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吉田之久君 総理、お疲れでございます。
私に与えられた時間は五分間でございますので、まず二、三分、問題を大きく二つに分けまして御質問をいたしまして、残りの時間を総理にお答えいただければ大変ありがたいと思います。
まず、問題の
一つは、中
選挙区なのか小
選挙区なのか、そろそろ真剣にすべての
政党が考えなきゃならない時期に来ていることだけは事実でございます。日本の
政治の最高の指導者としての総理は、小
選挙区と中
選挙区、それぞれ一長一短ありますので、その辺もいろいろお考えいただいていると思います。
先ほど来のお話のとおり、小
選挙区にすれば
政党同士のバッティングは確かになくなります。しかし、定員一名をめぐって極めて限定された局地的な戦いになりますので、党派は違っても血みどろの戦いが展開されることになると思うんです。したがって、一名区、小
選挙区の場合には、かつて日本の
政治もそうでありましたようにもう源平の争いになっていく。明治の初め政友会と民
政党が激しく戦ったことを聞かされておりますけれ
ども、そういう決定的な戦いに転化していくおそれがあるのではないか。
いま
一つは、そこで当選しようとした場合に、あるいは当選を持続しようとした場合に、極めて地域的な、ローカルな問題に限定していかないと、一切の関心をそこに向けていかないと生き残れないのではないか。いわば市町代表みたいな代議士ばっかりが出てきたらどうなるかという点が心配でございます。確かにローカルな問題も極めて重要でありますが、しかし本当に外交、防衛あるいはPKOの問題、エネルギーの問題、地球環境の問題、そういう問題を論ずる
政治家が減っては、これも大変だと思うわけでございます。
だから、小
選挙区を導入した場合には、そういうローカルな地域の代表と同時に、広く天下国家を考える別な代表とが要るのではないだろうかというふうな気がするわけなんでございます。あるいは外国の例を見ても、下院は主として地域代表が競い合う、しかし上院の方は広く国家あるいは世界のことを考える。そういう任務の分担が行われないと、非常に将来の日本の
政治がゆがんではしまわないだろうかという問題を私も考えておりまして、その辺総理はどうお考えなのか、これが質問の第一点でございます。
それから二番目に、中
選挙区であろうが小
選挙区であろうが
政治に金がかかることは、もう今お互いに嫌というほど
反省しているところでございます。しかし、まあこの国は世界でも最も多く
選挙の
規制の
法律をつくっている国だと、先ほど自民党の
提案者側の御
説明もありましたが、しかし、だれも本気でそれを守ろうとしていなければ、それはルールがあってなきがごとしでありまして、一年前から準備しようが三年前から準備しようが別に
罰則はありませんし、
ポスターを何ぼ張ったって無効にもなりませんし、やればやるほど有効でございますから、そうするとそれは全部金がかかるわけでございます。どんな金でも
政治のためならば正義の金なんだと、そう思い直してみんな頑張っていると思うのでございます。したがって、そんな私財を蓄えるような
政治家はもとより一人もいないと思うんですが、しかし、だんだん多々ますます弁ず、その中で異様な集め方をする、それはもはや
国民からはとても正視できない状態で
政治不信が起こっていく、これが一番問題だと思います。
だから私は、いろんな
選挙法の
改正、
政治資金規正法の
改正も必要でありますが、最後に、やりたくはありませんけれ
ども、目に余る
選挙違反、あるいは余りにもルールなきむちゃくちゃな
政治資金の集め方、それが明らかになった者は、半永久的に
公民権は剥奪すると、そういうやっぱり厳しいとどめを刺す以外にないのではないかと思うわけでございますが、御回答をいただきたいと思います。