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1992-03-04 第123回国会 参議院 国会等の移転に関する特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
四年三月四日(水曜日) 午前十一時開会 ――
―――――――――――
委員
の
異動
二月二十八日 辞任
補欠選任
矢原 秀男君
中川
嘉美
君 ――
―――――――――――
出席者
は左のとおり。
委員長
井上
孝君 理 事 柳川
覺治
君
稲村
稔夫
君
中川
嘉美
君 橋本 敦君 磯村 修君 足立 良平君 委 員
片山虎之助
君 野沢 太三君 小川 仁一君
政府委員
国土庁大都市圏
整備局長
西谷 剛君
参考人
帝京技術科学大
学学長
八十島義之助
君 ――
―――――――――――
本日の会議に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
参考人
の
出席要求
に関する件 ○
国会等
の
移転
に関する
調査
(
首都機能移転
問題に関する
懇談会中間とり
ま とめに関する件) ――
―――――――――――
井上孝
1
○
委員長
(
井上孝
君) ただいまから
国会等
の
移転
に関する
特別委員会
を開会いたします。 まず、
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が一名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
井上孝
2
○
委員長
(
井上孝
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
中川嘉美
君を指名いたします。 ――
―――――――――――
井上孝
3
○
委員長
(
井上孝
君) 次に、
参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
国会等
の
移転
に関する
調査
のため、本日、
参考人
として
帝京技術科学大学学長八十島義之助
君の
出席
を求め、その
意見
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
井上孝
4
○
委員長
(
井上孝
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ――
―――――――――――
井上孝
5
○
委員長
(
井上孝
君)
国会等
の
移転
に関する
調査
を議題とし、「
首都機能移転
問題に関する
懇談会中間とりまとめ
」について
参考人
から御
意見
を承ることといたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
八十島参考人
には、御多忙のところ御
出席
をいただきまして、まことにありがとうございました。 本日は、「
首都機能移転
問題に関する
懇談会中間とりまとめ
」につきまして忌憚のない御
意見
を拝聴し、今後の
調査
の
参考
にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 本日の議事の進め方でございますが、まず
参考人
から三十分程度御
意見
をお述べいただき、その後、各
委員
の
質疑
にお答え願いたいと存じます。 それでは、
八十島参考人
にお願いいたします。
八十島参考人
。
八十島義之助
6
○
参考人
(
八十島義之助
君) ただいま御紹介いただきました
八十島
でございます。 本日は、貴重なお時間をおかりしまして話をお聞きいただきまして大変ありがとうございます。 まず、本日お手元にあります
資料
について御
説明
申し上げます。
資料
1は「「
首都機能移転
問題に関する
懇談会中間とりまとめ
」について」とありますが、その概要でございます。それから、
資料
2の冊子は「
首都機能移転
問題に関する
懇談会中間とりまとめ
」、これが
本文
でございます。それから、
資料
3の「
首都機能移転
問題に関する
懇談会
」、これは
趣旨
、
構成
、
開催経緯
といったようなものをまとめたものでございます。これをもとにしまして御報告申し上げたいと思いますが、大体
資料
1が要約してございますので、これに沿って御
説明
を申し上げたいと思います。 これをごらんいただきまして、まず1に「
懇談会
の
検討
及び
中間とりまとめ
の
趣旨
」とございます。 本
懇談会
は、
国土庁長官
