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野別隆俊君 余りわかるような答弁になっていないんですが、そういう
考え程度ですから、民有林もですけれども、やっぱり国有林がああいう大赤字を出しているのです。やっぱり真剣に山をどうすればいいのか、これを
考えなきゃならぬ時期に来ていると思うんです。
私は林野庁のことしの予算を見ましたが、担い生育成費というものを出しておりますけれども、二億二千九百万円ですね。林野庁予算が厳しいことは私はわかりますけれども、二億やそこらで担い手の育成ができるものですか。とてもじゃない、このような状態ですから。育成費の
中身を見てみると、人があればその育成費は何らかに貢献していきますけれども、人がいつかない状態になっているんですから、
教育をしようとしてもその研修に行くような人も少ない、また、今行っている暇がなくなったんです、それが現実の姿なんです。ですから、予算を組まれても、これが利用できなかったと、あとに残ったりするようなことになるような予算では困るのですよ、今これだけ深刻な山の状態を見るときに。
そこで、私は次に進みますが、担い手がそういう状態であれば、これは希望を持たせて担い手を育成しなければ山を守ることはできないと思うんです。本当に深刻に
考えて各
自治体では研究されております。今私が知る中では、九州と四国の四つの町村でこの担い手対策をやっているのであります。これは
自治大臣にお尋ねをしたいと思いますが、林野庁では、今さっき申し上げましたように二億円で担い生育成、これは国全体の林業の担い手を育成する費用、育成だけじゃありません、いろいろな仕事に使う金が二億二千九百万円なんです。こういう状態ですから、私はここで何としても、立派な担い手をつくろうじゃないかとこの前も提案をしておるのでありますが、今のままで担い手というのはまず起こらないと思います、もう二百名も三百も。今の数字は〇・何ぼですから、これ以上に担い手がふえるような状態は出てこない。しかも、これから伐期に入るわけでしょう。伐期に入りますと木を切るわけです。この労働力が要る。切れば植えなきゃならぬのですから、その労働力も要るわけです。だれがするんですか。
あの大分の災害に自衛隊の人が行きましたけれども、自衛隊みずからができませんと断りましたが、また皆さんが行っても、事故こそあれ、できないんです。雲仙岳のああいう火山災害等については機能が発揮できますけれども、山は長年やった山の経験者しか山を守れないんです、今、危険ですから。それでなくても一番働いているときの死亡率、事故率の高いのは山じゃないですか、交通事故は別といたしまして。本当に産業で働いているのは消防と出なんですよ。私は数字的に申し上げてもいいんですが、そういう状態なんです。そういうところで働く
人たちに何の保障もないんですよ。かっては山がもうけて、国有林も、これは後で国有林の問題はやりますけれども、当時かなりよかったものですから、独立採算制でやりますよ、こういうことをやったんですよ。
ところが、ことしあたりはああいうふうにもう二兆五千億円にもなるわけですが、赤字を抱えなきゃならぬ。人が多いからです。二万人にしましたけれども、これ以上減らしてどうなるんですか。山を守ることはできないんですから、これからふやすことしかもうできないでしょう。それでなきゃ守れない。
そこで、機械化の問題をこの前から私は頼んだ。
大臣も合理化をやり、機械化をやりたいと。ブラジルやらアメリカやらヨーロッパあたりのような機械は
日本の山には使えないんです。北海道ではある程度使えますが、この急傾斜地に要る機械はやっぱり
日本で開発しなきゃならぬ。五町歩以下の人は機械が使えますか。農業と一緒ですよ。一町歩の百姓が機械を買うた。機械の借金を払うために働いている。借金はどんどん膨れている。できないんです。
だから、後継者対策というのは、これから民間の後継者をどうするか、これを真剣に
考えなきゃならぬ時期に来ているんです。だから、今四つの町村、宮崎県の諸塚村、熊本県の小国町、愛媛県の久万町、高知県の嶺北町、こういうところの町村長はもう必死になって研究していろいろやってみたが、山をこれから合理的に、経済的に守る方法は何かといえば、もうこれしかないというので、諸塚あたりは第三セクター方式というのを出したんです。山で飯を食っているわけですから、もうこれしかない、これが一番いい、こういうことで山にそういう後継者対策をやったんです。
