○深田肇君 これが問題なんです。これは
局長を初めとする皆さん方の批判をしてもしょうがないんだけれ
ども、それはきょうはちゃんと聞いてもらって、大臣を含めてこういう
質問が出ることはわかっているんだから。もっと言えば、きのう
質問をとりに来られた方に私
説明したんだから、これを聞きますよと言って。そうしたら、大臣の方は忙しいかもわからぬが、報告を聞いていませんと正直におっしゃる。また適当に
局長が答弁してごまかそうと思っているかもわからぬけれ
ども、そうはいかない。その点については別の機会がありましょうから、きちんとしたそのことについての御意見をいただきたいと思います。そのことを申し上げて、もう時間がありませんから、次々とたくさん言いたいことがありますから、その次に入りたいと思います。
そこで、この機会に、四月十七日のことは新聞報道で見られたと、正確な
意味においては報告は上がっていないということですから大変恐縮ですけれ
ども、自民党の先輩、同僚の議員の方々にも御理解いただくことが大変大事なことだというふうに思います。
ということは、前段申し上げたように、四月十七日はいわゆる我々の同僚でもある衆議院において満場一致で可決されてきたということになっているものですから、それについて、冒頭申し上げたように、意外と言っちゃ失礼なのかもしれないけれ
ども、そこにいらっしゃる方々なり、それから外の方がそれを聞いたら怒られるかもわからぬけれ
ども、本当にもう全面的な違う意見を持って怒りを込めて集会をやっているんですね。この事実は、少数意見だとかそんなものは問題にならぬというふうにあなたが言うかどうか知りませんけれ
ども、これはとんでもない事件が今起きていると
考えにゃいかぬ、これは深刻に
考えにゃいかぬというふうに私は議員の末席を汚す立場としても
感じるし、
日本の
国民の一人として
人権問題はもっと深刻にまじめに取り組まないとこれはいかぬぞという
感じを持っているわけでありまして、その上に、前段申し上げた参考人の話をここでじっくり聞かしてもらって、参考人の方々があれだけはっきり物を言われたということになると、これはひとつもう一遍
考え直したり見直したりすることが必要なんじゃないかと思っています。
そのことを申し上げた上で、ちょっと時間がありませんけれ
ども、ぱっぱっぱとやりますからおつき合いをいただきたいというふうに思います。いわゆるその集会には、もう一遍言いますけれ
ども、
指紋制度廃止ですね、それから常時携帯
制度を全廃せよ、「
外国人登録法の抜本的改正を求める中央集会」、名前だけでなくたくさん人が集まっておられる。これは会場や等々は言いませんが、これはちゃんとした公開の場でやっているんです。それが開催された。そこではアメリカの方、スペインの方、中国の方、韓国の方、朝鮮の方、朝鮮の方は十六歳、それからビルマの方、ドイツの方、こういう方々が出席して発言をされる。もちろん、それと連帯している
人権問題を
考えている
日本の方々がたくさん参加している。しかも、はっきり申し上げますが、
日本社会党はそこへちゃんと主催者及び来賓祝辞で行っている。そして他の会派の方々もそこに出られるという
状況での集会なんですということを、まずイメージとして頭に入れてください、時間がありませんから。
そこで、そういう
意味合いの中で、ちょっとこれは大臣にはこれから正確な報告が上がると思うけれ
ども、この機会にちょっと簡単に
一つ二つ御披露申し上げておきたいのでありますが、その集会の実行委員会を代表した人、固有名詞は言いません。その実行委員会を代表した人はこう言っているんです。「
政府・
法務省の
外登法「改正」案は、本日午前の衆議院・
法務委員会において修正、
附帯決議が加えられ可決された。 私
たちは、この内容を残念に思う」、これが第一行です。ばしっと一発入っている。これは私も、この文章なりそのとき耳に聞いて驚いたわけでありますが、同時に「
政府・
法務省の「改正」案は」というところから本
人たちの主張がそこに入るわけでありますが、「在日
外国人と私
たちの運動の、真意をくみ取らず」、「真意をくみ取らず」、これ文章に入っちゃっているんだからね、印刷物ですから。もしこれを酌み取っているんだというんなら酌み取っていると反論せにゃいかぬし、それであなた
たちは間違っていると言わにゃいかぬ。私は、きのうまでの
説明を聞いておっても、今の
千葉議員とのやりとりを聞いておっても、これは本当に真意は酌み取っていないというふうに彼らが言うのはもっともだと思うし、
日本政府は
