○中野
委員 人の心の中をのぞくことはできませんけれども、しかし、こうしてこの重要な四人の人がこれだけの長時間をかけて、しかも忙しい時間を差し繰って
会議を持たれている。そのときに
渡邉氏が
田中邸へ行かれてはいかがですかとお勧めになり、また、その
関係の中で
長谷川信氏から
連絡がある。これは当然
条件と
考えざるを得ません。そして、それに基づいて六日の朝に行かれた、こう思うわけでありまして、これはすなわち
自民党との
関係、それに基づいて、その対策として
田中邸を訪問することになるということは、心の葛藤がおありになったという今のお答えですが、であれば、
意識は当然しておられたことになります。ただ、そのことを
自分の気持ちの中で
自民党対策ではないよと言い聞かせながらいらっしゃったのかもしれませんが、少なくとも自覚は持っておられたということはこれで明らかだと思うのであります。
そこで、私は時間がありませんから申し上げたいと思いますが、その後、今回の事件というのは、例えば
竹下さんのお
名前が出てくるそういう事件、例えばイトマン事件、これは近畿放送の役員を娘婿さんでいらっしゃる内藤さんがやっておられたことも含めて、あります。それから平和相互銀行の問題、そして今回の東京
佐川の問題、債務保証、再建の相談、すべてここで話が出てくるのは、
竹下さん、住友銀行、
右翼・
暴力団と、三題ばなしてはありませんが、この三つがセットで必ず出てくるということが一つあります。私は、随分
竹下さん今日まで御無理をなさって
政治の世界を歩んでこられた。その結果、気配りの
竹下、言語明瞭、
意味不明瞭とか、辛抱などという
言葉
が出てきたのではないかという気がするわけであります。
そういう中で随分と多くの悲劇が生まれたと思っております。今回も、青木伊平氏の自殺がありました。また、最近では地元の金庫番とも周囲では言われます桑原安俊元秘書のこれまた自殺がございました。
関係者の
自民党稲本
総裁、稲川会
石井会長等は病死をされておりますが、そのことによってまた今回のこの事件の真相解明にかなり邪魔になっているわけでありますが、結局、いろいろな
竹下さんを取り巻く中に悲劇が生まれる、また疑惑が常につきまとうということに、私は、
竹下さん御
本人の
政治的な体質の問題がやはり基本的にあると言わざるを得ないのではないか、こう思うのであります。
そういう
意味で、今回は言うならば
総裁にあなたをするために
渡邉氏が
石井氏に依頼し、
石井氏が三神氏に依頼し、三神氏が
自民党に依頼をする。その中で言うならば
右翼、やくざの世界でいう借りができた。借りができたからこそ
渡邉氏は債務保証を、膨大な金までも
石井氏に工面をせざるを得なかった。そして、その金が結局地上げとかそして仕手戦、株の投機に手をかした、
日本の経済を混乱させる一翼を担ったという構図になるのではないのか。そして、その東京
佐川の債務保証、膨大に膨れ上がったことによっての再建策をまた協議に応じざるを得なくなったという貸し借りのつながりが出てきた、こういう構図。これはもう既に現在行われている裁判等でも明らかにされているわけであります、最終的な判決はまだでありますが。
そういうことを
考えますときに、私は、
金丸氏の辞職、そして経世会
竹下派の分裂的状況、青木秘書が亡くなられたこと、また
石井氏は亡くなり
渡邉氏は拘置所にいるということ等を
考え合わせますときに、私は
竹下さんの
政治的社会的責任というのは極めて重いと言わざるを得ないわけであります。そういう
意味では、現在の国民の声でもありますけれども、ここで、私は、歴史的
政治的使命というものを
竹下さんはむしろここでみずからお閉じになるというのが最後のお仕事なのではないか、こういう気が強くするわけでありますが、いかがでしょうか。