○大内啓伍君 私は、民社党を代表して、当面の
国民の最大関心事である
佐川問題と今後の
政治改革並びに内政の最重要課題である
景気対策に絞って
質問いたします。
その前に、新たな
事態として、昨日明らかになった米大統領
選挙の結果について一言お尋ねいたします。
これまでの共和党
政権以上に厳しい対日
姿勢を示してきた今回の
民主党クリントン氏の誕生は、今後の日米
関係並びに米中
関係に何らかの変化をもたらすことが予想されます。現に、クリントン氏は、私は多くの外交問題でブッシュ氏に反対すると言明し、なかんずく、対日、対中
政策の転換並びに国際
経済政策の全国的見直しを提唱しております。特に、今後の対日
政策として、スーパー三〇一条の復活、お米の自由化等、国内優先の厳しいアプローチが予想されますが、
宮澤総理はどのような見通しと
基本姿勢に立って新たな日米
関係を構築されるおつもりなのか、また、
日本にも重大な
影響のある米中
関係の見通しをも含めて、
宮澤総理の
見解をまず冒頭にお尋ねいたします。
そこで、本論に立ち返り、まず
佐川問題について
伺います。
金丸事件に対して示された
国民の
政治不信は、今や大きな
怒りに発展しております。今
国会に課せられた最大の使命は、この
佐川問題について明確なけじめをつけることにあります。それは、
事件の全容を
国民の前に明らかにし、
政治責任に決着をつけることであります。
国民の
怒りがなぜ爆発したか、その理由は二つあります。
第一は、五億円のやみ献金を受け取った
金丸氏が、
一般国民には絶対に許されない検察当局からの出頭要求を拒否し、検察との取引によって上申書の提出、略式起訴、二十万円の罰金で事を済ませ、あまつさえ違法に授受した五億円の没収も行われないという、法のもとの平等を踏みにじったことであります。(
拍手)
第二は、一国の
総理・
総裁選びに事もあろうに
暴力団の手をかりたことであります。
日本の議院
内閣制の歴史の中で、このような
不祥事は例を見ません。したがって、
金丸氏が
議員辞職に追い込まれたことは、けだし当然でありました。
問題は、
総理の
政治責任であります。
総理は、
金丸氏の引責
辞職によって
責任問題はすべて解決したとお
考えでしょうか。昨年十一月、
宮澤政権がこの
金丸氏を
中心とする
竹下派に支えられて成立したことは、
国民のひとしく知るところであります。こんな重大な
事件をみずからの党の中から発生させ、
国民の
怒りが爆発しているさなかに、あなたがまずとった行動は、
金丸副
総裁の辞任の慰留でした。さらに、あなたの口から発せられた言葉は、いわく、まことに残念です。厳粛に受けとめていますと、自分の生みの親である派閥への気兼ねの
発言に終始し、
政治の最高
責任者として、不正があればこれを断固として正す
姿勢を欠き、すべてを党任せ、派閥任せで、血の通った生きた言葉は
国民に何一つ伝わってきませんでした。
アメリカのワシントン・ポストさえもが、
国民の
怒りのさなかに
佐川スキャンダルについて何
も語らなかった人物がいる、それは
宮澤首相だと書いたことを御承知でしょうか。
本来、この種の重大
事件を内から発生させた場合には
内閣総
辞職に値するものと思われますが、あなたはこの
責任を具体的にどうおとりになるのか、まず明らかにされたい。(
拍手)
金丸氏の
議員辞職は
実現したものの、
事件の真相はますます深いやみの中にあります。真相究明はまさにこれからであり、
宮澤総理はその先頭に立つ
責任があります。しかし、あなたの優柔不断の
姿勢と
自民党の抵抗によって、
証人喚問の
実現を初め、
真相解明について
国会がその
責任をもし果たせないとするならば、
日本の民主
政治は重大な
危機に立つことになりましょう。我々は今こそ孫文の「依民意建国、逆民意亡国」(民意によって国を建て、民意に逆ろうて国を滅ぼす)という民主
政治の原点を想起すべきであります。(
拍手)
この
