容がなっているかお知らせ願いたい、こういうふうに思います。