○
赤桐操君 わかりました。最近の
状況はわかりましたが、
大臣、今までのやつを調べますと、大型のものになるほど大きくなりますが、大体半分ぐらいがいわゆる関連公共施設あるいはまた用地です。そして、本当の純然たる宅地の
割合というものは大体約半分、五〇%ないし五二、三%ぐらい、こういうことになっております。これは今までの私の手元で調べておる
内容です。しかし最近の、元年の
状況は報告されたとおりでありますから、そのとおりだとすればかなり改善はされていると思いますが、事実は今までの経過はそういう経過になっておる。
これは
我が国だけの特有の
言葉なんですね、受益者負担という
言葉があるのです。これは外国へ行って話してもわからない。この受益者負担という
言葉の中で全部宅地原価にこれが編入されて販売されている。こういう形になっておる。これが今、公共あるいはまた一戸建て
民間自力建設を含めて共通して言えることだと思うんです。こういう
状況だと思うんです。
そこで問題は、この原価
計算はもちろん用地費が入っておるし造成費が入っておるし、さらにまた全体の
金利も全部入っておるわけでしょう。だから半分は大体公共負担分なんです。国あるいは自治体が本来は私は負担すべきものだと思うんですね。ということは、造成が全部完了してしばらくたつと、一切の道路とか公園とかそうした公共用地に属するもの、公共施設は大体市町村に採納されますね。言ってみれば、入居者が全部それらをつくって寄贈することになるんです。それが今のシステムでしょう。そういう
状況で自治体に採納されていく。これは本来私はあり方としておかしいのではないかと思うんです。自治体が管理をし、自治体がこれを維持していくという、そういう性質のものです。すなわち公共的なものなんです。そのために、ここに入っている人
たち、あるいはこれから将来ここで生活する人
たちは税を払っているわけです。
これは大変私は矛盾していると思って、実は外国の
状況を一遍調べてみたことがある。私、二回同じ国へ行って、しかも一カ国だけではどうもうまくないので二、三カ国歩きました。そこで、ヨーロッパで共通して言えることを
一つ申し上げてみたいと思うんです。
これ、私、お会いした相手方がやっぱり問題でしょうから、西独の場合には建設次官及び
住宅局長、関連
関係局長と言っておりましたね、五人ぐらいで私に約二時間おつき合いしてくれました。それからフランスにおきましては、これは皆さん夏休みのときでありましたので休んでおりましたが、出てきてくれたのがフランスの
住宅局長。これも大体三時間ぐらい私につき合って現場まで行ってくれました。実はこういう例がございます。その前に行ったときも私は同じところを見ております。
それで、西独の場合とフランスの場合とを見たわけでありますが、言えることは、関連公共のこうしたものについてあなたの国ではどういうふうにやっているか、私がこういう
質問をした。日本では受益者負担という
部分でこれは全部入居者が負担することになっておるが、おたくではどういうふうになっていますかと、こう
質問したら、受益者負担とは何だと、こういうことになるんですね。この
説明をするのに何と三十分くらいがかった。わからないんです、相手方は、私が幾ら
説明しても。通訳は大使館から行った専門の通訳ですからいいかげんな通訳をしたわけじゃないと私は思う。それが首をひねってなかなか通じないんです。受益者とは何だと、それは向こうの人の頭ではわからないと言うんですね。
これが最終的にわかった結論は、それは税を二重に払うことになりはしないか、それはおかしいということで、これはドイツにおいてもフランスにおいても即座に一蹴されていますね、この話は。そういう実は
考え方でこの問題は外国では処理されているんです。これはおわかりになると思うんです。要するに、道路とか公園とかそういうものはもともとこれは社会的に国なり州
政府なり自治体が負担をしていくべきものなんだ、公共的なものなんだ、そのために
国民から税を取っているんだ、その税で賄われるべきものなんじゃないのかということが私は一貫していると思うんです。これはドイツだけではなくてフランスもそうです。
それから、私はさらにいろいろ
金利の問題についても調べてみたんですが、
金利は大体ヨーロッパは一ないし三%です。これは変わっておりません。日本の場合においては六ないし八%ぐらいいっているじゃないですか。六%というのは公団が使っている
金利でしょう。公団も用地部が使う場合においては七%前後のものを使っておるように思いますがね。それで、それが
住宅の建設舞台に移されるときに初めて
財投の金が使われるというように聞いております。これは建設省の方がよくわかっていると思いますけれ
