○
政府委員(上野博史君)
大臣がお答えを申し上げる前に、最近の十三万ヘクタールの作業の状況等につきまして、まず御説明をさせていただきたいと思います。
十三万ヘクタールの転作緩和の作業は、市町村の
段階まで完全に作業が終わっておりまして、さらに農家の
段階に
転作等目標面積の配分という形で作業を今続けているところでございます。それぞれの
地域の稲作の開始の時期、これは
北海道から南まで相当開きがございまして、農家の話し合いもそういう稲作作付開始の時期との関係もございまして区々でございます。
北海道の方はかなりいいところまでおりておりまして、大体予定の面積はこなせるんじゃないかなという感じが出ているわけでございますけれ
ども、西の方について見ればまだほんの作業は序の口というようなところでございまして、全国トータルでその辺の十三万ヘクタールというのがどれぐらい達成できるのかなということについて、数字的に今申し上げられ
るような状況ではないということをまずお断り申し上げたいと思います。
ただ、そういう農家の
段階まで踏み込んで調整作業をしておりますものですから、リアクションというのは断片的ながらわかってまいっておるわけでございまして、そういう
情報をもとに概括的に申し上げますと、従来の転作の態様といたしまして
保全管理でやってきたとか、あるいは地力増進作物を植えてきたとか、青刈り稲で対応してきたとか、こういうようなところについてはかなり話が進んでいるという事情にあるということでございますけれ
ども、他方で野菜等の転作が団地的にしっかりと行われているというようなところについては、それをどうやって転作緩和をこなしていくのかというのが農家の間でもかなり難しい問題としての議論をされている。あるいは中山間
地域のように
担い手がどうも脆弱でなかなか営農の体制がはっきりとれないというようなところにおいては問題があるというようなことが概括的に申し上げた状況でございます。
現在、そういういろいろな事情のもとにおきまして、地方公共団体、
農業団体あるいは
食糧庁の出先の
食糧事務所が一緒になって、鋭意転作の緩和の実現に向けて、
趣旨の周知徹底であるとか調整であるとかいうことをやっている
段階でございます。
今後の段取りといたしましては、農家の
段階まで一応いって、もっと稲作をつくりたいというところも一方でございましょうし、それから一方では予定どおりの面積がこなせないというような事情のところも出てまいるだろうと。そういう過不足を市町村の中で、あるいは市町村を越えて県内で、あるいは県の
段階のプラスマイナスを県間の調整で解決していくというようなことを通じまして、十三万ヘクタールをこなすように
努力をしてまいりたい。
その一つの
政策的な手だてといたしまして、
地域間調整によって転作を引き受けるところに対しては、県間の調整によるものであるのであれば十アール当たり五千円、市町村間の調整であれば三千円というような奨励金の加算というのも考えておりますし、それから
条件整備、今まで転作が
定着をしているためになかなか稲作が入りにくいというような事情があるところについては
条件整備の予算も考えて、予算
審議の中でお願いをしているという事態でございますので、そういうことを使って
努力してまいりたいというのが現在の状況でございます。
あと先ほどの話でちょっと申し上げておきたいと思いますのは、この十三万ヘクタールは、先ほど
委員の御指摘にもございましたように、米については
国内産で
自給するというふうな大方針を守っていくために、やはり安定的な在庫が
確保されることが必要だと、これは百万トン程度が要るんだというふうに、我々としては最低そのぐらいのものは要るんだという考えでございまして、これを来年の秋の時点、ことしの十月の時点というのは去年の米のあれでございますので三、四十万トンに減った状態になるだろうと思っているわけでございますが、来年の十月の時点ではことしめ稲作を緩和することによって達成をして、安定的な供給に遺憾なからしめるようにやりたい、それが第一義だということでやっているものだということでございます。