○亀井静香君 私は、自由民主党を代表して、
宮澤内閣総理大臣に
質問を行いたいと思います。
総理、
総理は、まさに歴史の大転換期のさなかに、郷党と
国民の輿望を一身に担われて登場されました。自来一年、
世界は激動に激動を重ねております。今や、銀河系の小さな惑星に我々人類がいつまで住み続けることができるか、そうした命題を突きつけられながら、
世界の同時
不況、新たな南北問題、旧ユーゴ、中東等に見られるような人種、宗教の対立に伴う紛争、さらには飢えと貧困といったさまざまな困難な
状況があります。
今世紀は、資本主義
経済の発達とともに、
社会主義思想が多くの人々の心をとらえ、幾多の革命運動、民族解放闘争がしょうけつをきわめ、多くの悲劇を経験いたしました。そうした中で、今日、
ソ連邦を初めとする
社会主義
体制が崩壊、米ソの対立による核戦争の恐怖から解放され、人類は新しい価値観と展望を迎えるに至りました。私たちは、そうした未来を切り開く上で、過去の歴史に学ばなければならないと思います。自由と公正を旗印とする自由主義が勝利をしたとは言え、いたずらに過去の革命運動を
批判、冷笑して、
市場経済への賛歌をうたいとげるだけではなく、資本主義
体制に内在する弱肉強食の非人間的な側面を冷静に見据え、いかにそれを克服をしていくかということが重要であります。(
拍手)
今や
我が国は
世界のトップランナーの立場にあります。
総理、あなたはただ単に
我が国のリーダーというだけではなく、人類のより豊かな
社会への
実現を目指す
世界のリーダーとしての歴史的な使命を帯びておられます。(
拍手)まずもって
総理の
決意のほどをお伺いをいたします。
総理も
所信表明で、何世紀に一度という歴史的転換点にあって、
世界も
日本も、かつてない変革を迫られており、今ほど
政治が大きな役割を期待されているときはないと述べておられます。そのとおりでありますが、残念ながら、今日、
国民の
政治不信は頂点に達し、今ほど
政治改革を求められておるときはありません。
そのさなか、去る十月十九日、長谷川峻自由民主党
政治改革本部長が逝去されました。恩師中野正剛先生より引き継がれた憂国慨世の情熱と不撹不屈の信念で、さまざまな利害と障害を排し、健全な
議会制民主主義の確立に生命を燃焼し尽くされました。故長谷川本部長の御冥福を心からお祈りを申し上げます。私どもは、志半ぱでの戦死ともいうべき長谷川先生のしかぼねを乗り越えて、今こそ
政治に対する
国民の
信頼を回復する思い切った
改革を断行しなければなりません。
今、
政治と
政治資金の関係が厳しく問われております。
政治資金として絶対に受け取ってはならない
三つの
原則があります。外国及び外国人からの
政治資金、それ以外の違法な
政治資金、道義的に非難される
政治資金であります。
政治家に一般
国民以上の強い倫理性が求められることは当然のことであります。しかしながら、近年、極めてアブノーマルな
状況が起きております。かつて
リクルート事件に関連し、あの清廉の士である故長谷川峻先生が、法務大臣に就任してわずか一週間で辞任するという事態が起こりました。
社会的にも評価を受けている
企業や個人が
政治家の予期しがたい事件や問題を起こした場合、はるか遠い過去にまでさかのぼって
政治家との問題を追及する、いわば魔女狩りのような風潮が蔓延をしていることであります。とのことは、
政治倫理の実質的基準をあいまいなものとしております。一見、
政治倫理という
社会正義のやいばを振りかざしながら、その実、人を見れば泥棒と思えに類する暗い人間観を前提とした
政治活動を要求するものであり、このことは善意に満ちた明るい
社会を目指す
政治には逆行するものであります。
東京佐川急便事件に絡んで、我が党の
金丸前副
総裁が
政治資金規正法違反で略式命令を受けたことは、まことに遺憾なことであります。
金丸氏は、みずから党副
総裁の職を辞するのみではなく、
議員まで辞職するというまことに重いけじめをつけられました。
また、いわゆる皇民党問題に関し、政界と
暴力団の関係が取りざたされております。
総裁選挙に関し、候補者またはその周辺が
暴力団を意識的に使ったのか、あるいは
自民党支持者と見られる渡辺元社長が、個人の善意からいわゆる褒め倒しを抑え、
総裁選挙をスムーズに運ばせようとしたのか、真実は