の求めに応じ、
国会等
の
移転決議
を受け、
首都機能
の
移転
を
前提
とし た上で最も効果的かつ望ましい
方策
について検 試するため、
平成
二年一月より開催した。この
たび首都機能移転
に関する
国民的規模
での
議論
に資するため、
検討
結果を中間的に
とりまとめ
たものである。 こういうふうに書かれております。 その
懇談会
でございますが、
資料
3をごらんいただきますと、1は
趣旨
でございまして、今申し上げたようなことでございますが、2に「
構成
」とありまして、「
各界
の
有識者
の
出席
を求めて開催する」ということで、メンバー三十名で、私、
不肖座長
を承りましたわけでございます。大体、
平成
二年一月から今日まで十二回
懇談会
を開催いたしました。初めのうちはいろいろな
有識者
に
お話
を伺うということで、その
経過
は3の「
開催経緯
」というところでございまして、本
懇談会
の十二回のうちの初めの方はいろいろな方の
お話
を伺いました。それで、後半になりまして、
国会
の
移転決議
も出ましたので、先ほど申しましたように、
首都機能
の
移転
を
前提
とした上で最も効果的かつ望ましい
方策
についての
検討
というのに取りかかったわけでございまして、今回それがまとまったわけでございます。 それで、2の「
首都機能移転
の
方法
」ということで、その取りまとめの
内容
についてでございますが、まず
最初
に「
首都機能移転
の
必要性
と
目的
」、こういうことで、それぞれ
関連
はございますが、私
ども
としてはその
必要性
と
目的
を
三つ
に分けて
関連
を持たせながら
考え
たわけでございます。
①首都機能移転
により、二十一
世紀
にふさわし い
国土構造
の
実現
を図り、
我が国
の
経済的豊か
さに見合った真の豊かさを実感できる新しい社 会を
実現
する
契機
となることが期待される。 これは、
日本
はよい
意味
での次の
時代
に入った、つまり、今までこの半
世紀
近くの間は
経済成長
に向かって皆が努力してきて、ここで一段落して次の
段階
に入るというそういう時期であると。それで、これは
本文
にもございますが、
世界
と友好を深め
国際貢献
をする開かれた
経済大国
ということが一応の目標として記されておりますが、それを
実現
するために
首都機能
の
移転
をするというのが二つの
目的
であります。 その次は、
首都機能移転
により、住宅問題、
長距離通勤問
題等
の
大都市
過密問題の
解決
に寄与し、
都市機
能の発展と
都市整備
の進度がバランスすること が期待される。 これは、
東京
が現在抱えております住宅問題とか
長距離通勤問
題などをこの際
首都機能移転
によって
解決
の方向に向かわせよう、こういうことがやはり今回の
首都機能移転
についての
必要性
と
目的
になるというふうに
考え
たわけであります。 それから三番目は、
首都機能移転
により、
東京
が
地震等
の大
規模災
害に見舞われた際に予想される国内外への
影響
が最小限となることが期待される。 これは、とにかく
東京
はいつ
地震
が来てもおかしくないような状況に置かれておりますので、これを無視するわけにまいりませんし、現在はただ単に
物的損害
だけでなくて、通信、情報といったようなことから
考え
ますと
世界
的な
影響
もあるのでそれに対処する、こういう
意味
で
首都機能移転
ということも
考え
なくてはいけない。こういうふうに、それぞれ
関連
はございますけれ
ども
、
必要性
と
目的
を
三つ
に分けて
考え
たわけであります。 それで、それではどういう
移転
をするかということが②の「
移転
に際しての
基本的考え方
」にございまして、ここで、
政治
・
行政機能
と
経済機能
を分離し、
政治
・
行政機能
に純化した新
首都
を想定する。また、
首都機能
は原則として
段階
的・
計画
的に、最終 的には全体的に新
首都
に
移転
することを想定す る。 そういうことで、新
首都
を
考え
るときにまず
最初
に
整理
した問題がこれでございます。つまり、いわば
政治
と
経済
を分離し、新
首都
は
政治
に、
政治
というのは
政治
、
行政
両方入りますが、それにできるだけ
特化
する、こういうことでいろいろ
考え
を
整理
しようと。ということは、一面、
東京
は
経済
、
文化
という現在の蓄積はそのままどんどん新しい
時代
に向かって伸ばしていく。
東京
はどうなってもいい、新
首都
だけ新しく
政治
、
行政
