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政府委員(
松野允彦君) 現在の
株式市場の低迷につきましては、御
指摘のありましたように、昨年の一連の問題を通じまして
証券市場に対する
投資家の信頼が損われ、それがまた回復を見ていないという非常に大きな問題がございます。その点につきましては、私
どもも監視機構あるいは透明性の向上等について所要の法改正を含めた措置を検討し、またお願いをしたいと思っているわけでございますが、御
指摘の先物市場の問題でございます。
これにつきましても、確かに御
指摘のように、先物市場が現物市場に比べまして非常に市場規模のバランスが崩れているわけでございます。これの最大の原因は、現物の
株式市場の
取引高が非常に小さくなってきているということが挙げられるわけでございますが、他方、先物市場がかなり売買高も多くて堅調に推移しているということもあるわけでございます。そういう先物市場というものについてどうかということでございますが、これは確かに投機というようなものが行われることも否定できないわけでございますけれ
ども、他方ではやはりヘッジ機能というものもあるわけでございまして、諸外国の市場を見ましても、先物市場というものがやはりそれなりの機能を果たしているわけでございます。
そういったことにかんがみまして
我が国にも先物市場を導入したわけでございますが、現在の
状況は、今申し上げましたように現物の
株式市場が非常に低調に推移しているという中で、先物市場の規模が非常にアンバランス、バランスが崩れて大きいというような
状況になっておりまして、それが、先物市場におけるいろいろな投機的な
動きなどが現物の
株式市場に影響を与えるのではないかというような心理的な影響、あるいは
個人投資家が先物市場に十分参加できないというような点での
個人投資家のいわゆる疎外感といいますか、さらには現物、先物両市場を利用して行われますいわゆる裁定
取引というようなものも行われておりまして、そういったいろいろなものが現物市場に影響を与えているということは私
ども十分認識をしているわけでございます。
一番望ましいのは、やはりむしろ現物の
株式市場が
投資家の信頼を回復して活性化され、
取引高がふえて先物市場とのバランスが回復するというのが一番望ましい姿でございますが、当面はなかなかそういうことを短期的に
達成するわけにはいかないわけでございまして、したがいまして、現在私
どもがとっておりますのは、先物市場につきましてその規模をやや抑制するということによって現物市場とのバランスを回復しようということを行っているわけでございます。
具体的に申し上げますと、
一つは先物市場において先物
取引をする場合に必要になります証拠金を引き上げる、あるいは先物市場において行われております
取引についてできるだけその内容を公表いたしまして、先物市場におけるいろいろな
行為が公表されることによって牽制効果をねらうというディスクロージャーの充実というような措置をとってまいっております。そういったこともございまして、最近は先物市場の規模そのものもやや抑制されてきているわけでございますけれ
ども、繰り返しになりますが、現物市場の出来高が余りにも少ないものですから、なかなかそのバランスを回復しないような
状況が続いております。
なお、先物市場につきましては、さらに加えまして先物市場そのものの市場の
あり方の問題、あるいはさらにそこで
取引をされております商品、具体的には日経二二五平均の指数でございますけれ
ども、この問題についても
指摘がなされておりまして、そういった問題につきまして、現在先物市場は主として大阪
証券取引所で行われておりますので、大阪
証券取引所とそれから現物市場の
中心市場であります東京
証券取引所、それに私
どもを含めて、先物市場の
あり方について
議論をしているわけでございまして、その中でいろいろな改善策を講じてまいりたいというふうに思っております。