国会の論議を通じて最低限明らかにされなければならないのは、次の諸点であります。
その第一は、五億円の性格であります。それが
金丸氏個人の所得ならば、所得税を三億四千二百万円払うことになります。脱税なら四億七千八百万円の追徴となり、二十万円の罰金では到底済みません。
ロッキード事件のときには、五億円を受け取った田中元
首相に対し、約三億九千万円が追徴
課税されております。
第二に、五億円が
政治献金であるというのであれば、その使途を明確にする
責任があります。その資金は六十数人の
自民党議員に配付したと言われますが、だれにいっ、幾ら渡されたのか、それによっては、
金丸氏と同様、
政治資金規正法違反の
可能性を持つからであります。
昨日、
総理はこの点について、告発があったので目下検察当局が捜査中であるとかわされましたが、
金丸氏の違法な五億円の行方を明確にすることは
真相解明の第一歩であり、一定の段階でその氏名と内容を
国会に報告するよう求めます。(
拍手)
第三に、いわゆる皇民党
事件の真相についてであります。
この点について、本日、新たに重大な事実
関係が明らかになりました。すなわち、大島皇民党
総裁の検察官への供述で、皇民党
対策のために
金丸氏だけではなく多数の
自民党首脳や幹部が参画した事実が明らかになったことであります。そこには、
金丸前副
総裁の
代理人が三十億円、
森喜朗政調
会長本人が二十億円の提供を申し出たと述べられており、もしそれが事実とすれば、全く唖然とせざるを得ないゆゆしき
事態と言わなければなりません。その他にも多数の
自民党幹部が動いた事実が明らかにされており、まさに
自民党総ぐるみの対応と言わなければなりません。もしこれが事実とすれば、
宮澤総理の
責任は極めて重大であります。
総理、はその事実
関係を早急に調査し、速やかにその全容を
国会に報告するとともに、
金丸、
竹下両氏はもとよりのこと、
関係者全員の
証人喚問を
実現させる立場をとることが
自民党の最高
責任者としての
責任を果たす道だと思いますが、
総理の明確な答弁を求めます。(
拍手)
同時に、我々が看過できない問題は、今回の
事件処理に対する検察当局の
姿勢であります。
金丸氏に対し、事情聴取をせず上申書による略式起訴で問題を処理したことは極めて重大であります。このことは、検察官が格別の理由なしに尋問しないのは重大な任務違反であると
指摘した札幌高検検事長の投稿にも示されたように、内からも厳しい
批判が起こっております。今回の
金丸氏に対してとられた
措置は、明らかに
一般国民には到底認められないことであり、まさに法のもとの平等を踏みにじるものであります。
今回の
金丸事件の処理が
国民に対し検察不信の
認識を与えたことは、法治国家の根幹を揺るがすものであり、法務大臣並びに
総理大臣の
責任はまことに重大であります。法務大臣は昨日の答弁で、検察当局の処理は適切だったと強弁されましたが、しからば、
一般庶民にも今度の
金丸氏と同様の出頭拒否や上申書による処理を認めるのか、でなければ
国民はこの答弁を到底納得しないでありましょう。改めて
総理の明確な答弁を求めます。
このこととあわせて、上申書での決着に当たっては、検察当局と小沢一郎氏との間に
政治的取引があったと伝えられるが、裁判で堂々と争うことなくこのような決着を見た事実経過を明らかにされるよう要求いたします。
問題の根本は、こうした
金権腐敗政治をどう根絶するかであります。こんなことを繰り返していれば、
国民は議会
政治を見捨てることになりかねません。現に、さきの参議院
選挙では投票率五〇%で、
国民の半分が棄権しているのであります。
私は、こうした
事件をなくするためには、三つの
改革が必要だと
考えます。すなわち、
政治制度
改革、政界
改革、そして官僚
政治の打破がそれであります。
第一の
政治制度
改革については、まず真っ先に思い切った
政治資金規正法の