の
都市
をつくればいいというのではなくて、政経分離しながら新
首都
もそれなりに発展するし
東京
も発展するということをまず
考え
たわけであります。 次に、(3)としまして、
人口
・
面積
・
費用
の想定
首都機能移転
に当 たっては
行政機関
を
整理
・縮小すべきとする意 見等があるが、
作業仮説
として、全部の
首都機
能が
移転
する
最大
の場合を想定すると、新
首都
の
人口
は約六十万人、
面積
は約九千ヘクター ル、
費用
は約十四兆円と
試算
される。 これは
試算
ですから
一つ
の試みとして
考え
ていただかなくてはいけないんですが、今
地方分権
あるいは
規制緩和
といったような問題を
行革審
でいろいろ
検討
されておられまして、その結果がどういうふうにこの
数字
に反映してくるかわかりませんけれ
ども
、現在のところとにかく
首都
としての
東京
が
機能
している
首都機能
を
数字
の上であらわして、それを
移転
する。こういうふうに
考え
ますと、約六十万人、九千ヘクタール、十四兆円、こういうふうに
試算
されたわけであります。 六十万人と申しますのはどんなところから出ているかと申しますと、
首都機能
の
従業者
、つまり
国会
、
行政機関
その他の
従業者
、それからそういう
首都機能
に当然随伴する
民間機能
、例えば
郵便局
にしろ銀行にしろ、どうしても人が集まればそこについて回る
民間
の
機能
がございます。そういうものを
念頭
に置きまして、まず
首都機能
。厳密に言いますと、それはさらに分けて
首都機能
、準
首都機能
。例えば立法府、司法府、
行政
府の直接の
機関
のほかに、
特殊法人
、大使館、
政党本部
、
地方公共団体
の
連絡事務所
、そういうようなものまで合わせますとほぼ十万人の
従業者
が現在
東京
におられると見ております。 十万人の
従業者
がおられますと、それの
家族
の
方々
を入れますとほぼ三十万人、こういうことになります。それで三十万人のそういう
従業者
とその
家族
を支えるとなりますと、そこにまた学校とか病院とか、それを支えるさまざまな
人口
がついて回ります。それが恐らく同数の三十万人。そういうところから六十万人という
数字
を推算したわけでございます。 それで、六十万人の
夜間人口
があるということになりますと、その
方々
が満足な暮らしをするためにどのくらいの
土地
が必要かということを
日本
の現在の若干の例から
試算
いたしますと、九千ヘクタールという
数字
が出ます。九千ヘクタールというのはどのくらいの
数字
かと申しますと、最近
開発
が進んでおります筑波の
研究学園都市
の大体三倍、こういう
広がり
になりますが、その
広がり
が九千ヘクタールとなります。ちなみに、現在の
国会
あるいは霞が関の各官庁を合わせたこの地区、これはほぼ一キロ
平方
と言ってよろしいですが、一キロ
平方
というのは百ヘクタールに当たるわけでございますから、随伴するいろいろな
機能
を合わせましても、それに比べますとかなり大きい九千ヘクタール、こういうことになるわけであります。 それから
費用
ですが、十四兆円。これも最近のいろいろな事例から出しました
数字
でございます。この辺は
時代
が変わればすぐ変わりますし、全くの
試算
とお
考え
いただいた方がいいと思います。ただし、これにはいろいろなインフラストラクチャー、道路とか鉄道とかそういうものは入っておりませんから、そういうものを入れますと、まだかなり大きくなると見なくてはいけないと思います。 それから、新
首都
の
開発方式
を(4)に書いてございます。 新
首都
の
整備
に当たっては、
移転
が
実現
するま での
社会
・
経済情勢
の変動に対応できるような
自由度
・
弾力性
を確保すること等のため、新首 都に立地する
機能
を一定の
地域
内に立地するこ とがふさわしいものに分化し、
計画
の確定した
地域
から逐次
整備
に着手する「
段階的クラス
ター型開発方式
」を想定する。また、
国会
及び
国会開運部門
から
移転
することが適当であり、
中央省庁
については、今後の
地方分権
・
規制
緩 和の進展への
対応等
のため、
国会
とともに
計画
的・
段階
的に
移転
することが適当である。ま た、
首都機能移転
は
災害対応
の見地から緊急を 要するものであり、現
首都
の非常時には新
首都
を現
首都
に対する代替・
補完機能
として活用し 得るように配慮する必要がある。 こういうふうに書いてあります。要するに、新
首都
の
開発
