○国務
大臣(
渡辺秀央君) 大先輩の御指導をいただいた方がどうもかえっていいのではないかと思うんですが、私は確かにソ連邦の解体という表現を使いました。
一つは、世界の現状ということをやはり我々は見ながら行政あるいはまた国民の福祉向上、
サービスを担当している
郵政省としての方向性というものを考えなきゃいかぬということが
一つございました。
もう
一つは、今
先生おっしゃられるように、やっぱり対岸の火事としないで、我々自身が絶えず革新と改革をしながら、そしてしかも
郵政三事業というのはまさに百二十年の非常にとうとい、しかもまだ厳しい歴史の中で経てきた経験を持ち、あるいは技術的にもソフト的にもノウハウを持っている、そういうものが今非常に
幾つかの問題点を課せられている、まさに要員の問題はその
一つでございますが、そういった問題点の中で、言うならば、我々として発想の転換もせにゃいかぬのではないか。
さっきの三重野
先生の御発言の中でも、あるいは
局長とのやりとりも承っておりまして、今大森
先生御
指摘された、私就任のときにこの問題は極めて重要ということで一昨日も私なりのことを申し上げて今の
先生の御発言のような方向をいたしているわけですが、それもおっしゃられるようにまさに現状分析と、ただどうするということで過去を追うのではなくて、これからの新しい
施策を考えなきゃいかぬ。
私なりに政治家として、
大臣ということは行政の最高責任者でありますけれ
ども、例えば
一つの問題点として、地方の
職員が長男としてあるいはまた地域の生活権を
確保するために両親と一緒に住んでいる。若い時にやはり都会、
東京のみならず県都、そういうところでの生活もしてみたい。それならば住宅も施設も十二分にして、そしてそういうところで三年なら三年、二年なら二年という期限を持ちながら、そしてしかも
郵便局は
大都市周辺は人手が不足である。そういうことも考えながら、何かうまいローテーションが組めないか。それには都会の住宅をきちんとしてあげなきゃいかぬよとか、あるいは若い人たちが生活するに足りる
環境を
整備しなきゃいかぬ。そういったことまで掘り下げて本格的に検討してみたらどうかという指示を人
事部長、官房長にもいたして研究材料にしてもらっているところです。
これが確かに話のことだけで終わってしまっては何にもなりませんので、ぜひいろいろ御指導いただいて、私は正直申し上げて、そのときにその
委員会に組合の指導者にも入ってもらえ、そういうことまで実は申し上げて、こちら側の基盤ができなければ組合の皆さんにいきなり来ていただいてもうまくまいりませんので、今そういった
意見も聞かなきゃいかぬということで徐々に考えているようではあります。
とにもかくにもソ連邦の問題というのは、平たく言うならば、共同所有だとか管理とか計画的な生産とか平等の配分とか、そういったことを目的とする社会というのを試みだという歴史的なことは大事なことだと、
一つの注目すべきことだと思っています。我々もかつては勉強いたしました。しかしそういうものの中で、指導者のリーダーシップであるとか、あるいは今申し上げたような想像もつかないような技術の革新とでも言いましょうか、そういう時代もきた。そして、人類共通の
一つの生存権のニーズとでも言いましょうか、そういうものが非常に高くなってきた。そういう中で
一つはソ連邦というものの内部改革が始まってきている。
おっしゃられるように、
郵政省がそれと同じたとは思いませんけれ
ども、しかしいたずらに馬齢を積み重ねていきますとそういうことになりかねない面もある。そこが非常に今我々としては緊張して、そしていろんな問題について総点検をし、あるいはまた御
意見も聞いて
一つずつやはり動かしていかなきゃいかぬ。こういう時代ではないかという考え方を持ちながら、ソ連邦が解体したというそのことを我々としてもしっかりととらまえてひとつ内部的にも考えながら、検討の材料にしながら研究を積み重ねていこうというふうに実は思ったわけでございます。
要は、いいと思ったことは実行する。やってみる。もう役所の方は、これは役人の諸君たちは絶対にマイナス点が許されないという宿命を負っています。失敗は許されないという宿命を負っています。ですから、大事に大事に物事を進めていくことは非常に大切ではあるが、こういう非常に急激な社会変革あるいはまた
環境の基本的な変貌、こういうときにはある程度のことは仕方がない。だから私は、仕事を大事にして百点満点を取るよりも、やり過ぎてマイナス点を取った場合にはその責任はむしろ指導者である、責任者である私が負おう、積極的に仕事をやれというふうに実は申し上げてきたところでございます。