○橋本敦君 このような処分を受けながらどんどん車両の認可が進められていって、そういう認可を受けて山梨佐川急便は今や山梨県下で最大の大手運送会社に実はなっておるわけです。
そういうような山梨佐川が、今私が
指摘したように、元来この土地は中央道のインターチェンジが八代町の近くにできるという構想があったということから、その付近に土地を得たいという思惑もあって土地の買収にかかったと我々の
調査では聞いております。本来なら手に入ることができない土地を四人の農家の方に名をかりて、農民は私は犠牲者だと思いますが、こういうことをやっている。これ普通じゃできないですよ。そして、その結果、現在どうなっているかということにも問題があって、この土地は正式の県知事の転用許可や地目
変更等の
手続一切なしにして、資料の①-2の地目のところを見ていただきますとわかりますけれ
ども、昭和六十年八月五日付で国土法に基づく国土
調査による結果として雑種地に地目が
変更されておるのであります。
つまり、わかりやすく言いかえますと、農地を農地以外の土地に事実上強行突破をして転用して、正式の許可も何にも受けないのに後になって、先ほ
ども言いましたが、農振
地域から昭和六十年に解除をし、国土
調査によって雑種地ということで地目を認定してもらって、今や公然と運動場として使い、そしてこの契約が済んだら、いつ売ろうがあるいは何を建てようが自由という、そういう土地に仕上げてしまった。まさに違法
行為の追認をやっておるわけであります。こういうことを県も開発公社も百も二百も承知の上でやったとしたならば、これはまさに重大な疑惑のあることではないのかという問題であります。
佐川がこの土地を買収にかかったときに、公然と買えないということから四人の農民に
協力を求めに行った。その
協力を求めに行ったのは、私
どもの
調査では当時八代町の公明党の町
会議員の方が奔走された。この方にも私
ども調査をいたしました。事実ははっきりしております。
そしてもう一つ、山梨に株式会社甲斐延運輸という会社がありまして、その社長は宮川という方ですが、この方も四人の農民の方に町の発展になるからということで説得して奔走してこれを買わせた。この甲斐延運輸は、今私が
指摘した宅地化工事を山梨佐川から請け負って強行した会社なのであります。そして、この宮川さんという人は地元の中尾栄一代議士の後援会長をしている方であります。
そして、もう一つの人脈をたどってみますと、当時山梨農地開発公社の監事であった日原政秀という方があって、県の出納長から開発公社の監事になっておられた方でありますが、この方は今何をしておられるか調べてみますと、政治団体山梨ふるさと政治連盟、代表は金丸信さん、この会計責任者をしておられる。いろんなところで政治家との糸が見えてくるわけであります。
そこで、この問題については農水省は
調査をするということでありますが、なぜこのような無法な農地取得が佐川が可能になったのか、そこで政治家やあるいは政界工作というものが行われたのか行われなかったのかという問題について、私は重大な疑惑があると、こう見ておるわけであります。こういった経過について、今
東京佐川急便の渡辺、早乙女氏等を取り調べ、一部起訴したわけでありますが、その
東京佐川急便と密接なかかわりがあるこの会社の問題について、この点も視野に入れて私は徹底解明のために
調査をすべきであると思うのであります。
そして一つの事実を申し上げますと、私
どもの
調査では、この四人の農民の名で佐川が開発公社から土地を買う代金約一億円、この代金は
東京から早乙女常務がみずから運んできて、そして八代農協に振り込んで支払ったという事実も我々の
調査で明白になっているのであります。
こういうところで、私はこの佐川急便をめぐる疑惑の一つの重要な問題として山梨問題を取り上げましたが、こういったことについて、単なる農地法違反というだけではなくて、そしてまた運輸行政上の監督というだけではなくて、今の佐川急便と政界とのかかわりを含む重要な疑惑として、私は
法務省としてもこの点に重大な関心を持って
調査をしてもらう必要があると思いますが、
刑事局長、法務
大臣の考えはいかがですか。