ども、そういうことで私は認識しておる。
時間がありませんから続けますが、ということで、
金利は一ないし三%。日本の場合は六ないし八%となると、これは倍ですよ、日本は。一時は三倍ぐらいの
金利を使っておった。そういう実は日本におけるところの場合とヨーロッパにおける場合との差があるんです。
それから、先ほど
大臣は一戸建て
住宅の方に日本の場合は志向している、余り長屋住まいとかそういうのは好きじゃないと。それはそうかもしれないと思いますけれ
ども、話は余談になりますが、私はやっぱりこういったヨーロッパの場合における
住宅というのは社会的に保障するんだという
考え方があると思うんです。
日本の場合には、
政府は、いつの間にか一戸建て
住宅は夢のマイホームだと、こう言って大変宣伝もされるし、ディベロッパーもいろいろとそれに乗ってやっている。一戸建て
住宅に志向した。ところが、公共
住宅や
貸し家の家賃が高いんですよ。高いから、もう少し足せば一戸建て
住宅が買えると思うから、二時間かかっても二時間半かかっても通いますと、それを代償にして。だから、私は問題は、やっぱり低廉な家賃をつくり出して、二〇%くらいのところへまで六ないし七%の現在の公共
住宅を持ってくる、そして十分に低所得層の者、普通の中所得層の者、あるいは若い人
たちが争って家を建てるなんということを
考えないで、もう安心して職場の仕事に全力を注げるという体制をつくらなくては本来のあり方では私はないと思うんですよ、
住宅政策として。
同時にまた、社宅というのが一時盛んに大分言われた。これもむだな話じゃないですか。それだけの金があるならば本来の
設備投資に使ったらいかがですか。資本の回転に使うべきじゃないですか、
企業は。むしろ、
住宅とかそういうものは社会的に保障されるという
考え方に立つならば、国や自治体がそれは面倒を見るべきものじゃないんですかね。私は、これは日本の場合においては商品として扱われている、金もうけの材料なんだ。ヨーロッパの場合においては、これは社会的に保障されるべきものだと
考えられている。こういうふうに基本的に理念の差があると思うんですよ。
この点は、私もかつて、大分前の話になりますが、村山さんが大蔵
大臣のときに
予算委員会で大分村山さんとやり合ったことがある。それで、おかしいじゃないかということで、私のところの千葉県の村上団地という公団がつくっていた団地ができ上がってきておりまして、そこの団地の原価
計算まで大体、私がいろいろもらいまして、余り内部的に明らかにできないものもあったようでありますから、そこまでは私も問いませんでしたが、大体のはわかりますよ、そういうことは。それで原価
計算から話し合っていろいろやったんです。その結果、わかったということになりまして、五十三年以降関連公共費と称するものがついたと思います。あれは最初三百億だった。私は、たった三百億かと言ったら、いや、最初の項目でございますからこの
程度から始まりまして年々三百億ずつ積み重ねていくことになりますと、こういう答えを私は建設省からもらって、ああそうかということで引っ込んだ覚えがあるのでありますが、ようやくその辺からこうしたものに対しての
考え方が具体的に
予算化されるようになったんです。今千二百億あるんでしょう。もう少しいっているかもしれない。中曽根さんが総理のときに、あの人頭打ちに全部切っちゃった。それは、今そのまま来ていれば恐らく三千億ぐらいに来ているんじゃないですかね。私はそう思うんです。
そういうようなことで、話は横道にそれましたが、要するに
金利だって、これは全然もうけた違いなんですよ。こういう
考え方が出るというのは、私は社会的に保障しなきゃならないという
考えがあるから出ると思うんです。西ドイツの建設次官は私にこう言った。あなたのところでは
金利は何%で出していますか、こう聞いたら、いや私のところでは
政府から出す金はノイエハイマートに対しては金は出しておりません、
金利はつけておりません、こう言っておりました。それで、あとは
銀行から借りた金とプールにすれば平均して一・三%ぐらいのところにいくでしょう、こういう言い方でありました。現場へ行って聞いてみたら、やっぱり同じだった。間違いないです。そういう実は大変な差があるんです、
一つここに。
日本の場合においても、生活大国にするんだということで新五カ年計画をお立てになるというんならば、この辺のところから
住宅政策の基本を起こしてはいかがかと思うんです、私はいかがでしょうかね、
大臣。そこまでで一遍
大臣のお
考えを伺っておきたいと思います。あとま
たちょっと続けますが、ひとつお
考えを伺っておきたいと思います。