どういうふうにしたかというと、この前も申し上げましたが、諸塚の場合は役場職員並み、役場と同じような待遇をしてやろう。役場か農協が
地方では
一つのベースになるんですから、やっぱりこういうものを
一つのベースにしてそういう第三セクター的なものをぴしゃっと規約から規則からつくって、後継者が居つける体制をつくってやるのが国や
市町村、
自治体の責任ではないかと私は思うんです。それをやらない限り、山を守る戦士をこれからつくることはできないと思うんです。ちょっと居ついても、仮に今二百名の人が山に一回入ります。しかし、ほとんどがまた出ていくのですよ。高齢者だけが残っているからこういうふうに減っていっているんです。
これについて、そういう方法を
考えていく以外にはもうないんじゃないかと私は思います。ほかの方法、いろいろ我々も県議会時代から研究をしてきましたが、まあ今は見本になるのが四つぐらい
日本にできていますから、こういうものを
一つの見本にして積極的に国、県が音頭をとって
自治体で
推進をしていくべきではないか。こういう方法ならやれますよ。しかし、それには国が一定の裏づけをしていかなければ
市町村財政ではやれないのです。わずか一〇%台の自主
財源の中でこの方式をやっているんです。一年に五名ずつ入れて五十名にしますよと。今、諸塚の場合は二年、今度は十五名になるんです。これを五十名入れる。大変なことであります。国からは何らの支えもないのです。さっき申し上げましたが、牛肉の自由化した後を支えるのに何千億という金が出ているじゃありませんか。牛乳でも。これはいいことですから、山に何かそういうものを出してやれませんか。交付税だって、県には出してあるかもしれませんが、
市町村には一銭たりとも出していないじゃないですか。
これは林野庁に言っても、今の林野予算だけでは、私は後でやりますが、とてもじゃないが再建するのにもうどうにもならぬ状態に来ているんです。林野庁は恐らく今
自分のところの再建計画のことでもう目いっぱい。これはやっぱり
自治省が真剣に
考えて、
ふるさと創生を見てくださいよ、さっきも出ましたが。三千三百町村に三千三百億円出ている。二百人のところも一億円出ているんですよ。百万人のところも一億円。しかし、これは町村でいろいろ勉強して、アイデアを生かしていろいろ工夫して創生じよう、ふるさとを何とかしようという
事業で、ある面では成功しました。しかし、中には
事業で金塊を買うておいたというようなところもあるわけでありまして、今後はこれをずっと続けるかということについても
検討はしなきゃならぬと思うんです。私はやめよとは言いませんが、一定度これも
調整は必要ではないかと。これは、今後一律を余り続けますと、
市町村から問題が出てくることになります。五百人の
市町村でも百万人のところでも同じなのか、これはおかしいんじゃないかという声が出てくるようになるかもしれません。
そういうことを
考えると、そういう
事業でつくった何とか会館、まあ福祉
関係はいいですよ、必要ですから、利用もありますから。しかし、農山村では、つくってありますが利用が余りないというのが相当ふえている。なぜか。後継者がいないからです。昔は、青年が集まって公民館でしょっちゅう話し合いをしたり村おこしをする話をしてきました。今はそれをする人がいなくなったんです。だから、がらんどうになっている。
今大事なことは、
ふるさと創生と言うならば、人を居つかせてそこに活気を取り戻す、産業を興す、産業を成り立たせる、そのためには
自治省もてこ入れをしてやる、これがなけりゃならぬのです。いいかげんな計画のところに私は出せとは申し上げません。これならいいな、これなら必ずここに後継者が定着するな、こういう信頼性があるものを、それはある程度枠をつくって、こういう範囲でなければ出しませんよということで後継者づくりを責任を持って
自治体と国が一体になってやるべきではないか、こういう気がいたすわけであります。ぜひひとつ、この交付税等で救済する
考えはないか、この点について
自治大臣にひとつお願いをしたいと思います。