の
方式
としまして、
段階的クラスター方式
ということをここで述べているわけであります。 それで、
段階的クラスター
、大体
クラスター
というのはこの際どんな
意味
で使っているか。一部の
専門家
の中では割に使っております
言葉
ですけれ
ども
、
一般
にはまだ熟しておりませんので、
最後
に
説明
をつけまして、 本
とりまとめ
においては、新
首都
の全体像とし ては小
都市群
の
イメージ
であり、その
一つ一つ
の小
都市
を
クラスター
と呼んでいる。 つまり、先ほど申しました九千ヘクタールを
一団地
にして
開発
するという
方式
が当然ございます。ところが、それは先ほど書いてありましたことを述べましたように、今九千ヘクタールの
土地
を一どきに準備して、そこに全体
計画
を
最初
からはっきり立ててつくっていくというのは、相当時間的なずれもありますし、無理もあるし、
時代
に即応しない。こんなような点もあるので、
一団地
としないで、幾つかの小
都市群
に分けて、それを適当な距離を離しながら次々につくっていく。それがここで言う
段階的クラスター方式
で、この方がより合理的であろうというふうに私
ども
は
考え
たわけでございます。 それで、またそういうふうに
段階
的につくっていくということが時には現在の
東京
の
機能
と二重になることがあるが、それはかえって
災害対応
のためにはぐあいがいいこともあるであろう、こういうようなことを
念頭
に置きまして
段階的クラスター方式
ということをここで述べたわけでありま す。 問題は、一体どんな
場所
に
首都
を
移転
するのか、具体的にはどういうふうに
考え
たらいいかということであります。まず
最初
に、ここに述べてありますことを
説明
する前に申し上げるのは、
既存
の
都市
と分離するということを想定いたしました。つまり、何々
大都市
のすぐそばに隣接させるというやり方も片方でありますけれ
ども
、そうではなくて、
既存
の
都市
から離れたところにつくるということを
念頭
に置きましていろいろ
考え
ました。 それで、
条件
がどんなふうになるかといいますと、ここにありますように、「
地震
・火山による
災害
の危険の少ない
地域
であること」。これは当然、将来の長い期間の
首都
であるというためには、そういう危険があるところは避けたい。ただ、全く危険がないというところは
日本
の中にはほとんどないので、
活断層地帯
というところまで範囲を広げますと
危険地帯
というのは非常に広くなるわけで、何らかの調和をとりませんとこの問題は答えが出てこないと思います。 それから「急峻な地形でないこと」。これも正直言って、
日本
は大体三分の二ぐらいは山地でございますから、その残りの三分の一で
場所
を探すということは相当困難でありますけれ
ども
、
首都
としてはやはりそういう
条件
が必要である。それから「十分かつ安定的な
水供給
を行える
地域
であること」。これは、人間が生活しますから当然のことであります。次に「均衡ある
国土構造
の
実現
のため少なくとも
東京圏
は避けるべきであること」。
東京圏
の中に、
東京圏
という
言葉
も
金まり
はっきりした定義はありませんが、
普通首都圏
と申しますと一都三県を申しますが、それに限定しないで、もうちょっと幅広く
考え
て、そこに新
首都
を
移転
するということは避けた方がいい、
本文
の中では、少なくとも六十キロ以上離すということを述べております。 それから、次に「交通の
利便性
に優れていること」。これは当然のことでありまして、第四次の
全国総合開発計画
が数年前に決定されましたけれ
ども
、これも多
極分散
型であると同時に
交流ネットワーク
を
整備
するということをうたっておりまして、それはここでも当然言えることであります。それから「
土地取得
が容易であるよう地価が比較的低廉であること」。これも当然でありまして、ここに書いてあるようなことが
移転先
に求められる
条件
としてごく
一般抽象論
ではありますけれ
ども
、こういうことを
念頭
に置いてしかるべき
場所
を選び出すということであります。 その次に、(6)として「
土地対策
」であります。
首都機能移転
に伴う
投機防止対策
、
土地取得
対策
、
土地利用対策
について
検討
する必要があ る。 これは当然でありまして、
国土利用計画法
の
規制区域
に指定することとか、
市街地開発法
をうまく運用すること、あるいは
区画整理手法
を用いること、
単純買収
でいく等、いろいろ
方法
