○本岡昭次君 きのうからきょうにかけてこの
金融制度改革の
議論をする中で、今日の景気の低迷ということが絶えずセットになってこの時期にこうした戦後最大と言われる
改革をやることが可能なめか、あるいはまたそういう適切な時期なのかという
議論があるわけですね。
そこで、景気対策のためにいろんな話が出ているわけであります。金丸副総裁が、七兆から八兆の補正予算を組まなければならぬとか、また河本元
国務大臣が、いや十兆円の補正予算を組む必要があるとか、いろんなそういう秋の補正予算に対する金額というようなものも出てきております。金丸さんの場合は何かアメリカとそういう約束をされているんじゃないかというふうなことで、私は一体これはどういうことなのかと疑問を持ちます。
しかしながら、私もずっと現場を歩いて、特に
中小零細企業の皆さんの、今日の景気が下降しているという
状況が一体どういうふうな実態にあるのかをつぶさに見ております。大変です、何とかしてくれという悲鳴に近い声をたくさん聞かされます。そして、日銀総裁に対する恨み君もその中で出てくるわけであります。景気がなかなか上昇していかないという
状況の中で、三月に緊急経済対策を打ち出しましたけれ
ども、さらにもう一度秋に大型な補正予算含みの緊急経済対策が打ち出されるんではないか、あるいは打ち出してほしいという強い期待というものが特に
中小零細企業の中にあるわけで、私もその中身が問題であろうと思いますけれ
ども、このままではいけないんじゃないかということを感じております。
それで、総理は今から秋の補正予算云々もここで明確におっしゃるわけにはいかぬと思いますが、しかしそういうことがどんどんと
議論になって、下でかなり期待を持っている
状況で、
一定のお
考え方を示されてもおかしぐない時期であろうと、こう私は思います。それで、そうした景気を立て直していくための、浮上させていくための秋の大型補正予算というようなものをどういうふうに、必要であるというのか必要でないというのかというところからあると思います。一体それをどう考えておられるのかということです。
もう
一つは今までも景気が上昇したり下降したりいろんな局面があったわけですが、過去、景気が下降してそれを上昇局面に持っていくための緊急経済対策を打ち出したときに、
所得税減税というものがいつもあったと思うんです。一兆円
規模とかいうふうなものがあって、そしてそれが景気を浮揚させるということにかなり役立ったというふうに私は見ているわけですが、春にはそれがありませんでした。秋に恐らくそうしたものが出てくるんではないかという期待をしているんですが、金丸さんの発言によると、何ぼ減税してやったってみんな貯金に囲みだけで、そんなもの景気の浮揚にもならへんと。こういうまるで冷たい話が出てくるわけです。それで、私はみんなに、おい、減税があったらみんな貯金するも言うと、いや、そうやない、それは使うと皆はこう言っています、一般の者は。どうもそういう
議論が、金丸さんで何も日本の国が動いているとは思いませんし、金丸さんで日本の内閣が左右されるとは思いませんけれ
ども、何か知らぬけれ
ども大変
影響力の強い方で、あの人が言うとわいわいがやがやと下の方がざわめくわけであります。
それで、
所得税減税という問題に対する期待も一方これはサラリーマンあたりに非常に強いんですよね。それを、何ぼ減税しても貯金に回ってしまうんやから無意味だというようなことで一刀両断切り捨てていくようなやり方がいいのか。私は
所得税減税というものをやってそして景気の浮揚を図るべきだと、こう思います。
大蔵省の試算によっても、一兆円の減税をやればそれが三年間にわたって名目GNPをその一兆円の一・五倍、合計すると一兆五千億引き上げるという試算。そこから出てくる税金はもちろん一兆円に引き合うものではありませんけれ
ども、少なくともそうしたGNPを引き上げていくことに貢献するということを
大蔵省みずからも資料で出しておるのでありますから、そうした意味で秋の補正予算をいずれ組まなければならないんですが、そのときには景気対策としての手だてと、それから景気浮揚に必ず役立つであろう大型な
所得税減税、こうした問題を念頭に置いているという、アナウンスというんですか、そういう効果というふうなものを一方に出さなければ、否定的なことばかりがずっと今多くて、そしてみんなお先真っ暗だお先真っ暗だという形で心理的に冷え込んでいるという
現状があるんですよね。私たちはそういう一般の庶民なりあるいはまた
中小零細企業の人たちと日常絶えず接触しておりますから、敏感にそうしたものを感じ取っております。
総理としてひとつお考えを聞かしておいていただきたいと思います。