考えにゃいかぬ、我々議会側も
考えにゃいかぬということを
感じているということで、ここで強調しておきたい。
また、こういうことも書いてある。「国際
人権規約に基づき、法のもとでの平等を実践するために在日する欧米人諸国との協議も行うことがなかった」、協議がなかったらしいですね。欧米、いわゆる韓国、朝鮮の方以外の欧米の方々との、日韓覚書の
関係がありますから、そこだけだということをちゃんと
指摘されちゃっている。これはもうはっきり言わしてもらえば、きのうも参考人おっしゃったけれ
ども、
差別発言を使っちゃいけませんからちょっと微妙な言い方をしますけれ
ども、やっぱり不十分だね、対応の仕方が。全体の世界の国との間をどういうふうに
日本が対応するか、この国際社会において
日本が平和国家として
人権国家として登場していこうとするなら何をすべきかということになってきたら、やっぱりはっきり申し上げて日韓の覚書に基づくようなそこだけじゃいけないじゃないかということは、これは彼らが
指摘するのは当たり前のこと。それはこれだけの国の方が集まっているわけですから。まあ時間ありませんから。
そういう
意味では、本
人たちはおっしゃっているのでありますが、一九八〇年の在日韓国人が「たった一人の反乱から」という言葉でやってきたものだと。これは韓国人、朝鮮人の、いわゆる良心と人間の尊厳をかけた闘いであったと、そう思っている。我々もそう思っている。私は議員になるまでこれ一緒にやってきた方だから、
国民運動
局長というポストにいてやってきたからよくわかりますが、本当に彼らの叫びは、本
人たちの問題だけじゃないんです。
日本はこうあるべきだ、世界は平和のためにこうあるべきだ、人間社会はこうあるべきだと叫び声を上げているんだから、単なる要求闘争じゃないんです。これは参考人の方もおっしゃったけれ
ども、もう思想の問題なんですよ。
だから、国際情勢が変わってきたと大臣はおっしゃるけれ
ども、変わってきたことを認めた上でも、ただ変わってきたから量的に何とかしたらいいという問題じゃなくて、もう抜本というかな、全面的に見直すか、やり直さにゃいかぬというのが今の我々の
指摘だ。このことをまたせっかく決めたその日の晩にそれはあかんぜと言われているということについて反省せにゃいかぬと思いますね。
以上申し上げた上で、時間がありませんから、本当に立派なことをちゃんと言っておられますよ、間違いは
一つもない。「共に生きる」社会を創造しようとしてやっているものであって、私個人が、我々在日の
外国人が
差別されているというそこだけを言っているんじゃない、「共に生きる」社会をつくろうとしてやっているんだよということをちゃんと言われている。そういう
状況の中で、
指紋押捺、常時携帯の義務と重罰を
廃止した抜本改正がなくちゃいけない。これは我々の要求であるし、我々の気持ちであるということもきちんと書いておられますね。
そういう
意味からすると、私は主催者側が開会に当たっての話を一、二ここに挙げましたけれ
ども、時間がありませんから多く言えないんで、いらいらしながら言うのですけれ
ども、こういう
指摘もあるんですよ。戦前の植民地支配によって在日を余儀なくされた韓国・朝鮮人に対するものがあるじゃないか、この歴史的な責任を認めなきゃならない。それを全然認めてないじゃないかと、今度の改正案は。こうなると、竹下元総理大臣からこの前の海部総理大臣もいろんなことでアジア諸国に対して、南北の朝鮮に対して発言したことなんていうのはどこに生きているのか、
法務省はどう
考えているのかという
指摘をまたされちゃう。こういうことを私はそのときの印象としてたくさん持ったということを申し上げておきたいと思います。
こんな機会でありますから、大変一方的にしゃべって申しわけないんですが、おとといも参考人の方に聞きましたけれ
ども、一、二外国の方々の生の話を申し上げておきたい。
ことし
日本で生まれた娘が十六歳になります。
指紋押捺の時期になっております。
自分の意志で
日本永住を選んだ私とは、また別の立場で
押捺を強要されることは納得がいかない。これは本当に正直な話でしょう。これはどうするのかと、技術論じゃなくてね、技術論は
千葉議員がどんどんやられましたから、そこはそれにして。
それから、私は二十五年間
日本に滞在しておりますが、
指紋を九回ほ
どもとられました。毎回
押捺を拒否してきたということで
指紋押捺制度の終止符を打ついい機会だと思うから、今度の改正案を期待しておったが、やっぱり残っちゃった、こう言われているんですね、外国の方が。それは一人二人の声じゃなくてここにもたくさん列挙されているけれ
