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井上計君 かなり
法案の内容についてはそれぞれ同僚議員から詳細な
質疑が行われております。非常に時宜に適した
法案でありますし、また一日も早い
実施が
期待されるわけでありますから、もう具体的な質問は省略します。特に、
大臣は何か後、外交日程があるようでありますから、早く採決をして、
大臣に御退出いただく方がよかろうとこう思いますから、協力する
意味でそういたします。
それで、先ほど来いろんな質問の中で感じましたことを申し上げて、後、
大臣、
中小企業庁長官から御所見を伺って、さらに一層その
促進をしていただきたいことを冒頭お願いをして、一、二、申し上げます。
午前の
吉田委員の質問でお見えでありますが、運輸省の土坂総
務審議官、いろいろと御説明をいただきました。
私自身が、零細な運送業者でありますけれ
ども、二十年ほど前から顧問としていろんな面倒を見ておりまして、現地で、現場でいろんな問題をある程度承知しておるんです。その
立場から申し上げますと、一つは、この今回の
法律によって
効率化計画が認定された場合、一つのグループができますと、率直に言って、大手企業にプラスすることがあっても、今、古川議員がちょっと言われましたけれ
ども、従来その個々の
問屋さんに出入りしている零細な運送業者は逆にマイナスになるおそれがあるんではなかろうか、この不安が一つあるわけですね。したがって、このような高度化
事業がグループによってできた場合、やはりそういうふうなことのないように、ぜひ今後の
指導面を運輸省も一緒になって十分お
考えをいただかなくちゃいかぬ、こう思います。
それから、その
効率化計画の認定を受けた場合には、
法案にありますけれ
ども、
貨物運送取扱
事業法の特例は受けるけれ
ども、
貨物自動車運送
事業法の特例は事実上ないわけですね。やはり、総
務審議官からけさほど御答弁がありましたけれ
ども、事実上の新免でトラック運送
事業としての認可を受けなくちゃいかぬ、許可を受けなくちゃいけない。ところが、これは地域によっては、一番小さなところで今トラックが五台ですか、大きな都市では二十台というふうな規模がなければ事実上その条件に合致しないわけですから、その協同組合がトラック運送
事業まで乗り出すことはいろんな面でやはり事実上不可能だと。だから、既存の運送業者と契約、提携すお以外に方法はないということになってくると思います。そうすると、一番有利なのは大手、特に路線業者ではなかろうかなという疑念があるんですね。もう御答弁要れ
ません。けれ
ども、それらの面にも十分御配慮いただきまして、せっかくの
中小企業に対する
効率化の
法案でありますから、それにぜひひとつ御配慮をいただきたい、こういう
要望が一点です。
それからいま一つは、これも先ほど広中議員や市川議員からも御質問がありましたジャスト・イン・タイムの問題です。私も、いろんな実情
調査をしました。それで感じますことは、
消費者の
要望が余りにも強過ぎておる。
消費者ニーズに対応するということで、百貨店あるいは大型スーパー、その他の
小売商が過剰に
消費者に対応し過ぎておることがいろんな問題を出しておると思うんです。
東京湾のあのごみの埋立地を私二回ばかり視察に行ったことがありますけれ
ども、驚くことは、
産業廃棄物として毎日約四トン積みトラック八百台だそうですけれ
ども、捨てに来ておる中の作業で一番多いのは、百貨店だとかスーパーなんかの売れ残りの食料品です。弁当の折り詰めそのまま、あるいはお総菜、そういうふうなものが大体毎日四トン積みトラックで約八百台ぐらい来るというんですね。全くむだな話です。
なぜそういうことになっておるのかということを調べますと、いろんな売り場で出入りの納入業者に売り切れにならぬように余分なものを納めさせておるというなにがあるんですね。それは、
消費者がいつ行っても買えるんだと、だから売り切れにならぬようにという
消費者のニーズ、
消費者の
要望に過剰にこたえ過ぎておるというのがやっぱり一つの理由だと思うんですね。それからいま一つ。これは製パンメーカーから聞いた話でありますが、スーパー等から一日三回の配達を要求されると。それは、朝まず開店前に配達をする、そうしてお昼前に配達に行く、それで朝配達したもの、売れ残っているパンを引き取ってくる、それから夕方また四時ごろ配達に行って、また昼間納入したものを引き取ってくる。引き取ったパンをどうしているんだと聞くと、ほとんどが廃棄、焼却をしておると言うんですね。そんな見えないむだがいっぱいあるわけです。
それは同時にいろんな問題を醸し出しておる。これは、排ガスによる大気汚染もあるでしょう、あるいは物資のむだ、それから同時に交通渋滞、
物流の非能率化、いろんな問題全部に
関係しているわけですが、私は、
消費者ニーズ、
消費者の
要望というものを――もちろんある程度聞かなくちゃいけませんけれ
ども、この際、
通産省が中心になってそういう面についての啓蒙といいますか、是正といいますか、ぜひやっていかないと、あらゆる問題がますます深刻になってくると大きな問題になってくるんではなかろうか。だから、今、
産業廃棄物の問題、ごみ処理の問題、大気汚染の問題、あるいは地球保全の問題、自然保護の問題、いろんな問題に全部影響があるわけですから、これぜひひとつ
大臣、
通産省が中心になってそういう面についての啓蒙もおやりいただきたいということを、かねがね思っておりますが、きょう特にまたこの
法案審議の中で強く感じましたので、ぜひともその点をひとつお願いいたしたい、これを一つ
要望として申し上げまして、まあ今の最後の点については省略いたしますけれ
ども、
大臣、
中小企業庁長官あるいは運輸省の総
務審議官からもお答えいただければお答えをいただいて、私の質問は以上で終わります。