がありますと同時に、それぞれまたつきまとう
問題点
がありますが、
本文
の中ではそういうことについての解説を若干しております。しかし、これは非常に難しい問題であるということが
最後
までつきまとってまいります。 それから、三番目に「新しい
首都像
」ということでございます。 新しい
首都像
は、全ての
国民
に開かれ、
世界最大
の
国際都市
である
東京
との連携を確保しつつ、
我が国
の
国際社会
における
役割
にふさわしい
国際
・
外交機能
を持ち、住み働く人々が快適に過ごすことができる新
都市
とすべきである。 とにかく
東京
から一刻も早く脱出する、いわば緊急避難的に
都市
をつくるということはこの際
考え
ないで、新
首都
をつくるからには、
にわかづくり
ではなくて、二十一
世紀
にふさわしい
都市
を
考え
たい、こういうことを盛り込んでおります。なおこのほかに、全
国民
に開かれている、潤いがあり美しいこと、
職住近接
、それから二十一
世紀
に向かって高度の
科学技術
を活用した
都市
というようなことが
本文
の中では盛られております。
職住近接
という点でございますが、先ほど
段階的クラスター
ということを申しました。現在、
東京
はいわゆる働く
場所
がごく限られたところにございまして、それだけに逆に
遠距離通勤
を強いられるということがありますので、今度は
クラスターごと
に
従業所
、つまり
国会機能
、
行政機能
その他があると同時に、住居もそれぞれつけていこう。
一つ
の
クラスター
の中に働く
場所
と住む
場所
をうまく組み合わせていった方がいい、そういうような
考え方
をこの中に盛り込んでいるわけでございます。 その次に「
東京
の将来像」とあります。つまり、
東京
は後はどうなってもいいんで新
首都
さえできればという
考え方
はとりませんで、新
首都
もいいものをつくりたい、しかし
首都機能
が抜けた
東京
もいい
東京
であってほしいということをここで述べております。
東京
は、
首都機能移転
を
契機
として、諸
機能
の再
集中
を引き起こさないよう留意しつつ、ビジネス、
文化面
でその
役割
を果たすべきであり、このため
東京圏
の
長期的ビジョン
を
検討
する必要がある。 それで、
東京
はやはり
国際都市東京
でなくてはならないので、そういうことを中心にして
経済
、
文化
に
特化
する、そういうような
世界
の
東京
、
日本
の
東京
でなくて
世界
の
東京
になるということをここで
考え
ているわけであります。そういうような
イメージ
を持って我々
懇談会
は
議論
をし、まとめてまいりました。 しかし、
懇談会
の「
中間とりまとめ
」の
最後
に述べてございますけれ
ども
、実は今後に残された
課題
というのがまだいろいろございます。つまり、5のところに「今後の
課題
」として、 今後、
各界
の
意見聴取
、大
規模
な
アンケート等
を通じ、
首都機能移転
に関する
国民
の意識を高める必要がある。また、皇居についての
考え方
及び
具体的移転場所
・
移転
時期の決定の問
題等
基本的かつ
専門的事項
については、本
懇談会
の場が
検討
を深めるには適当ではないので、それにふさわしい場の設定が期待される。 ということで
本文
の方も結んでおります
用地方分権
、
規制緩和
の問題も恐らく
首都機能移転
に相当大きな
関連
が出てくると思います。しかし、これは
行革審
の方で今鋭意御
検討
をなさっておりますので、私
ども
としては触れる立場ではございません。その結果を十分しんしゃくさせていただくということでございます。 それから、当然今後の問題として
土地対策
、先ほどちょっと申しましたが、これはいろいろな
既成
の
手法
を活用すればこうなりますということを述べてはありますけれ
ども
、とにかく九千ヘクタールの、しかも
首都
となる
土地
を確保するにはかなり大がかりな
行政
的、
政治
的な
対策
が必要かもしれません。そういう点は今後の問題でありますし、
事業主体
、財源、
都市経営
、こういうようなことも今回の
懇談会
の「
中間とりまとめ
」では触れておりませんけれ
ども
、いずれは何らかの
方法
でお決めいただく問題である、そういうようにここで書きまして結びといたしました。
懇談会
の「
中間とりまとめ
」に至る
経過
、それから
内容
のあらましを申しましたが、大体以上でございます。
井上孝
7
○
委員長
(
井上孝
君) ありがとうございました。 それでは、これより