一つであります。政争によって重大な事実をねじ曲げることは許されません。
国民の前に一日も早く事実関係を明確にし、疑いを
解消すべきであると
考えます。(
拍手)
過日、
我が国の公党が旧
ソ連邦に対し、巨額な
政治資金の提供を要請していたという報道がありました。
国民にとってまさに青天のへきれきの衝撃であります。かつて赤軍派や京浜安保共闘といった極左暴力集団が外国から
資金援助を受けておりましたが、かかる報道が正しいとすれば、
政治資金規正法違反というだけではなく、
我が国の自主独立を危うくする
憲政史上許すべからざることであります。(
拍手)政府は、この事実関係を速やかに徹底的に
調査し、
国民の前に公表すべきであります。我が党もこれに対して協力をする用意があることを申し添えます。
さらに、極めて不幸なことでありますが、
日本共産党の最高幹部で、指導的立場にあって、
国会に長く議席を有していた野坂参三氏の証言によって、
我が国国民の山本懸蔵氏が銃殺刑に処せられていたことが明らかになりました。
国会に多数の議席を擁する
日本共産党の最高幹部の手によって
我が国同胞が葬られていたとすれば、まことにゆゆしき問題であります。政府は、旧
ソ連邦の崩壊により情報公開が進んでいる今日、この事実関係について
調査を行い、
国民の前に明らかにすべきであります。
このような
政治倫理上極めて重大なことが
国民の前にさらされている今、私どもは直ちに思い切った
政治改革を実施し、
国民の
政治に対する
信頼を取り戻さなければなりません。
このたび、
定数是正を含む緊急的な
政治改革の諸
項目が
与野党協議の上で今
国会に提案される運びになっております。主要な中身は、
政治倫理審査会の改組、
国会議員、政令市以上の
議員及び
地方自治体の首長の収入、資産の公開、パーティー開催の適正化、違法な寄附の没収、追徴、
選挙運動期間の短縮、定数の九増十減などの
制度改正であります。
我が党は、本年三月、これを抜本
改革までの部分
改革と位置づけ、前
国会で成立させる手はずでありました。しかしながら、
社会党
議員などの辞職願に遭い、いたずらに会期を空費し、成立を見なかったことは極めて残念なことであります。(
拍手)今
国会において一日も早く成立させることはもちろんでありますが、同時に、長期的展望に立った
議会制民主主義の活性化、健全化につながる抜本
改革を推進する必要があります。
総理は、この緊急
改革と、
総理みずからが十一月と公約をされた
選挙制度を含む抜本
改革の取りまとめについてどのように取り運ぶおつもりか、明確にお示しをいただきたいと思います。
私は、
政治改革の進め方について、特に
総理に申し上げたいと思います。
第一には、
政治活動の
実態に即した
改革を行うことであります。
金もうけをするために
政治家になる者はありません。また、花咲かじいさんのように金をばらまくことに生きがいを感じ、そのために
資金を集める
政治家もおりません。
政治活動に伴う
政治資金の支出、すなわち出について、公費による
負担の強化や、また
公民権停止、
連座制の強化といった適正な措置を行わずして、入りについての形式的な制限のみを強化をした場合、要領のいい人、ごまかしのうまい人がクリーンであり、不器用な人がダーティーな
政治家という指弾を受けるおそれがあります。
政治資金については、出と入りの双方について、同時に適切な措置を行わなければなりません。
第二は、さまざまな事件の起きるたびに法律や
制度の改正が行われましたが、その
運用が適切に行われなければ
政治改革は絵にかいたもちにしかならないのであります。
平成二年の
公職選挙法改正で寄附行為が全面的に
禁止になり、町内会の行事や催し物への一万円の寄附であっても、二十万円以下の罰金及び
公民権の
停止が科せられることになりました。しかしながら、過去三年間、いまだにそうした慣習的違法行為が蔓延をしておるにもかかわらず、これに対する検挙はわずか三十七件であり、しかも起訴されたのはただの一件のみという
状況であります。また、
選挙の際に、何々食堂、何々レストランというような、バスで
選挙民を動員した接待等が半ば慣習化されている
地域があります。また、労使協調路線のもとで、従業員が有給で
選挙運動を行っているという
実態があります。いずれも
公職選挙法違反であります。
選挙違反は、
