○渋谷
委員 今の
提案者の方の
説明もございまして、もう少し論旨がはっきりしてきたというぐあいに思うのですが、
東京で失敗しましたのは、実は先ほど来申し上げておりますように、成長の管理といいますか、
都市も生き物でして、
東京の場合は人が
地方からどんどん集中をしてくる。もちろん集める引力といいますか、力があるからですね。それでその力に任せてどんどん膨張するままにほっておいてあるものですから、
都市のキャパシティーを超えてしまう。やはり
都市というのは、基本的にはそういう意味では成長力に限界のあるものであるという観点に立って、これは
アメリカなどでは最近当たり前のような
議論になっているわけですけれども、成長の管理、管理と言うと何か妙に
計画的な感じになってしまいますからそうじゃなくて、
都市の成長のコントロールという
考え方は、この新しい
都市をつくる場合にどうしても入れていかなければならない。六十万という規模でありましたけれども、六十万という
都市を大体想定するけれども、既存の
都市などとの連携の中で、例えばあっという間に百万になる。それがさらに一定の力を持ちまして、あっという間にこれが百五十万、二百万ということになりますと、社会資本
整備が全然立ちおくれて、周辺にあちこちスプロールが始まり、
都市問題がまたそこで起こってくるということでは、一体何をやっているかわからなくなるわけですね。そういう意味で言いますと、成長管理の政策をここでやはりきちんと
最初から当てはめていかなければならないというぐあいに考えますし、また、先ほど来申し上げておりますように、今現在もありますが地区
計画制度ですね、これを超えるような強制力を持つ詳細
計画をベースにした
都市計画というものを、例えば予定の地域に網をかぶせていくということになりますと、これはやはり既存の、住んでいる人たちの協力なしにはできないですね。合意なしには絶対できないのです。
日本とヨーロッパの
都市計画の違いはまさに基本的にここにありまして、したがって私が先ほど来申し上げている地域
自治主権というのは、なぜそういうことを言っているかというと、地域に住んでいる住民がまさに主人公で、あなた方が自覚と責任を持ってやらなければいけないのですよ、その能力を引っ張り出しながら、それと連携して新しい
都市づくりをするということになれば、これは単に集中の排除だけの問題ではなくて、
日本の
都市計画を抜本的に変えていく大変重大な意味を実は持つことになるわけですね。そういう観点で申し上げているということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
あと幾つか質問の点がありますので、
一極集中排除の問題とのかかわりで若干質問を申し上げながら、残る時間があれば、実は
国会等の
移転等の一方で、残る
東京の地震の災害問題だとかその他がこの法律の中にも指摘されているわけです。それは後で若干お伺いをいたしますが、先ほど来申し上げておりますように、今度の
国会等の
移転に関する法律は
一極集中の排除ということが一番大きな理由ということになっているわけなんですが、既に先ほど来御答弁もいただきましたけれども、これまでもずっと
議論もされ、あるいは
政府としても例えば
昭和六十三年には「国の
行政機関等の
移転について」ということで閣議決定を行って、国の
機関の
移転などに取り組んできた。これもなかなかうまくいかない。一部移動したけれども、
東京圏に残ってしまうというようなこともあるわけですね。こうした法律が今度
国会で成立をするということになりましたときに、この
一極集中の排除というのは、これまでの単なる
議論とは違って具体的に実現しなければならない課題ということになるわけなんです。ところが一方で、国の
機関あるいは国の
機関に準ずるような施設を、何も
東京でなくてもいいような施設を
東京に立地をさせ、つくるということが行われているのですね。たくさんあります。そういう問題はたくさんありますが、それを一々触れているわけにいきませんから、具体的な事例を触れれば、きょう、
提案者の方々も、あるいは
各省の方々も
委員の方も御理解いただけると思いますので、あえて個別の問題を申し上げて問題提起をしておきたいというぐあいに思います。
北区の西が丘に国立のスポーツ競技場というのがございます。細かい経過を
説明していますと質問時間がなくなってしまいますから、私の方から簡単に申し上げますと、これは文部省の方がいわばモデル的な施設として
国民にスポーツをする場所、機会を与えるために、本来であれば地域
自治体にそうした施設をどんどんつくってもらいたいけれども、まずは国がモデルをつくるということで、北区の西が丘にスポーツ競技場をつくりまして、ここは年間延べ五十万人ぐらいの人たちが利用をしているのですね。大変喜ばれている施設です。若い人だったらわかると思いますが、西が丘はサッカー場があることで有名です。サッカー場がありましたり、あるいはテニスコートがあったり体育施設があったりプールがあったり、その他のそういう施設が全部ありまして、そこが非常にたくさん地域住民に利用されているという施設なんですね。
ところが、ここに今度は文部省が、オリンピックのエリート選手の養成施設といいますか、スポーツ科学センターをつくりたい。で、今延べ五十万人の利用している人たち、サッカー場は残しますけれども、その他の建物の建っている部分を壊しまして、そしてそこにそういうエリート選手の訓練をする、例えばメニューづくりだとか、あるいは科学的な分析だとか、そういうものを行うための拠点施設をつくりたいということになりまして、したがって、
最初は、今一般の人が利用しているのは全部排除してしまって、そしてそういう施設をつくるという話だったんですが、いろいろ私なども文句を言ってきた経過がありまして、何とかそれは地域住民と共用できるような形にしましょうというような話になってきたのです。なぜそういう施設をつくるかということを他の
委員会で文部省に聞きましたら、結局エリート選手の面倒を見ている、例えばカウンセラーであるとか、アドバイザーであるとか、あるいは医療的にいろいろと専門的に取り組んでいる人たちは、みんな大企業だとかそういう医療施設に勤めているというわけですね。そういう人たちからの要望でいえば、やはり都内に便利なところにそういう施設をつくってもらいたいということで建物をつくる
計画が出てきたわけであります。
最後の部分は文部省の立場にかかわる話でありますから、そもそも国立スポーツ競技場をなくして、それで今申し上げましたスポーツ科学センターをつくらなければいけなくなったという理由について、長い時間要りませんから、三点なら三点、私が今申し上げたことが違っているなら違っているで、訂正して御答弁していただけますか。