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
稲村稔夫
8
○
稲村稔夫
君
社会
党の
稲村
と申します。
八十島参考人
には、きょうはお忙しい中ありがとうございました。
大変参考
になる御
意見
をこの「
中間とりまとめ
」ということで御提起いただいたわけでありまして、私
ども
も非常に大きな関心を持っているわけであります。ただ、その中で非常に難しい問題がいろいろとあるわけでありますけれ
ども
、特に二点ほど、この辺はどんなふうに御
議論
があったのであろうか、あるいは
先生
の方がお
考え
になっているのであろうかというようなことをお伺いしたいと思います。 それで、第一は
首都
の
移転
の
場所
について御提 起をいただいているわけであります。それぞれもっともなことばかりなのでありますが、ただ具体的にということになりますと、こういう
条件
具備したところを見つけるということは非常に難しいような気もいたします。これは具体的なところをいろいろと御
検討
の話題にでもなったんでしょうかということが
一つ
であります。 それからもう
一つ
は、
政治
と
経済
とを
特化
させることが望ましいということでありますが、しかし現実には、なかなか
政治
と
経済
との
かかわり
というのは多岐にわたり複雑になっているということもございます。そういう中で、
特化
というのにはいろいろまた
問題点
があるのではなかろうか。特に
特化
をしていくに当たって留意すべき
課題
というものにどんなものがあるのであろうか。これは、今の
段階的クラスター方式
ということで一遍に
移転
をするのではなくて順次
移転
をするということになってまいりますと、やはりそれが
経済的混乱
といいましょうか、そんなものと結びついてもいけないのではないか。
公共
の部分がこっちへ移ってしまったら
既成
の
経済機能
との
かかわり
でいろいろと出てくることもあり得ると思うものですから、その辺のところの御
議論
あるいは
先生
のお
考え
をお聞かせいただければありがたいと存じます。 以上であります。
八十島義之助
9
○
参考人
(
八十島義之助
君)
三つ
ほど御質問があったと思います。 具体的な
場所
については、実は
懇談会
の前半においてはいろいろな
有識者
からヒアリングをいたしました。その
段階
では、具体的にこの
場所
がいいあの
場所
がいいという御
意見
も伺いました。ただ、
懇談会
としてはそれをどういうふうに煮詰めていくかということになりますといろいろ問題が起きまして、
懇談会自身
の
作業
にも
影響
しやしないかということもありまして、
懇談会
では
一般
抽象的な
条件
だけを先ほどのように
議論
をいたしまして、具体的な
場所
については正直言いましてやっておりません。それで今後の
課題
として残したわけでございます。 それから次に、
政治経済
の分離が本当にできるかということであります。それで、私見でございますが、この問題は、実は現在の
東京
を見ますと大変な
集中
をしております。それは、恐らくいわば企業の論理で、お互いに集まることでのいろいろ情報の交換とかで、経営上集まる方が得であるという点で集まっている面がある。それとまた、やはり
東京
に中央政府があるから
東京
に本社を持ってきた方がいいというような場合もかなりあると思います。その二つと、そのほかいろいろやはり
都市
論的に
東京
がなぜ大きくなるかという
議論
も出ておりますが、今申しました大きなものの中の
一つ
は、やはりこれは
地方分権
、
規制緩和
に関係がありまして、それがどういうふうにこれから動いていくかによって、それが結局新
首都
の
政治経済
の分離がどこまでどういけるかという問題にかかわってくるかと
考え
ております。 ですから、私
ども
としては原則としてはとにかく
政治経済
を分離させようと。それがまた新
首都
の生きる道でもあるし、
東京
の生きる道でもあるということでありますが、どのくらいぴったり分けられるかどうかというところはなかなか煮詰め切れないで、純化というからには徹底的に
規制
をするかという
意見
もありますが、徹底的な
規制
もまた問題があります。そこで、その点は最終的には詰め切れませんが、ただ原則としては
政治経済
は分けていく。それから、
土地
利用などで無理がない範囲でやはりそれが
実現
できる裏打ちをしていくという
議論
でございました。 それから
最後
に、
段階的クラスター方式
では、やっているうちにいろいろ初めの理想と変わってくるんじゃないかという御