議会制民主主義の根底を覆す重大な犯罪であります。これを放置して何が
政治改革でありましょうか。
捜査の
実態について申し上げますと、時効が成立する前、おおむね一カ月で捜査本部が解散されてしまうのが一般的であります。
政治改革を行っても、その
運用が適切に行われなければ何の意味も持たないということでありましょう。
かつて、ケネディは、
民主主義が堕落しているというが、
制度は堕落しない、問題は人だと述べました。今後、
総理は抜本的
政治改革を進めるに当たって、具体的にどのような方針で臨まれるおつもりか、お伺いをいたします。
我が国経済は、現在大変厳しい
状況にあります。特に、中小
企業、零細
企業の
不況はかつてないものがあります。設備投資の伸びの鈍化や在庫調整などに伴う
実体経済の落ち込みに加えて、従来の景気後退局面と異なり、いわゆる
バブル経済の崩壊によって
土地や株式など資産価格が大幅に低下したことを背景として、金融システムの安定性の問題や、それが
実体経済にも悪影響を及ぼすのではないかといったことが懸念されるに至っておるからであります。かつて経験したことのないこのような事態を放置すれば、
国民生活に重大な影響を及ぼすとともに、国際的な役割を果たすことも困難になりかねません。
このような事態を踏まえ、去る八月二十八日、
宮澤総理は、勇断を持って総額十兆七千億円に上る史上
最大規模の
総合経済対策を決定されました。すなわち、一般
公共事業の大幅な追加、科学技術振興、ふるさと創生の
活動を強化する公用地の取得を初め、
地方単独事業の画期的な強化、中小
企業金融のてこ入れ等、金融システムの安定性の確保、証券
市場の活性化などを幅広く盛り込んだ総合的な対策であり、まことに当を得たものであると
考えます。
総合経済対策には、八兆六千億に及ぶ公共投資等の拡大が盛り込まれておりますが、その内容について、
生活大国の
実現という観点から、
国民生活の質の向上に資する
社会資本整備を中心に実施をしていく必要があるのではないでしょうか。また、今後これが確実に消化されていくのかと心配する声も聞かれます。
したがって、
公共事業については、引き続きその施行の促進や必要となる手続の
簡素化、迅速化を図ることにより円滑な実施を確保するとともに、対策の一層の実施が可能となるよう、補正予算を
各党の協力のもとに一日も早く成立させることが重要であります。(
拍手)
補正予算の早期成立が当面
最大の景気対策であります。これが一日延びることによって、一カ月の景気回復のおくれにつながると言っても過言ではありません。マスコミの報道の中には、野党幹部が、人質にとっても云々という極めて不穏当な発言が散見されておりますけれども、
国民の窮状をいかに
考えているか、非
常識きわまると言わざるを得ないのであります。(
拍手)
総理のお
考えをお聞かせ願いたいと思います。
また、
地方単独事業の追加について、これを確実なものとするため、
地方団体の対応についてもあわせてお尋ねをいたします。
また、今回の対策には、公共用地の先行取得や、
金融機関の担保不動産の買い取り機関の設置といった
政策が盛り込まれており、これが低迷している
土地取引の流動化にも資することが期待されておりますが、その際は、
地価の下げどまりや
バブルの再燃といった事態が起きることのないよう十分留意することが必要であります。
中小
企業対策については、
金融機関の融資対応力の低下が懸念されている中で、政府関係中小
企業金融機関の思い切った貸付規模の拡大が行われましたが、さらにこれの強化をお願いするものであります。
金融システムの安定性の確保のための諸
施策については、
バブルを引き起こした
金融機関を救済するための
施策ではないかとの
批判があります。したがって、これらの措置の実施に当たっては、まず
金融機関の不良資産の
実態を明らかにし、
金融機関自身の徹底した
反省と合理化努力及び業界自体の相互扶助が必要でありますが、これに対して
総理はどのようにお
考えか、お伺いをいたしたいと思います。
低迷している証券
市場についても、
公的資金による株式
運用を初め、個人投資家の株式保有の促進策等の着実な実施により、
市場の活性化を図る必要があります。
健全な
社会は健全な
経済によって成り立ちます。補正予算の早期成立と
総合経済対策に盛り込まれたこれらの諸措置の着実な実施によって
