○高崎裕子君 これは月刊誌「健康と体力」の九二年度四月号の中で、
日本体育協会の指導者育成部長が、従来のようなボランティアとして
協力を求めるのではなく、指導、活動に応じて適切な報酬が支給できるように組織的に整備し、指導者の経済的安定を図るのが今後の最重要
課題だということも
指摘されておりますし、保健体育
審議会の四十七年度の答申でも、その指導にふさわしい適切な報酬が考慮されるべきであろうと明確に述べてもいるわけですから、これはぜひ国の補助制度を確立する方向で検討していただきたいというふうに
思います。
最後に、農水省の方いらっしゃっていますね。
スポーツ関連ということで競馬の問題を最後に
お尋ねいたしますけれ
ども、現在問題となっている中央競馬会が
計画している外国産馬の出走制限緩和五カ年
計画でございます。
これは現在、外国で出走していない外国産馬が出走できる競走を九一年度の三〇%から五カ年で九六年には六五%まで緩和する、また、重賞レースについても現行の五十からサラ系重賞百八レースのうち百五レースまでふやす、ダービーなどのクラシックレースの出走も認めるという
内容です。これについては、
日本の競走馬の生産者団体である軽種馬農協はこの案が実施されれば
日本の競走馬生産は大打撃を受けるということで
計画の白紙撤回を求めているわけです。
私
ども先日、
日本の競走馬生産牧場約二千のうちの八割を占めている北海道の日高にお邪魔して軽種馬農協の方や牧場主の方から
お話を伺ってきました。
日高の浦河に荻伏牧場というところがあるんですが、ここの牧場主の方は、我々は競馬の国際化は絶対だめと言っているのではない、
日本の競馬がどう
発展していくかを考えるから反対しているのだ、こうおっしゃっていました。ここの牧場は従業員が八十三人と浦河でも最大の牧場、従業員の勤務時間は生き物相手ですから午前五時から夜の八時まで、大変な長時間労働で、人が集まらないので福利厚生施設も完備しなければと女子寮も完備しているそうです。馬が好きだからどんな
環境でも我慢せよという
時代ではもうないんだということでいろんな
努力もされています。
そして、外国産に太刀打ちするには土地改良と規模拡大、生産
環境など緊急に必要な
お金は五百億要る。これに毎年二百億程度の生産者対策が必要で、生産者の設備投資の繰り返しでプラスになることはないのだと。長い間かかって再投資、再投資で馬が強くなっていく、昭和三十年代と比べて、やっと父を国産馬に持つ馬の勝率が最近高くなってきている、長いスタンスが必要なんだということもおっしゃっていました。
まだここは大きな牧場なんですけれ
ども、日高を見ると大部分は家族だけで経営する小規模の牧場ということで、軽種馬農協の参事さんも、牧場というのは夢多く楽しい場所と思われがちだけれ
ども、現実の生活は厳しい、三K産業の
一つなんだと。後継者がいないというのが二一%、未定が四六%ということで、経営規模的に見ても、全体の五三%は繁殖牝馬十頭以下の零細牧場、繁殖牝馬を二十頭以上所有し、どうにか諸外国と並べられるのが約半数だと。経済面においても、現在日高の生産者全体で約五百億円近い負債がある。
この上、さらに外国から安価でしかも強い馬が大挙して輸入されることになれば、国際
競争力に乏しい
日本の生産地は、産駒の売れ行き不振に陥って再投資の意欲は削がれ、改良どころか生産基盤の根幹そのものを揺るがす大問題となることは明らかだと、こうおっしゃっていました。
長い間大変な苦労をしてきてここまで来たわけ
ですが、先日、天皇賞で無敗のトウカイテイオーと最強馬と言われるメジロマックイーンの対決で大いに全国の競馬ファンを沸かせました。天皇賞で優勝したメジロマックイーンもこの浦河の吉田牧場のものなんですけれ
ども、昨年春と二連覇しています。これも昭和二十九年にアラブ一頭から始めた牧場なんです。馬を始めて、水田が減反になって、四十年から軽種馬を本格的にやり始めて、五十二年にメジロファントムが初重賞をとって以来、重賞優勝は五回目、他のレースも通算十九回目というところまでこぎつけましたと本当に
関係者は喜んでいる。
私、この一月にオグリキャップに会って記念写真も撮ってきたんですけれ
ども、ここの優駿というところの牧場主さんも、本当に大打撃を受けるから何とかしてほしい、超党派でやってほしいということを強調されていました。空前のブームと言われる今日の競馬の
発展を支えてきたのは、こうした生産者の方々の御苦労があったればこそというふうに思ってきたわけです。
そこで二点伺いますが、こうした
状況を考えれば、国際化ところか現状ではまず軽種馬農家の生産基盤の強化こそが必要ではないのだろうか。そしてもう
一つは、アメリカなどから要求があるから開放するというのではなくて、生産者を守るという
立場を農水省はとるべきなわけですから、この
立場で中央競馬会を指導すべきではないかと
思います。白紙撤回を指導すべきという点でいかがでしょうか。