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三井(
康壽)
政府委員 吉井先生の御質問たくさんございましたので、順次お
答えをさせていただきたいと存じます。
まず、私どもが今回
買いかえ特例の
部分的な復活を
お願いしておりますのは、
住宅政策のうち住みかえを
促進するといいますか、住みかえによって居住
水準が向上するという点に特に着目をさせていただきまして、現在住みかえが阻害をされているんではないかということからこの復活を
部分的に
お願いしているというのが真意でございます。
御
承知のとおり、第六期
住宅建設五カ年
計画におきましては、一戸当たりの
住宅の
規模を現在の約九十平米から九十五平米にしよう、そして、日米構造協議ではさらにその五年後の二〇〇〇年に百平米にしようとしているわけでございます。したがいまして、そのための
施策としましては、
公庫融資の
拡充でございますとか、あるいは
税制の
拡充でございますとか、これによりまして
取得能力の向上によって居住
水準の向上を図っていくということのほか、
買いかえ特例というものの
制度を使わせていただいて、さらに居住
水準が向上して国際的な公約も果たしていく必要があるんではないかというふうに考えた次第でございます。
ところで、この
買いかえ特例につきましては、従来確かに弊害が存しましたことは当然おっしゃるとおりでございまして、特に
買いかえ資産につきまして、
価格につきまして、
地価高騰期には緩みまして、高い
価格で
買いかえ資産を買ってもいいじゃないか、そういう実例がかなりございました。したがいまして、
地価高騰の主因とは私ども考えておりませんけれども、
地価高騰が都心部で起こったときに、それを周辺部あるいは
地方に波及させた、そういう
役割を果たしたという意味で反省をしなければいけない点があるわけでございます。
しかし、現実に、完全に
買いかえ特例がなくなりますと、住みかえをする際に、現在三千万の特別控除がございます。それから、その上が、六千万までが住民税を含めて一四%、その上が二〇%、こういうふうな税率がかかりまして、十年以上持っておられる
方々あるいは十五年持っておられる
方々が、転勤でございますとか、あるいは郊外にさらに移りたい、あるいは逆に都心に戻ってきたい、
マンションから戸
建てに移りたい、あるいは親子二世代で住みたい、住みかえの
理由というのは家族の構成あるいは
年齢の変化によってたくさんあるわけでございますけれども、税金がかかりまして、従来のローンがまだ残っている、あるいはさらによりよい家を求めるために、物件によるわけでございますけれども、さらなるローンを組まなければいかぬ、こういった
状況を考えますと、住みかえ
施策としては、仮に二百万、三百万あるいは一千万を超えまして税金がかかるとなると、それだけ居住
水準向上
対策にはマイナスに響いてくるという面も否定できないわけでございます。したがいまして、また先ほどの繰り返しになりますけれども、土地
対策との整合性を図る、すなわち、
地価高騰をさせないという条件つきで復活させていただくというのはそれなりの理論的な妥当性があるんではないかという考えでございます。
ところで、どういう条件かということにつきましては、今
先生からも御
指摘もございました。私ども、取引が適正な
価格でやられていること、それからトリガーと言っていいのかどうかわかりませんけれども、
地価高騰が一〇%以上、二以上の都府県で出た場合にはその
期間は停止をするとか、あるいは余り高額の物件を
買いかえするのはそれを認めるのはいかがなものかということから、大体六十坪、相続税で小
規模宅地と言っておりますけれども、
住宅につきましては税額が軽減されておりますが、その二百平米、六十坪の土地で都内の
住宅地の二十三区の平均が大体坪三百万ぐらいでございますけれども、そういったことを勘案いたしまして二億円という譲渡
価格制限を設けたらいかがかと、こういったことを提案させていただいて、
議論をさせていただき始めているところでございます。
ところで、適正
価格はどういうことで決めるのかということでございますけれども、
基本的には地価公示というのを基準といたしまして評価をしてそれを審査するなり、あるいは適正なる申請はそれを認める、そういった方法はいかがであるとか、あるいはトリガーにつきましては確かにおっしゃるとおりの御疑問もございます。ただし、私ども、
制度といたしましては、住みかえというのはやはり必要である、今後も大いに住みかえという
国民の皆さん方のニーズというのは酌み取っていかなきゃいかぬ、そして、それによって地価が、それによってとは申しませんけれども、何らかの
経済的な
理由で地価が仮に高騰するという場合は、一定
期間は停止してもしかるべきだ、こういった考え方で今回提案をさせていただいているのが私どもの考えでございます。