○関
委員 私は、今日、あかつき丸が懸命にプルトニウムの輸送に携わっていることを思いながら、我が
日本が何のためにこのプルトニウムを使わねばならないのだろうか、つくづくこの問題についての我が国の取り扱い、我が国の
方針、以前と変わりのないことを実は残念に思うわけであります。
と申しますのは、この年の六月二十九日であります。
フランスの首相が、これまで、それこそ花形であると言われた、燃料として燃やした以上の燃料が生まれる、そういう高速増殖炉のスーパーフェニックス、このスーパーフェニックスは百二十四万キロワットの電気をつくるという世界にない最大の、
フランスの誇っておる実証炉であります。我が国は今「もんじゅ」をせいぜい二十八万キロワットやろうということで努力しておるのですが、この秋の臨界の予定が来春に延びた、さらに来春の予定が来秋に延びた。このことの原因はどこにあるのだろうかということについても後で
お答えをいただきたいと思うのですが、とにかく
フランスがなぜ高速増殖炉の道を挫折しなきゃならなかったのか、このことであります。
随分金をかけました。随分年数もかけました。このスーパーフェニックスが誕生して五年間、五年間の間に動いた日数というのはわずかに五カ月であります。六十カ月のうち五カ月より動いておらない。さらに、とまってしまってからこの二年間、また動きは全然できない。
フランスでは二年間の間に運転再開しないというとやり直し。そうするとやり直しであります。やり直しをしても、またできるというならば別であります。まさに
フランスは高速増殖炉から退却した、こう言ってもいいと思うのであります。
そういう
意味において、私はことしの二月にプルトニウムの社会をつくることはどんなものかということを取り上げて、いろいろと申し上げましたし、しかしながら、今の
政府の考え方は、予定どおり進むばかりだというのがさきの
総理の私に対する
答弁でございました。何でも予定どおりすればいいというものではない。事態が変わったら変わったなりに即応するものがなきゃならないと思うのです。
そういう
意味において、私は、ことしの六月の二十九日における
フランスの首相の決定というものは、大きな変化をもたらしたものだ。いつまでも我が国もプルトニウムで、この計画によりますというと、二〇三〇年ですよね、もう四十年後です。そのときに使うんだというものについて、望みを持っておるんでしょうけれ
ども、ここから退却していいんじゃないだろうか。
そうして、それよりは、とにかく太陽電池を使う道を選んだらいいじゃないか。太陽電池は今から二十年前までは一ワットのコストが三万円もしました。それが二十年たった今日、一ワットのコストがどのくらいかというと、七百円まで下がったのですよ、七百円。あと十年たったら恐らく百円台にいくでありましょう。またそうさせなければならない。それは、今そこに座っている通産大臣としての最後のお務めになるんじゃないだろうか、こう思いますので、
お答えの中にはひとつそのことも含んでやっていただければと、こう思うのであります。
何としても私は、我が国のエネルギー政策、このエネルギー政策のあるべき道というものは、誤った道をやめること、そうして正しい道に入ること。誤った道というのは、プルトニウムヘの道であります。正しい道というのは、今輝いている太陽の光を利用する道であります。
〔
委員長退席、町村
委員長代理着席〕
太陽の光がP半導体とN半導体の接全部分に当たりますというと、電気が湯水のようにわいてくるのですよ、皆さん。こんなありがたい発明をしたのは
日本人です。特に三洋の桑野さんの働きというものはすばらしいものがあります。科学技術庁の
長官賞もいただいているでしょう。
日本の太陽電池が世界にそれぞれ売られているじゃありませんか。おくれている国々はこれを享受して喜んでいるでしょう。私は、原子力発電所を売るよりは太陽電池を売って、おくれている国に貢献することである。また、我が国がCO2を排除するためにおいても、あるいはNOxを排除するためにも、太陽光発電、太陽電池、これを徹底して大量生産に道を開いてやることです。
ことしの予算、三分の二の補助をすると言って八億四千万を組んだけれ
ども、何です、この金。来年はどのくらいになるのか、まだわからぬけれ
ども、これだって大幅に広げて、とにかく家庭にまで及ぶようにしたらいかがです。三分の二の助成制度というものを広げることです。せめてこの年に一千億ぐらい、来年度において予算を盛ったらいかがです。何兆円
減税とか何兆円
対策というのもあるけれ
ども、私は、この太陽光発電の方向に、太陽電池の方向に一兆円計画を立てて進むということがどんなに大事なことかな、こう思っているのです。
そういう
意味において、とにかく今プルトニウムの輸送の問題で各国は大変な懸念です。外務大臣だってこんなことになるとは思っていなかったでありましょう。我が国を取り巻くところの諸外国、特に太平洋に浮かぶ島々の国々、これらの方々は先般
日本に来て何と言ったか。小さな島に住んでいるけれ
ども大きな海は汚さないでください、この言葉は本当に頭に入りました。
日本がこれらの国々にそういう太陽電池でも送ってあげて光を与えることがいいことじゃないでしょうか。プルトニウムを持ってきて、そうしてできもしないエネルギー生産への道に入るなんということはよした方がいいと思うのです。
この間、我が党の水田君の質問に、とにかく科技
庁長官答えておりました。やめたんじゃない。この認識はまた直してもらわなければならない。やめたのです。やめたのですよ。いずれ再開するかもしれぬ。再開じゃないのです。もし今度やるとすれば出直しなんですからね。再開というものじゃないのです。ですから、スーパーフェニックスを断念した、どんなに苦しんで断念したかということも、またあの報告を見ればわかります。安全報告書を恐らくよく読んだと思うのです。
それらに照らし合わせまして、
日本のエネルギーの道というものは私はやはりここで変えていかなければならない。これまでの既成計画に基づいてここに執着して動きのとれないままにいくのか、今私が申し上げた正しい方向へ突き進んでいくのか。サンシャイン計画にしてもNEDOの計画においても立派に取り組んでいるじゃないか。あるいはまた、太陽光発電所が実験として成功して、西条の知見もあるじゃありませんか、この間行ってみましたけれ
ども。あるけれ
ども何らこれが活用されていないじゃありませんか。せっかく千キロワットも生産するのに成功していながら、ただ保管しているということでしょう。何のためにこういう実験をし、何のために成功して、そして使わないままにしておるのですか。
そういう
意味において、各国に不安を与えないためにも、特に核武装を
日本がするのではないかという懸念を払拭するためにも、こういうものは入れませんよ、また、つくりませんよ、こういう方向での道を私はここでつくり上げるようにしからどうだろうか。それがためには、
宮澤総理に、前のときには、プログラムどおりに進むんだ、こうおっしゃったけれ
ども、そうでなくて、やはわこれは少しは考えなければならぬかな、少しけじゃない、おれの最後の仕事に、じゃ、これに向かおうかな、このくらいのことで私は取り組んでしかるべきじゃないか、こう思います。
そういう
意味において、
総理、それから外務大臣、通産大臣、科技
庁長官、それぞれから
お答えをいただければと思います。