ども、たくさんのものがある。
それからまた、こういうことがあるんですよ。常時携帯義務は
指紋押捺以上に屈辱的な強要だと思います。それは
本人がそう思っているんだと反論されるかもわからぬけれ
ども、思っている人が事実いるんだから。しかも、
本人が堂々と発言され、堂々と印刷物になっているとするならこれに
日本の政治はこたえにゃいかぬと私は思います。
いろんな例をたくさん挙げたいのでありますけれ
ども、時間の
関係ありますから、省略をせざるを得ないのでありますが、一回大臣の部屋へ行ってこれ全部渡したいと思っているんだ、私。
とても厳しい審査を受けて、今は永住資格を持っています。外登証の切りかえに
指紋が不必要になるのはうれしいのですが、それが限られた
人たちだけの特権ではうれしさが半減します。在留資格と期限更新時にいつもとても厳しく審査した結果の在留許可なのですと。想像できますね、審査された結果の上での在留許可です。
指紋は嫌がらせ以外の何物でもありません。
人権に鈍感な
日本人の意識はいつ目覚めるのでしょうか。あきらめずに声を私は出し続けるしかないと思っています、ということをやはり
外国人の方に言われちゃう。
これも一部の声というかもわからぬが、私は一部でないということをよく書類を上げてもらうと同時に、大臣にこの機会にお聞きいただいて大変恐縮ですけれ
ども、先輩議員、同僚議員の皆さん方にもお聞きいただいたわけであります。
以上申し上げた上で、その集会でもちろんのことでありますが、四・一七集会宣言というのがここに印刷物があるんです。これも長くやると時間がありませんから、かいつまんでポイントを言います。もちろん今申し上げたような経過での集会で集まった方々がいろんな討論をされて、まあちょっといいんじゃないかという意見もあるわけですね。そうじゃないじゃないかという意見もある。そういうことをずっと集約した文章としての結語ですから。結語はこうですね。
「今回の「改正」案が改悪でしかないとして、あくまで反対してきた私
たちはこれに強く抗議すると共に、参議院での廃案を目指して、更に継続した闘いの決意をあらたにするものである」と、
外国人の方と
日本人の方が一緒になって決議して我々にそのことを要請されているということを、
政府に今この場をかりてもう一遍申し上げておきたいと思います。
そういうことの中から、彼らはずっと分析をして、
自分たちが今申し上げたようなことを全
部分析する中から、これがどうして改正ということができるんでしょうかと、こういう結びに入っていくんですね。
それから、三月二十七日から始まった
法務委員会の審議の中で
政府・
法務省は、これはもう先輩議員なり同僚議員がどんどんやられましたが、今までは
永住者だからこそ
指紋が必要だと言ってきた従来の答弁を臆面もなく変えて、
永住者は定着性があるからいいんだ、非
永住者は定着性がないから
指紋でなけりゃ同一人性が
確認できないという言い方などをやってきたときは、もう何を言っているのかと私
たちは思いましたということをもう明確に、言葉の使い方は慎重にやりたいんですが、はっきり言えば、原体験者であるけれ
ども、法律的にも政治的にも素人でいらっしゃるかもわからぬが、その方々がもうこれを見抜いちゃっているんですよ。そして、こういうことがやられているよと。こういうものが公然と集会で
確認され、
日本のマスコミがそのことを知っているとなったら、やっぱり本委員会も
考えにゃいかぬし、
政府はもっと責任を自覚するべきじゃないかということを私は強調しておきたいと思います。
たくさんのことをしゃべりたいのでありますが、そういったことを含めて、もちろん彼らは衆議院における参考人の発言なんかも皆引用されていますから、そういう
意味合いの中で言われていることは本当にもっともなことが多い。これは、同僚議員も何回か今までの
質問の中でも話があったり、参考人との意見交換の中でもおっしゃっていましたけれ
ども、できることならもう一遍出直すことができないのか。ここで今回のことは本委員会の中で
附帯決議をやるとかいろいろなことがあるだろうけれ
ども、もう一遍ひとつ十分我々と
政府が話し合いをして、こういう声にこたえるためにはどうしたらいいのか、急ぐことないじゃないか、秋の国会でやったっていいじゃないかということまで実は
感じていることを申し上げて、とりあえずその辺について、大臣でも、これは
局長がやるなら
局長でも結構ですが、ちょっと御答弁いただきたいと思います。