我が国経済の回復が達成されるものと期待されますが、もしその回復の足取りがおくれるようであれば、さらに思い切った追加措置も
考えていかなければならないと思います。今後の景気回復と
日本経済の見通しについて、
総理にお伺いをいたしたいと思います。
また、景気の低迷により、お
年寄りや恩給・年金
生活者、障害者、母子家庭、そうした
社会的弱者の立場にある人々に対して
生活不安が起きないよう、きめ細やかな
施策を特に求めるものであります。(
拍手)
最近、PKO派遣などに反対すると称して極左暴力集団によって行われるいわゆるゲリラ事件は、まことに目に余るものがあります。
市民生活の安全の確保と、来年予定されている沖縄植樹祭や
東京サミットなど、国際的信用にもかかわる重要な国家行事の開催を
考えるとき、警察、
検察、公安
調査庁の治安維持能力について思い切った強化を行うべきであると
考えます。
次期米国大統領にクリントン氏が選ばれることが確実となりまして、明年一月には新政権が発足することとなりました。心からお祝いを申し上げたいと思います。
日米の友好協力関係は
日本外交の基軸であり、新政権のもとでもその重要性は変わらないものと認識をしております。
我が国と米国は、自由と
民主主義、
市場経済と、つた共通の価値観の上に、堅固な日米安保
体制と
経済面を中心に、揺るぎなきパートナーとして緊密な相互依存関係を維持しております。また、日米の
経済が
世界の総生産の四割を占めることからもわかるように、両国は
世界の平和と繁栄のために大きな
責任を有しております。
冷戦の終結後初の大統領
選挙を経て米国大統領に選ばれたクリントン氏が、米国及び
世界の人々に対し、二十一世紀へ向けいかなる展望を示すのか、また、国内
経済の立て直しゃ競争力の強化に向けてどのような
施策を打ち出すのか、注目をされるところであります。
さらには、今回の
選挙戦を通じ米国の国内問題について多くの
議論がなされたこともあり、米国の
政策が内向きになるのではないかと懸念する向きもありますが、米国の国際的なリーダーシップは
冷戦後の
国際社会においても引き続き必要であり、米国がその国際的責務をいかに果たしていくか、注目したいと
考えます。そのためには、
我が国としても米国の国際的関与を支援し、協力していくことが重要であります。
文字どおり、日米関係は新しい
時代を迎えると思いますが、
総理は、新政権の誕生をどのように評価されるのか、また、今後の日米関係の進展と新しい
時代の日米安保
体制の意義をどのように
考えるのか、お聞きいたしたいと思います。
クリントン新大統領は、
選挙戦を通じて、日米間の貿易はもとより、自由貿易を支持することを表明しておられますが、米国
経済の景気動向いかんでは米国内の保護主義圧力が高まり、
日本を含め他国に対する貿易
政策が厳しくなるのではないかとの見方もあります。日米
経済関係の円滑な運営についても、あわせてお尋ねをいたします。
本年六月、いわゆる国際平和協力法が成立をし、
我が国もようやく国連の平和維持
活動及び人道的な国際救援
活動に本格的に協力する法
体制が整備をされました。この法律に基づいて、
我が国からアンゴラへ三人の
選挙監視員が派遣され、九月末に行われた大統領
選挙の監視に当たりました。これに次いで、今七百名に及ぶ多数の自衛官、警察官などがはるかカンボジアの地で献身的な
活動を続けておられます。心から敬意を表したいと思います。(
拍手)
総理は、歴代
総理の果たし得なかった画期的な成果を上げられました。まさに歴史的に特筆をすべきことであります。
しかしながら、
世界はさらに混沌とした複雑な様相を示すことが予想され、
世界の人々の平和と幸せに貢献する道も多岐多様なものとなります。現在の
憲法の枠内で
世界の期待にこたえられるかどうか、大いに疑問のあるところであります。
現行
憲法が制定され、はや半世紀がたちました。
時代も大きく変わりました。この際、現
憲法の平和主義、
基本的人権尊重の理念をさらに強化しながら、新しい
時代にふさわしい、民族の魂と英知を込めた新
憲法を制定するおつもりはないかどうか、
総理にお伺いをいたします。(
拍手)
先月、
ロシアのエリツィン大統領の訪日が直前になって突然延期となったことは、非常に遺憾なことであります。
