○中村国務大臣 ただいま議題となりました
特定有害廃棄物等の
輸出入等の
規制に関する
法律案について、その提案の理由及び
内容の概要を御
説明申し上げます。
有害廃棄物の国境を越える移動に係る問題につきましては、
平成元年三月、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の
規制に関するバーゼル
条約が採択され、本年五月に発効したところであり、
我が国にとって条約への加入及びそのための国内法の整備が急務となっております。
本
法律案は、条約等の的確かつ円滑な実施を
確保するため、
特定有害廃棄物等の輸出、輸入、運搬及び処分の
規制に関する措置を講じ、もって人の健康の保護及び生活環境の保全に資することを目的とするものであります。
次に、この
法律案の主要
事項について、その概略を御
説明申し上げます。
第一に、
環境庁長官、厚生大臣及び
通商産業大臣は、条約等の的確かつ円滑な実施を図るため、必要な
基本的
事項を定めて公表することとしております。
第二に、
特定有害廃棄物等を輸出しようとする者には、外国為替及び外国貿易管理法の規定により、
通商産業大臣の輸出の
承認を受ける義務を課すとともに、輸出の
承認に先立ちまして、環境の汚染を防止するため特に必要があるものについては、
環境庁長官が環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかを確認することとしております。
第三に、
特定有害廃棄物等を輸入しようとする者には、外国為替及び外国貿易管理法の規定により、
通商産業大臣の輸入の
承認を受ける義務を課すとともに、
環境庁長官は、
通商産業大臣が輸入の
承認を行うに際し、事前に、
通商産業大臣に対し、必要な
説明を求め、及び意見を述べることができることとしております。
第四に、
特定有害廃棄物等の運搬または処分を行う場合は、移動書類を携帯してしなければならないこととしております。
第五に、
環境庁長官及び
通商産業大臣、また廃棄物の場合は厚生大臣を加えた三大臣は、
特定有害廃棄物等の輸出、輸入等が適正に行われない場合において、人の健康または生活環境に係る被害を防止するため特に必要があると認めるときは、
特定有害廃棄物等の輸出者、輸入者等に対し、当該
特定有害廃棄物等の回収または適正な処分のための措置その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができることとしております。
このほか
報告徴収、立入検査、手数料、罰則等について所要の規定を設けることとしております。
なお、この
法律案は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行することとしております。
以上が、この
法律案の提案理由及びその
内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御
審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。