○成瀬守重君 朝早くから
宮澤総理、
渡辺外務大臣、また
防衛庁長官、
官房長官、社会党案の提出者の皆さん方も大変お疲れのことと思いますが、しかしこの
法案の
審議を通して国民の皆さん方に対して、この国にとって大変重要な
国際貢献を主眼とした
PKO法案の真実の姿が究明され、また伝えられるわけですから、しばらく御容赦をいただきたいと思います。
先般、五月八日のこの
委員会の会議が終わりましてから、私、
議員会館の私の部屋に帰りましたところ、つい今さっき
政府の
PKO法案に反対の
人たちが部屋を訪れて帰っていったという報告を受けたのであります。その
人たちは私の秘書に、あなたのところの
議員は自民党だろう、もし
PKO法案が通ったらあなたのところの
議員に真っ先に紛争の場に行ってもらう、また秘書のあなたたちも体ががっちりしているから戦場にやられて戦死するぞと、そういった
意味のことを秘書に伝えて、そうして別の人がその話し合っている姿を写真に撮って帰っていったそうであります。
私はこの報告を聞きまして、平和を願う心情においては私も全く強いものを持っているわけですが、しかしながら
法案に反対するこういったデマゴギーだと思って、
法案の内容を十分に検討したり理解することもせず、説明をしても頭から受けつけようともしないで問答無用だと、
自衛隊を海外に送るなといったような人々がまだ一部ではあるけれ
どもいらっしゃるんだということを、まことに残念に感じた次第でございます。
国民の多数の方々は、かつては到底考えられなかったようなベルリンの壁の崩壊だとかドイツの再統一、
ソ連邦の解体、東ヨーロッパ諸国の民主化、湾岸
戦争など、
世界がかつてないほどの激動の渦の中に巻き込まれていることを肌身に感じて、ただ
自分の心情やイデオロギーの中に閉じこもって
世界の動きや変貌する国々の姿に目を閉じている、そういったあり方だけでは到底
日本の国が今後やっていかれない、何としても国際
協力、
国際貢献、その道がどんなにつらかろうと苦しかろうとも、そういったものを抜きにしては
日本の進む道はないということを理解されてきたのであります。
しかしながら、一方においては、先ほど申し上げたような
政府から提出されました
PKO法案に対して問答無用で反対する方々もあるわけですが、
政府もこういった事柄に対してもっともっと国民の皆さん方にPRの努力をしていただきたい。私もきょうは、極めて基礎的なことではございますが、
総理、また
外務大臣、
防衛庁長官にお伺いしてまいりたいと思います。
四月十八、十九日に読売
新聞が国民の意識調査をいたしましたが、その中で、もう既に
総理や
外務大臣も御存じと思いますが、PKOに今後
日本が積極的に人を
派遣しなかった場合、
日本人は
世界の平和のために汗をかこうとしないとの印象を与えるかという質問に対して、六九%が「そう思う」と答えたと報じております。
また、PKOへの
自衛隊派遣に対して、一切
派遣すべきではないとの反対が二四%ですが、これに対して、
自衛隊派遣に賛成するというような方々が六八%に達したということであります。
また、PKOへの
自衛隊派遣に対して、国際平和を願う憲法の精神に合致しているので問題はないと答えた人は四五%あったということでございます。これに対して、海外での活動に
自衛隊を
派遣することは憲法の精神に反するので問題だとする
意見が四一%。憲法に合致するが、わずかではございますが上回ったというのが国民の方々の意識でございます。
また、国際連合の役割に対しては、米ソの
冷戦構造の崩壊に伴い今後
国連の役割が大きくなると思うかどうかと質問したのに対して、「そう思う」という国民の認識が七六%、「そうは思わない」と答えた方が一四%と、大きく国民の国際問題に対する理解が上回っているのであります。湾岸
戦争の危機やイラクに対する各種の制裁決議が
国連で採択されて、これに基づいて
アメリカや多国籍軍がフセイン
政権の無道を敗北に追い込んだということが強く
影響していると思うのであります。
また、先ほどいろいろな
議論がございましたが、
カンボジアヘの
協力に対しましては、昨年十月パリ合意を受けてUNTACが発足し、明石
国連事務総長特別代表を中心にPKOが大規模に展開されておりますが、
日本にも非公式ながらさまざまな
協力を要請しております。そこで、
日本がこうした
協力に応じるべきかという質問に対しては、積極的にまたある程度とを合わせて
協力すべきだが八八%に上り、大多数の国民が
カンボジアでのPKO活動に
日本が
協力すべきだと考えていることが明らかになったのであります。
協力すべきだと言う人の年代別に回答者を見ますと、二十歳代が最も多くて九三%、以下年齢が上がるにつれて
協力すべきだと考える人が減っているということでございます。
ただいま申し上げました読売
新聞のPKOに関する国民の意識調査は
総理や
外務大臣も既に御存じと思いますが、どのような御感想をお持ちになっているか、伺いたいと思います。