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堂本暁子君 それでは質問させていただきます。
今、この上の階での商工
委員会の
環境と厚生の連合審査で
バーゼル条約に関連した国内法の審査をして、大急ぎでおりてきたところでございます。今度は
条約の方のことでまたいろいろ確かめさせていただきたいと思います。
お手元に「台湾に輸出された有価商品の不法
処理現場」という写真をお配りしてございますけれ
ども、これは高雄市の
廃棄物輸入管理地というところです。
上の写真は、有価物として台湾の方からすれば輸入された例えば
日本の自動販売機、電子レンジ、テレビなど、もう
日本商品の山、山、山でございます。これはこの上の写真だけで
一つの業者だそうです。こういった業者が大体百五十社ぐらいある。ということはどれほど多くのごみがアジア、特に台湾に輸出されているかということを知ったわけですが、アメリカとそれから
日本がここには輸出しているということです。確かに金属をとるのですけれ
ども、回収率はわずか一%、残り九九%は下に
ごらんになりますように不法に
処理されて、そのまま有害な
廃棄物が野積みされている残骸がたくさんあります。今のところ三十万トンという大変な量です。
二枚目は、これは
相手の輸入台帳です。そこにローマ字で名古屋とか神戸、横浜、それから大阪といったようなどこの港から出荷したかということが書いてあります。
ごみの山の中へ行きますと、
ごらんのようにさまざまな
日本のメーカーの名前、クーラー、パソコン、冷蔵庫、ステレオといった
日本商品が所狭しと実は置いてございます。
四枚目になりますが、これは不法に燃やされている不法焼却の現場ですけれ
ども、ダイオキシンが発生して、近くの小学校の子
どもたちは通学するにもマスクをつけ、それから教室でも本当に大気の汚染の中で授業を受けるという状況にございます。そして、川や海では魚が浮いている。こういう状況は、言ってみれば水質がどれだけ汚染されているかということをこの魚の絵から
ごらんいただくことができると思います。
こういった状況、台湾なのですけれ
ども、台湾は余りにごみの公害が大きくて、もう来年の一月から輸入を禁止するそうです。そこで気になりますのは、業者が今度は
日本からの
廃棄物をマレーシアですとかフィリピンですとかタイですとかベトナムですとか、そういった国に
工場を建ててまたやるということを発言しているということなのです。
大臣にこれを
ごらんいただいて、予算
委員会の場でも
宮澤総理と、
日本がもし
環境の分野で
世界のイニシアチブをとるのならばという
お話をいたしましたし、恐らく
日本外交の柱の
一つは
環境だと思うのですけれ
ども、そういった中で、今度はごみ公害の輸出という形で
日本がアジアの中で問題になっては大変なことだと思います。そのためにこそ
バーゼル条約を批准し、そして新法をつくるのだと思いますけれ
ども。
最初に確認させていただきたいことは、例えばここも相当管理地区の外にまでゴミがはみ出しているのですね。もう大変不法に燃焼させている。これから新法が施行され
条約が批准されたら、こういうことはなくなるかもしれません。しかし、その輸出業者とか発生者を捜すことは大変に難しい。そういたしますと、この
バーゼル条約では最終的には国がそれを引き取る、逆輸入するというようなことになっております。そういったところまで今後
日本はやっていかなければいけないと思うのです。
まず
大臣に、近いところでいいますとやはりアジアの国々、
韓国とかシンガポールとかというところですけれ
ども、そういったところにゴミ輸出をしない、そういう外交の基本姿勢をぜひ伺いたい。御決意のほどを伺いたい。
それから万一こういったことになった場合、今後は国としてどこまで責任を持つのか、そのこともあわせて伺いたいと思います。