私は、エリツィン大統領の訪日が、いまだに平和条約すら結ばれていないという不自然な状態にある日ロ関係の完全な正常化に向けての第一歩となることを期待していただけに、今回の訪日延期によって日ロ関係に一定の悪影響が及んだことと心配をしておりますが、これからは、双方が冷静な対応をとることにより、これ以上の影響が出ないことを希望しております。
国際
経済協力についてでありますが、
経済的に困難を来している国家に対し援助を行うのは当然のことであります。しかしながら、援助を受ける国家がいたずらに軍備増強に走り、あるいは兵器を他国に売却する等の
状況がある場合、
我が国憲法の立場から見ても、そうした援助は行うべきではないと
考えますが、
総理はどう思われますか。(
拍手)
対
ロシアとの
経済協力においても、北方四島の回復は当然のことでありますが、永遠の隣人である
ロシアとの友好関係を強化、発展させる上においても、
ロシアの軍事的脅威を
削減させるという目的を達成する見地から、私がただいま申し述べましたような方針を
経済援助の出発点としてやるべきではないかと思うわけでありますが、どのようにお
考えでございますか。
ウルグアイ・ラウンド交渉を早期かつ成功裏に終結させ、戦後約半世紀にわたり
世界経済の継続的成長と
我が国の
経済的繁栄の基盤となってきた多角的自由貿易
体制を維持、強化することが、
我が国にとって極めて重要な
課題であることは論をまちません。万一にも
ウルグアイ・ラウンド交渉が失敗すれ工、ガット
体制への
信頼が損なわれ、一方的措置に基づく二国間貿易問題の解決、アンチダンピングなど貿易ルールの恣意的
運用、
地域主義への傾斜などに歯どめがかからなくなり、その結果、保護主義への台頭につながるおそれが極めて大きいものと
考えられます。かかる事態は、歴史も示すとおり、
我が国はもちろんのこと、
世界経済全体にとっても何としても避けなければならないことであります。
現在、
ウルグアイ・ラウンド交渉は重要な節目にあります。その交渉の場に当たっては、
我が国は米・ECとは異なり、食糧の五割以上を輸入に依存し、また、
国土は狭隘で傾斜地が多く、
国土保全上からも農業の果たす役割の極めて多い国であります。
国民の主食であり、かつ
我が国農業の基幹作物である米の自給を堅持するという
国会決議に基づき、粘り強く交渉に当たるべきであると
考えます。
総理は、
ウルグアイ・ラウンド交渉、特に農業交渉についてどのような対応をとられるおつもりか、お伺いをいたします。
最近最も明るい話題は、宇宙飛行士毛利衛さんの快挙であります。向井千秋さんのスペースシャトルヘの搭乗も決まりました。先日、我が党は、土井隆雄さんも含め三名をお招きし、宇宙のお話をお伺いいたしました。真っ暗な宇宙から、青白く光る小さな地球を見たときの感動、
日本が非常に美しかったこと、いずれも宇宙から見て初めてわかることでありますが、とりわけ子供たちに与えた夢と感動ははかり知れないものがあります。(
拍手)
次世代の
我が国の発展と
世界平和の担い手となる若者に夢と希望を与えるとともに、科学技術による
国際貢献を積極的に進めるためにも、宇宙開発を初め、国内の研究開発基盤の強化が必要であります。これについて、
総理はいかに取り組まれるおつもりか、お尋ねをいたします。
私は、子供は未来への使者であり、また文化の伝承者であると思います。と同時に、資源小国の
我が国にとっては、子供は唯一の誇れる貴重な人的資源でもあります。
日本人のすぐれた資質とひたむきな努力が今日の発展をもたらしましたが、二十一世紀の
日本を確かなものとするためにも、
世界に通ずる人づくりを進めることは、我々の重大な責務でもあります。
そのためには、現在の偏差値重視、知識偏重の教育から、個性を伸ばし、人間性を尊重する教育へと改めることも必要ではないかと思いますが、
総理は、教育についてどのようにお
考えか、お伺いをいたします。
総理みずからの手で、教育の種を植え、それを
社会に根づかせ、育て上げ、大輪の花を吹かせ、人類の未来に貢献をしていただきたいと思います。
宮澤総理が、
内外ともに多端な今日、ますますのリーダーシップを発揮され、歴史に輝かしい一ページを残されることを期待して、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
議長退席、副
議長着席〕
〔内閣
総理大臣宮澤喜一君
登壇〕