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国務大臣(羽田孜君)
総理からでございましょうけれ
ども。確かに景況の
判断については、常に直近といいますか、現状というものをきちんと把握するということが非常に重要であろうというふうに思っております。そういう
意味で、私
どもといたしましても、各財務局あるいは日銀等の機関等も通じたり、あるときには通産省の機関等を通じまして、刻々のその動きというものをやっぱり把握しながら
対応していかなければいけないだろうということ、私
どもよくこれから注意していかなければいけないというふうに存じております。
ただ、景況の
判断について多少の、何というのですかばらつきというのが、最近では割合と早く回復するであろうという声も実は出てきておるということがあります。と申しますのは、このところ住宅なんかが割合と回復基調にあるということ、また、鉄鋼の一部等については多少不足ぎみになってきて、生産が今動きつつおるというようなこと、あるいは今まで生産を減をしましてもまだ在庫がたまっていく、というのは要するに需要が少なかったということでありますけれ
ども、これが割合と真っ当に動き出したというようなこと、こういった中から、私
どもはそういったものを
感じ取ることができるというふうに思っております。
ただ問題は、追加ということだけを、今御指摘のありましたことを私たち念頭に置かなきゃいけないわけでありますけれ
ども、まだ先に何かがあるんじゃないのかなということを
考えますとなかなか動かないという問題があろうと思っております。ですから、そういった点を注意しながら現状というものをよく把握して、そして的確に
対応していくということが重要であろうと思っております。
それともう一点は、今度の
不況というのが、マインドということをよく言われますけれ
ども、それだけではなくて、相当多くの設備投資というのが二年三年と続いたということでございまして、そのストックの
調整があるということ。それから、どちらかというと今までの
日本のあれは薄利多売的なものできたわけでありますけれ
ども、
経済界の皆さん方もやっぱりこれはまずいなということを
考え出されてきておるということで、これからの設備投資は増産あるいは生産の効率というだけではなくて、むしろ時間短縮ですとか、そのための省力化の設備投資ということでありますから、多少
不況感というものがあるときにはなかなかそういったものに手が出せないなということで、例えば公定歩合を下げましてもなかなかマネーサプライがふえてこないというところはそんなところに原因があるのかなというふうに
考えます。
私
どもは、これでもし下手なことをやってまたインフしみたいなのを起こしてはこれはまずいですし、小さなバブルでもまた起こすということは危険なことであろう。そのあたりも十分注意しながら
対応していきたい。しかし、今御指摘がございましたように、本当に現状どうなのかということを、刻一刻の移り変わりというものを私たちも十分正確に把握するようにこれからも努め、そして適切に
対応していきたいということを申し上げたいと存じます。