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国務大臣(
田名部匡省君) 今のお話のように、新政策本部において、何といっても
農政は
国民の理解を得ることが大事でありまして、そのもとに
我が国の経済社会の基盤として
農業、農村の位置づけを明確にしたい。中長期的展望に立って、食料・
農業・農村政策に関する基本課題について、論点を整理あるいは
方向づけを行いたいということで一生懸命今やっております。検討中でありますが、何といっても時代の
変化、人手不足、出生率の低下、これに対応していかなきゃならぬ
農政というのは一体何だろうかということを
考えてみますと、何といっても生産性の向上が立ちおくれておることと担い手の不足に陥っていることであります。
特に稲作等の土地利用型
農業について
考えてみますと、やっぱり
農業は他産業に比べてもうからない、苦労が多いということが
一つのブレーキになっておるんだろう、こう理解しておりまして、しかしそのためには、みずから
農民自身も
努力をしてもらわぬといかぬ部分があります。それは、経営管理能力にすぐれた人あるいは企業的経営のできる担い手を育成していかないと、今のように何をやっているのか、もうかったのか損をしたのかということがはっきりしないで事業をするという会社はないわけでありますから、企業的感覚と申し上げておるのは、そういう上に立ってやるそういう教育をしていかなきゃならぬということが一番の問題であろうと思うんです。
そこで、それぞれの地域の実態というものがありますから、それに即したやり方をしてあげませんと、全国画一的にやりましても、雪の降るところもあるし、寒いところもあれば暖かいところもある、あるいは山に囲まれたところもあれば平地もあるということで、そういうことを
考えて政策を
考えよう。あるいはいろんな経営体、というのは、規模が小さいものですから、今までも
努力してまいりましたが、三十ヘクタールぐらいの農家の
人たちに最大の
努力をしてみて相当の投資をしてみても、これはおのずから限界があります。
そこで、その一人一人の規模は小さいけれ
どもひとつ集約して、適正な規模と私は言っているんですが、余り大きくても効率が悪いようでありますから、その適正な規模をみんな寄せ合って経営体というものをつくるということにいたしませんと生産性が上がっていかない。したがって、機械の効率も非常に今ば悪いですね。二戸二戸の農家が全部一そろい自分で持つものですから、その負担というものが非常に大きくなっているということを
考えると、そういうふうに改める必要がある。生産の方はそういうことで
考えております。
したがって、投資についても、まんべんなくやることがいいのか、あるいはそういう体制を整えたところに思い切った投資をしてあげる方がいいのかということが
一つあると思います。
ですから、特にこれは卑近な例で、私の八戸市の近郊の農家、特に国道や県道に沿ったところは、いつか必ず何かにしようという
考え方があるものですから意欲が出てこないんですね。そして、自動車の中古販売店に貸したり、いろんなことに転用してまいります。ですから、投資したこともむだになっていく。そういうところと分けまして、本当に優良、超優良の農地というものをきちっと決めてあげて、そこに投資をしていったらどうかという
考え方が検討の中での
一つであります。
一方では嫁不足とかいろんなものがあります。ですから、何といっても生活環境、集落の排水でありますとか下水もしてあげなきゃいかぬ。嫁さんが来い来いと言っても、環境が悪いともうそれだけで嫌われるという面もあります。あるいは道路にしてもいろんな、都市と遜色のないような形を整えてあげる。あるいはもっと村というものをきれいな村にしてあげたい。行ってみたい、住ん
でみたいというような環境に整備していく、これが
一つ。
最後には、何といっても多様な就業の
機会を確保してあげたい。それには、今集約をしますと、たくさんの人で耕作したんではこれの採算合いませんから、適正な人数で耕作をすると余剰の労働力が出てくる。それは都会に出るんではなくて、そこで収穫した農産物で加工をする人あるいは機械を集約して、リースなのか受委託なのか、それを第三セクターがいいのか会社がいいのか、いろんな形でそういうところにもみんなが就職ができる。そうして一体となって、それが農村だということで、
農業経営だというようなそんなふうなイメージで議論をしておるわけでありますが、いずれにしても、
農業は嫌だということのない、そんなことにして若い
人たちに頑張ってもらいたいということ。
今度も
お願いしておりますが、農家に生まれたから、長男だから
農業の後を継ぐというんではなくて、意欲のある人にやっていただきたいということで今般も
お願いしておりますが、いずれにしても抜本的に、もうこのままでは
日本の
農業はどうにもならぬということで対策を立てたい、こういうふうに
考えておりますので、また
考えがまとまりましたら
先生方にお示しをして御
意見を伺いたい、こう思っております。