改革が断行されなければなりません。具体的には、違法な寄附金の没収はもとより、それに加えて、第一に、違反者は五年間の立候補を禁止すること、第二に、秘書などが違反しても
政治家本人の
責任となるよう連座制を導入すること、第三こ、
政治家の資金については一団体に制限し、
政治資金の流れを透明化すること、第四に、個人からの
政治献金については、所得税、住民税の
税額控除制度を導入すること、この四点を
実現しなければならないと
考えるが、
総理の明確な答弁を求めます。(
拍手)
この制度
改革について、
政府・
与党の中には、小
選挙区制を導入すればすべてがよくなるという議論がありますが、これは事実に反する詭弁と言わなければなりません。
日本においてこれまで六回小
選挙区制が
実施されましたが、その結果、小
選挙区制には重大な
欠陥があるというので今日の中
選挙区制となったのであります。
昭和二十二年、中
選挙区制導入のとき、
政府・
与党はその提案理由説明で、小
選挙区制の
欠陥を列挙し、
選挙区域が狭小で、
地方的人物のみ多く選出され、大人物が当選困難になる、また、
選挙抗争が激烈になり、情実と投票買収が横行したと述べています。
自民党はこの苦い経験を故意に忘れたのでありましょうか。今の
政治構造のもとで、いかなる形であれ小
選挙区制を導入すれば、それは
自民党の一党支配、今日の腐敗
政治の固定化になることは、各種の
世論調査やシミュレーションが示すところであります。(
拍手)
英国でも小
選挙区制で腐敗がなくなったのではなく、
政治腐敗防止法ができて腐敗がなくなった
のであります。隣の韓国でも前々回の総
選挙から小
選挙区制が導入されましたが、買収、供応などの
政治腐敗はむしろエスカレートしているというのが偽らざる現実であります。
総理は、こうした
欠陥が立証済みの小
選挙区制にあくまで固執するのか、それとも現行中
選挙区制の
改革を含め、幅広く検討しようとするのか、
総理の
見解を明らかにされたい。(
拍手)
第二は、政界の
改革であります。
坂田道太元衆議院
議長は、昨今、
自民党の
現状を慨嘆し、今日の
自民党は、まさに派閥あって党なく、党あって国家なき姿であると述べています。公の存在でないはずの派閥が
日本の
政治を聖断し、その大派閥の数の力がキングメーカーとして
総理の生殺与奪の権を握る、そこにこそ不明朗な権力の二重構造と、今回の五億円のような派閥の不透明な資金の流れや腐敗などの根源があると言わざるを得ません。
自民党はリクルート
事件の反省から、
平成元年五月に
政治改革大綱を決定し、その中で「派閥の弊害除去と解消への決意」を党
改革の第一に掲げ、これを
国民に公約したはずであります。ところが、派閥解消の第一歩と位置づけた党の主要役員などの派閥からの離脱は、
総理、あなたの
内閣の手によって初めて破られました。最近の派閥騒動に際しては、あなたの
内閣の主要な現職
閣僚たちが連日公然と派閥活動に血道を上げ、しかも何らの処分も行われない。これこそ
宮澤総理自身の
国民に対する明らかな公約違反であり、
国民に対する事切りではありませんか。
総理、あなたがもし
政治改革を口にされるから、まず隗より始めよで、今や諸悪の根源となっている派閥
政治を打破するために、みずからの派閥を含めすべての派閥を解消し、公明正大な
政治を行うと断言すべきときではありませんか。
昭和三十二年、岸
総理は、「派閥解消は天の声」と言ってその解消を提唱されましたが、
総理にその決意があるのか、それとも、これまでどおり派閥の上に乗って、権力の二重構造と腐敗を温存する
政治を続けるのか、明確な答弁を求めます。
今こそ派閥
政治にピリオドを打つ好機であり、この機会に、
政策を
中心に新たな政界
改革、政界再編を
与野党を通じて行わなければ、
国民の
政治不信を解消することはできません。その意味で、我々も、大義のためには身を捨てて政界
改革に取り組む決意があることを表明するものであります。
第三の
改革は、官僚
政治の打破であります。
今日までの
