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国務大臣(
近藤鉄雄君) 実は先般、
中小企業労働力確保法でどれくらいの融資がなされているんだということを内々、
中小企業金融公庫、
国民金融公庫から聞いてみましたら、
中小企業金融公庫では約九百数十億融資がなされた、そして
国民金融公庫では二百八十か七十億なされている、こういうことでございます。ですから、合わせて大体千二百億前後の融資がなされておる、こういうことでございます。
実は私、今度の緊急
経済対策を政府で策定するに際しまして、閣議の席やまた
経済対策閣僚会議の席で強く主張したわけでございますが、現在の
景気が低迷しているいろんな理由の
一つに設備投資がもうぐっと下がってきている。従来は、まさにバブル時代には比較的安い金利の金を調達できて、それで強気でどんどん設備投資したけれ
ども、今やそれで過剰設備になっていて、しかも今度は金利が高くなったということで設備投資が抑えられているのが
経済の見通しを暗くしているといいますか、在庫
調整も進まない原因でございます。
問題はどうしたら民間の設備投資をふやすか。国の公共事業の前倒し等もございますけれ
ども、民間の設備投資をふやすには私は省力化関連、まさに
時短促進関連投資を進めることではないか。これが自動車やコンピューターやそういったものが頭打ちになっても新しい投資市場に出てくる、こういうことで積極的に国は
時短促進法をつくって進めるし、また先ほど春闘ということがございましたけれ
ども、春闘でも
時短については労使一致していこうということでございますから、
あとは金繰りを積極的にする、こういったものが一斉にムードになってまいりますと、みんなが
時短投資をする。
殊に、大
企業は安い金利の金で多少設備投資が過剰ぎみでございますが、
中小企業はもう週休二日制をやる、
時短をする、大変だとみんな思っているわけでありますから、みんなで投資をするとなれば
一つの
景気を上乗せするファクターになりますので、そういうことで今度の
中小企業労働力確保法で組合をつくっている場合には五・五%、個人の場合には六%にということなんだけれ
ども、実はもう一鳴きして安い金利で、しかもここ二年間に限って思い切ってやったらどうだと、こういうことを言ったんでありますけれ
ども、これから新たな
予算措置も必要だということは、現行制度を拡大して積極的に
適用していこうということで、緊急
経済対策でもわざわざこの省力化
時短関連投資という柱を設けて皆さんにアピールしよう、こういうことでございます。
実は、
労働省といたしましても、従来
労働力確保法は、
局長でいうと職安
局長の分野であったわけだけれ
ども時間短縮は基準
局長の分野になるわけです。したがって、職安局とそれから基準局との車の両輪で積極的にこれはPRしよう。例えば具体的に、地方の
労働基準局や地方の
労働基準
監督署にこの
中小企業労働力確保法の簡単なパンフレットを置いて、そして
時短の御
相談に来られたらぜひやってくださいと、実はこういう制度がありますから活用してくださいよと、場合によっては
中小企業金融公庫や
国民金融公庫に
監督署長さんが紹介して積極的に融資までやるというぐらいのことを踏み込んでやれと、こういうことでございます。せっかくいい制度ができてもまだまだ浸透していませんから、これをみんなに活用していただいて、ひとつこれで
景気を盛り上げていく大きな原動力にしたいということを考えた次第でございます。