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米沢委員 余りくどくは申しませんが、安部さんの話によると、
金丸氏の事情聴取に協力してもらいたいと地検から依頼があったけれ
ども、おれがもらったと認める
金丸氏だけを捜査してそれ以外には捜査をやっていない、公平でない、公正でない、公平であれば事情聴取に協力したいと検察の方には申し上げたと言われている。しかし、十日ぐらいして一挙にすべて結論が出た。一挙に落着しておることから見ましても、あなたの
答弁にはかなり曲がったところがある。
また、今度の事件もかなり
永田町との関係が云々されました。それで、彼が最後に言っておりますのは、
私が今回の事件の渦中の当事者の一人として言えるのは、わずか一カ月の間のことですが、その間痛感したのは、今回ほど不透明な事件はなかったということです。
特に検察側の対応の不透明さです。検察庁は、竹下派サイドとの腹の探り合いばかりに日時を費やしていたことが目立ちました。
地道な捜査が蔑ろにされ、水面下でゴチャゴチャするばかりだったのが目につきました。いわば特捜部の地道な“地上戦”よりも、検察と派閥幹部との空中戦ばかりが重要視され、右往左往していたのです。
私自身も、その暗闘の渦中に放りこまれ、多くの意味でまったく後味の悪さだけが残る事件でした。
そして、
金丸氏以外の疑惑の人々はその疑惑が本当なのか、本当でなかったのかを調べられることもなく、闇に消えてゆく結果は誠に残念だと思います。
と述べられております。
この真偽についてもう御
質問しようとは思いません。結果として果たして公正で十分な捜査が行われたのか、政界からの圧力や取引はなかったのか、それが捜査方針をゆがめたことはなかったのか、私はまだ大きなる疑問を持ってこの際
質問を閉じたいと思います。
さて次は、時間もありませんので、景気と減税の問題について伺ってみたいと思います。
昨年来の政府の甘い景況感と、後手後手に回った景気対策が原因いたしまして、我が国は目下深刻な不況に直面いたしております。暗い不況のトンネルからいまだ抜け切っていないという現状であります。三月に少々金利の引き下げや公共
事業の前倒し等が行われました。八月末に十兆七千億に及ぶ総合経済対策が打ち出されたにもかかわらず、一向に景気回復の兆しが見えてこないのは一体どういうことなのか。ここに来て企業の業況
判断が急速に悪化している直接的な要因は、在庫
調整の予想外のおくれとこれに伴う業績悪化でありましょうが、この在庫
調整が予想外に難航している最大の要因は、特に今年度に入ってからの個人消費の落ち込みではないかと思われます。
百貨店の売り上げしかり、スーパーを含む小売業の売上高しかり、家計調査も三月以降不振が続き、乗用車も家電の売り上げも不振、このごろは外食産業や海外旅行やサービス消費も低下傾向など、消費の指標はすべてマイナスの方向に向かっているわけでありまして、個人消費関連業界は塗炭の苦しみにあえいでおられるのが偽りない事実でございます。いわば消費の景気下支えの対策はもう全くなくなっていると言っても過言ではありません。これからまた所定外労働時間が減少する、残業手当が減少する、冬のボーナスも大変だ、賃金の賃上げの方も大変厳しい環境になるだろう、そして雇用
調整も始まっている、そういう
状況の中で勤労者の消費性向が上がるはずはない。個人消費は来年夏までもう一段冷え込む懸念があると言う人もいる。
政府は公共投資等によって今後一年間で実質一・四%程度のGNPを押し上げる効果があるとおっしゃっておりますが、大体GNPの六割ぐらいを占める個人消費がこれほどまでに不振をきわめて、これが民間設備投資の不振とともに景気の足を引っ張った場合、一体政府目標の三・五%なんというのは達成できるのか、来年の経済指標は一体どうなっていくのだということを
考えますと、単に公共
事業だけに依存することではなくて、総合的とおっしゃるならば、所得税減税等も含めて、まさに総合的な対策を打ってもらうのが政府の私は
責任だと思うのでございます。
公共
事業をやってもらうことは結構でございますが、関連業界には直接効果が及ぶでありましょう、しかし、現在最も需要不振が深刻な個人消費に直結した産業に実際乗数効果としてその影響が及んでいくのは早くても来年の夏以降だろう、こう言われる。一体その間どうするんだ。北海道や東北は公共
事業はもう冬になったらできません。彼らの
地域の景気対策は一体何でなされていくのか。
私は、北海道から沖縄まで即効性があり、津々浦々に恩恵が出てくるであろう所得税減税を実施することこそ総合経済対策と言われるゆえんの政策だろうと思うのです。大体、総合経済対策だと言いながら公共
事業は八割でしょう。大体、景気をよくするためには公共
事業等で需要をつくるとか、民間設備投資を刺激するとか、六割に及ぶ個人消費を刺激するとか、大体三つの柱がバランスとれて初めて総合経済対策と言えるのではないでしょうか。いかに公共
事業が建設国債で裏づけできるからといって、じゃんじゃん公共
事業だけをやって、それがいわゆる総合経済対策だと言われても、我々はわからぬ。もっと総合的に物は
考えてもらいたい。
その上、いわゆる税制の問題は、サラリーマンにかなり重税感が強くなってきておる。大体ことしは、連合の調査によると、ことしの賃上げは四・九二%だったというのですが、しかしながら所得税が上がり、社会保険料が上がり、実質可処分所得はわずか二・二%にすぎない。六割はみんな大蔵省か厚生省に持っていかれておる。このように実質可処分所得が全然伸びないところに消費が伸びるわけはない。私は再度、いろいろと
質問の中にはノーという答えが濃厚でありますが、もう一回、総合経済対策と言われるならば、いわゆる所得税減税、地方税減税を断行してもらいたい、強く要望したいと思います。
答弁を願います。
総理大臣。