政治腐敗事件を顧みるとき、すべてと言っていいほど許認可行政と絡んでおります。最近では、運輸省の大型航空機の機種選定に絡む
ロッキード事件、労働省や文部省の就職情報誌の規制等に絡むリクルート
事件、そして運輸省の運送行政をめぐる今回の
佐川事件であります。各省庁は膨大な許認可権を持ち、業者はその規制の網をくぐり抜けるために
政治家や役人を利用する、そこに金権と腐敗が生まれる温床があります。
昭和六十年当時一万五十四件であった許認可数は、
平成三年度末には一万七百十七件と、実に七百件近くもふえております。
総理、あなたの先輩である鈴木元
総理は、行革に
政治生命をかけられました。先輩の意思を引き継ぎ、勇気を持って新たな行政
改革の実行を決意し、抜本的な規制緩和と官僚
政治の打破を断行すべきであると思いますが、
総理の決意を
伺います。(
拍手)
次に、
景気対策についてお尋ねいたします。
私は、今日の深刻な
不況は、
政府及び
金融当局の重大な失政によって引き起こされた、
宮澤総理及び三重野日銀
総裁によるMM
不況と断ぜざるを得ません。
その理由の第一は、
宮澤内閣の
経済見通しの誤りであります。
景気は既に昨年一−三月をピークとして下降局面に入っていたにもかかわらず、
政府は一貫して
経済の
拡大基調を強弁し続けました。昨年四月には、機械受注、住宅着工戸数、家計
消費支出ともに前年比マイナスを記録する段階においてもその
姿勢を改めることなく、ようやくことし二月の月例
経済報告で初めて
景気後退を認めたのであります。
その第二は、その結果、
宮澤内閣の
景気対策は常に後手後手に回り、
景気の悪化を放置するところとなりました。ことし三月三十一日に決定した緊急
経済対策は、
公共投資の前倒しを
中心とした、
財政出動もない、一時しのぎの
対策にとどまったのがそれであります。
さらに、日銀は金利
政策のタイミングを逸し、昨年七月からことしの七月まで五回にわたってだらだらと公定歩合を
引き下げ、特に昨年十一月の公定歩合
引き下げは完全に時期を失し、その不適当な
引き下げ幅とともに、
政策的効果を全く発揮することはできませんでした。
この深刻な
不況は特に中小
企業を直撃し、業績低下の中で借入金の返済が重くのしかかり、その経営は極度に悪化しております。また、担保価値の下落で、
金融機関の融資はストップ状態にあります。今日、明日の運転資金の確保にさえ困っているのが
現状であり、貸付枠がふやされても、六百万円で頭打ちの無担保の貸付制度がそのままでは、
事態を救済することは到底困難であり、その
抜本的改革が切に求められております。さらに、
不況の波は雇用面にも及び、一家の働き手である中堅サラリーマンが自宅待機など、雇用調整の標的になるという深刻な
事態を招いております。まさに今日の深刻な
不況の
責任は、
宮澤総理、あなた
自身にあることを厳粛に
認識すべきであります。(
拍手)
我が党は、昨年以来、折に触れて
政府に
警告を発し、ことしの六月には所得減税等を柱とする
景気対策を提言し、
政府に
臨時国会の早期開会を求め、その
実現を強く求めたのであります。しかるに、
政府が
総合経済対策を決定したのは、やっと八月二十八日になってからでありました。しかも、
景気対策のための
臨時国会の開催も、
佐川急便
事件の
影響を見きわめる配慮から大幅におくらされました。
国民の生活を守ることより党利党略を優先させた
政府・
自民党の
責任は、まことに重大であります。
以上の私の
指摘に対する
総理の所見を求めます。(
拍手)
政府は、遅まきながら総額十兆七千億円に及ぶ
総合経済対策を決定いたしましたが、そこには幾つかの容認できない問題があります。
第一は、所得減税が盛り込まれていないことであります。今回の
不況の特色は、設備投資の冷え込みに加え、個人
消費が落ち込んでいることにあります。個人
消費を
拡大するには所得減税が不可欠であり、減税を見送ることは自動的に増税を強
