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井上吉夫君 第二班につきまして御報告いたします。
第二班は、鹿熊理事、久保理事、梶原理事、
井上章平
委員、須藤
委員、小林
委員、
中西委員、乾
委員及び私、
井上吉夫の九名で編成され、二月十九日から二十一日までの三日間、宮崎、鹿児島の両県を訪れ、南九州の産業
経済の動向、両県の
経済、財政の実情等について概況説明を聴取するとともに、宮崎県においては国際海浜コンベンション・リゾートゾーン等を、鹿児島県においては鹿児島県工業技術センター、桜島の防災工事
状況等について現地視察を行うほか、地元の産業についても広く調査を行ってまいりました。
以下、
経済、財政の概況について御報告いたします。
まず、産業
経済の動向ですが、南九州は第一次産業に依存する割合が高く、中でも畜産のウエートが大きいのが
一つの特色となっております。しかしながら、第二次産業につきましても、従来から空港、高速道路など産業基盤の整備に力を入れるとともに、積極的に企業の誘致に努めた結果、IC及びその
関連企業の進出が目立っており、ICの生産量は全国の約二五%を占めるに至っております。また、近年、首都圏に端を発した地価上昇や人手不足が中央の企業に地方分散を促す効果をもたらし、南九州でも企業進出が着実に増加しております。これらの中には千名近い雇用規模を有する企業あるいは先端産業も多数含まれ、地域
経済の高度化、活性化に寄与するものと期待されております。
景気動向につきましては、住宅建設は低調であるものの、設備投資や公共事業は高水準を維持しているほか、個人消費も総じて堅調に推移しております。こうした動向を背景に鉱工業生産は高水準ながら業種間でのばらつきが見られますが、企業収益は前年並みの水準を確保しており、雇用面でも企業の人手不足感が続いているなど、景気はひところに比べ好況感は薄れているものの底がたい動きとなっているとのことでありました。
景気動向を反映して、南九州を管轄する熊本国税局の三年度の国税収納
状況は所得税が順調な伸びを見せるほか、全国ベースでは落ち込みが目立っている法人税についてもほぼ横ばいとなるなど、総じて堅調に推移しております。
次に、宮崎、鹿児島両県の財政
状況についてであります。両県とも歳入面では自主財源の割合が三割に満たず、地方交付税等に大きく依存した歳入構造となっております。一万歳出面では、人件費、公債費等義務的経費の割合が四割強を占めるなど財政の硬直化が進んでおりますが、
社会資本の整備を積極的に推進してきたことから投資的経費の割合はいずれも三五%程度と高くなっております。今後とも、公共事業、高齢化対策等財政支出の増加が見込まれることから、両県とも引き続き行財政改革を推進し、経費の節減合理化を図る等により所要財源の確保に努める一方、国においても地方財源の充実のため、地方交付税の所要額の確保、公共事業費の傾斜配分等が行われるよう要望がありました。
現在、宮崎、鹿児島両県とも、第四次宮崎県総合長期計画及び鹿児島県総合基本計画といった長期計画に基づき、地域産業の振興、高速道路網の整備、長寿
社会対策ほか、さまざまなプロジェクトを積極的に推進しつつ定住環境の整備など過疎対策にも配慮した県土づくりを進めており、両県からは各般の施策に対する国の一層の支援が求められました。
以上で第二班の報告を終わります。