○及川一夫君 その点が必ずしも鮮明ではありませんでしたから、非常におかしいな、大体社員の肉をちぎって血を流して
サービスの方に回すような話というのは、一体
経営として本来あるべきかというむしろ疑問の方がぽっと出たんです。うそでもいいからという
言葉は必ずしも適切でないかもしらぬけれ
ども、やはり収入増を図っていくという中に合理化とか節約という
言葉が入っていく。支出増の部分と収入増の部分を、そのためにみんな決起するんだ、働くんだ、
サービスを向上させるんだというふうにしないとなかなか相償う格好に私は率直に言ってならないというふうに思ったものですから、今の
社長のお話を聞いて、迫力はともかくとして大体
理解できますよ。しかし相当の迫力入れないと、それこそ本当に静止画面になるという感じを私は持っていますので、そういったことを
指摘をしておきたいと思います。
もう
一つは、これはお互いに考えなきゃならぬことなんですが、今の形がどんどん進められていくということになると、
言葉は悪いけれ
ども値下げ競争になりますよね、どう見たって。どっちが参るかまでいくんですよ、このまま野放しで置けば。そういう料金政策を仮に政策官庁としての
郵政省がお考えになるとしたら、果たしてこれでいいのかということが必ず問われてくるというふうに私は率直に言って思います。談合はいけませんよ。公取がいるんだからそんなことはできません。
私は、公共料金という
立場で電力とかあるいはガス、水道、さらにはJR、私鉄料金、十分ではありませんけれ
どもそれなりに調べてみたんです。電力か場合には地域
独占で、全国的には九電力ということになって
会社別になっています。したがって収支も別です。したがってその地域の
状況が反映されて料金が高かったり安かったりするけれ
ども、それは本当に私は公共性というか、公益性という
意味から言える幅だと見ています。JR、私鉄料金だってそうなんです。ガス、水道だって、自治体別に集めてみたって私は微々たるものだと思っています。
思い切って、タクシー料金というのもあるけれ
どもと思って調べてみたんです。あれは地域統一料金になっています。私はかつて決算
委員会でやったことあるんだけれ
ども、
独占禁止法違反だと言ったら、公取委はいやあれは運輸省の認可料金なんですからそうなりませんというお答えだった。私は満足してないんだけれ
ども、しかしそれはさておいて、それを調べてみたんです、
基本料金を。北海道の札幌から福岡の博多まで並べてみたんです。これまた二〇%も差のあるような料金にはなってないんです。五%、六%、二%という、あっても大体そういう差であったというふうに、私が集めた資料の中ではそうなっているわけです。
そういう目から見ると、公共料金の最たるものであるにもかかわらずひとり電話料金だけが何で二〇%も差があるんだと、そんな差があったら、
サービスが同じだったら安い方に流れていくのは当たり前だろうというふうに思うんです。だから私から言えば、
NTTが何ぼ踏ん張ってみたって流れをとめることは絶対できない。どんどん流れっばなしということになる。そういう危機感があったから、多少社内では意見のあったところだろうと思うけれ
ども、そういう危機感で四十円の値下げをしたんだろう、
社長がいわばけっぱったんだろうと思います。しかしまた二十円値下げでしょう。二〇%が一〇%に縮まっただけの話です。これで何とかなるかなという思いはあるかもしらぬけれ
ども、そんなに甘くないぞというふうに僕は思っています。したがって、料金のあり方の問題として、これは
NTTが考えることじゃない。NCCが考えることじゃない。ある
意味では政策官庁が国民生活や
産業や経済に対する
影響などを考えてやらなければいけないものじゃないかと思います。
もう
一つ大臣に申し上げておきたいんだが、
NTTに料金というのがあって一体何種類あるんだと、これは
大臣御存じでしょうか、まあ御存じないでしょう。百八項目あるんです。そのうち認可料金はどのくらいだと思いますか。私の数え方が間違っていなければ八十二項目が認可なんです。非認可はわずか二十六項目です。いわば八〇%が郵政
大臣が判こをつかないと
NTTの方の料金は勝手に決められない。
これは
NTTと
関係ないんだけれ
ども、今地方をちょっと歩かせていただいているものですから聞きますと、地方自治体などでは直ちに問題になるんですよ。地方自治体ではかなりの部分コンピューター化する、そしてできれば電話回線をつないで云々というふうな話があって、財源はやっぱり税金ですからむだ遣いできない。したがってやっぱり一番目は信用がくるんです、信用という
言葉が。そうなると長年やっている
NTTがという話が出て、ある程度話がわかり合ったところで他の民間
企業にも働きかけて競争入札をさせるというやり方なんですね。
巷間言われるように、一円の契約をしたということで新聞紙上をにぎわしたことがあるでしょう。ああいう行為はよくないと思うが、いわば自由にできないというのは
NTTの場合には相当数になっているんです。今になって
大蔵省が国民の財産であるとか、
経営の主体性が見えないとか、業績がこっち向いたとかいうようなことを言っておられるけれ
ども、言ったとおりやってごらんと僕は思うんです。どちらにしても、そういうような
経営の
自主性という問題がないとなかなかもって業績をよくするということは、後ろ向きにはできても前向きにできないというような感じです。
それから、多くの評論家の評論を株の問題に関連をして見ましても、かなりの人たちが
経営の
自主性がないとか、これを本当の
意味で与えないととてもじゃないが業績はよくならぬ、要はそれをきちっとすることだという評論もまた多いんですね。そういったことを考えますと、郵政
大臣、この問題五年、六年たってきているんで、そういう
意味での
見直しというやつが私はどうしても必要だという感じがいたしているのでありますが、いかがですか。