いることになります。
景気対策上も、税負担の公平を図る意味からも、今や所得減税は不可欠であり、この際、中堅所得層や、パート、内職者に
重点を置いた二兆円
規模の
所得税減税を行うよう提言いたします。
今回の
不況と同様極めて深刻であった円高
不況に際して、
政府が一九八七年五月に決定した緊急
経済対策には減税が含まれていました。当時、私
自身、
与野党協議の当事者として一兆五千四百億円の
所得税減税の
実施にこぎつけ、これが
景気回復に有効に働いたことは事実の証明するところであります。五年前には減税を是認しながら、今回これを拒否することには説得力がありません。
宮澤内閣は財源難を理由としていますが、約一兆五千億円の九一年度決算剰余金や歳出削減、予備費の活用等で賄うことは十分可能であります。
第二は、
総理公約の生活大
国づくりを目指した計画的な
社会資本
整備の視点が全く欠落していることであります。十年前と全く変わらない現在の硬直した
公共投資の配分率を根本的に見直し、今こそ大都市圏の公共住宅、
地方の下水道
整備、都市公園、
福祉施設などを集中的に
整備する
平成版ニューディール
政策を
実現すべきだと
考えます。
第三は、サラリーマンのマイホーム獲得への支援策が不十分なことであります。
昨今の地価の下落を一層助長し、首都圏でも年収の五倍以内で住宅を持てるというサラリーマンの夢を確実なものとしなければなりません。それには、
政府が打ち出した
公共用地の先行取得や担保不動産債権買い取り
機関の創設が地価下落に悪
影響を及ぼすことのないよう厳しく監視するとともに、
政府はこの際、地価
引き下げの具体的目標を
国民の前に示すよう提言いたします。
さらに、私は、
国民の居住水準の向上を図るため、居住用資産の買いかえ特例制度の復活を求めるものであります。住宅を売れば譲渡所得税がかかり、また、新居を取得すれば不動産所得税が二重にかかる、家を住みかえればそのたびに縮小再生産になるといった税制は明らかに不公平税制であります。国際的にも英国、ドイツ、フランスなどでは完全に非
課税、米国では買いかえ特例制度が設けられています。
我が国の
財政当局も、この国際的事例に倣い、過去二十四年間にわたって、ライフサイクルに応じた住みかえ、居住水準の向上を支援するとの理由で買いかえ特例制度を創設、存続させてきたのであります。今これを否定しようとする
財政当局の
姿勢は、公正な税制より既得の税収に固執し、過去にみずから強調した論理を今度はみずから否定するという無
責任な
態度と断ぜざるを得ません。
私が過ぐる党首会談でこの問題を提起したとき、
総理は反省の念を込めて、少し行き過ぎがあったように思いますと答えられましたが、
総理が真に生活大国の
実現を目指すのであれば、住宅、土地に対する公正な税制のあり方として、買いかえ特例の復活、ないしはそれにかわる何らかの具体的
対策を講ずべきであると
考えますが、以上の諸点について
総理の
見解をお
伺いいたします。
最後に、今後の
財政運営の
基本姿勢について一言申し上げます。
我が国の
財政は、既に国債累積残高が百七十四兆円、その利払いや償還のための国債費は十六兆円にも達し、七十二兆円の予算も実質的には五十六兆円しかありません。加えて、今日の
不況による税収減から、今深刻な
財政難に直面しております。
一九八八年十一月、
消費税問題をめぐって我が党と
自民党との間に徹夜の
交渉が行われたとき、
自民党は、今後行政
改革を強力に推進し、
消費税率水準については、極力その維持を図るよう努めると文書で約束されました。
財政難に直面しているこのときこそ、
政府・
自民党は、この公党間の約束を重く受けとめ、安易な
赤字国債や
消費税率の引き上げを断固として排し、新たな決意に立って徹底的な行
財政改革に取り組むべきであると
考えますが、
総理の明確な答弁を要求し、私の
質問を終わります。ありがとうございました。(
拍手)
〔
内閣総理大臣宮澤喜一君
登壇〕