趣旨
かと思います。その辺は、これは確かにそういう面はございますけれ
ども
、私
ども
はその点少しいい面をとりまして、つまり初めに
考え
ていたことが
時代
とともに移り変わる、もっといい
方法
があるということもありますので、初めに余り九千ヘクタールぴしゃっと決めておきますことによる弊害の方が大きいんじゃないか、
時代
に即応できる柔軟性を持たせたいという気持ちで、次々にやっていくと。ですから、いい面と若干心配な面もありますが、心配な面はできるだけつぶして、いい面を伸ばしていきたい、こういう
考え方
で
段階的クラスター方式
をとった、こういうふうに御理解いただきたいんですが。
稲村稔夫
10
○
稲村稔夫
君 ありがとうございました。
中川嘉美
11
○
中川嘉美
君 公明党の
中川
でございます。
参考人
には、大変きょうは御苦労さまでございました。三、四点ごく簡単な形でお聞きしたいと思います。 今回の中間報告の果たす
役割
ですね、これが第一点。それから、地価
対策
の進め方は具体的にどういうふうにするかですね。それから第三点として、
費用
については
民間
の力をどの程度生かすかという問題。
最後
に、いわゆる
政治
、
行政
面だけが安全な
地域
に脱出するのかというような疑いを受けないように、
東京
の
災害
対策
強化、それから防災事業のための財源確保など、そういったものをむしろ先行させるべきではないか、このように思いますが、この辺についてちょっとお答えいただきたいと思います。
八十島義之助
12
○
参考人
(
八十島義之助
君) 四つの御質問があったかと思いますが、この中間報告は先ほ
ども
ちょっと申しましたが、これは実は大分前から、第四次
全国総合開発計画
のときから
首都機能移転
ということは話題にはしておりましたが、結局
国民的規模
での
議論
あるいは
国民
的
議論
での合意というものがどうしても
首都機能移転
に対しては必要だろう。そういうようなことで、六月には本報告を出すつもりでございますけれ
ども
、この「
中間とりまとめ
」におきましても、やはりこれから我々自身が本報告までにやらなくてはいけないと思っておりますのは、
各界
の
意見聴取
、それから大
規模
なアンケート、こういうようなものを通しまして、この「
中間とりまとめ
」をもとにして
各界
でのいろいろな
国民
的な御
意見
が出てくることを期待しておりまして、その上でそれを本報告に反映できるものはするということで、ですから「
中間とりまとめ
」を今の時点で行いましたことは、むしろそうやって
各界
で御
議論
の種にしていただきたい、そういうような気持ちがございます。 それから地価でございますが、これは実際問題としていろいろ騰貴も起こるかもしれない。それで、先ほど申しましたように在来の
手法
、つまり
国土利用計画法
の中で
規制区域
といった指定の仕方もございます。そのほか在来の
手法
の中でもかなりやれる分がありますし、それから恐らくこれだけのことになりますとやり切れないこともあります。そこで、事によったら何らかの、とにかく
首都機能移転
ですから、法制的な処置も必要じゃないかと思いますが、私
ども
の
懇談会
の枠の中では、これは恐らく
土地
問題もありますし税制の問題も入ってきますので、そこまでは
議論
が届きませんので、この問題は大事だという意識を持ちながら残してございます。 それから
民間
の活力の導入の
お話
だったかと思いますが、これはできるだけやった方がいいのだろうと思います。ただし、
民間
活力の導入についてはこの十年間で我々いろいろ経験も積んでおりますし、その経験を踏まえてどういうふうにするかということもあります。今のは私見でございますが、これもやはり
土地
問題に絡めて今後のひとつ御
検討
にまちたいと思っております。 それから
最後
の
お話
は、
首都機能
だけ出ていってしまって、
東京
はどうするんだという御
議論
がと思います。
首都機能
が出ていくと、たかだか六十万人だと
東京
の
人口
圧力は大して減らないぞという御
意見
も裏にあるのではないかと思いますが、これは
東京
から
首都機能
の六十万人の
夜間人口
が出ますれば、これは何が、いつ、どこにというところまでは申せませんが、やはり付随して減る分は減るということ。 それから
東京
問題、実は私
ども
懇談会
で
議論
したのは
首都機能移転
ですが、
東京
問題となりますと、恐らく
東京
がこれだけ膨張している理由は民 間サイドが非常に膨らんでいると。
首都機能
はそれほど変わらないけれ
ども
、
民間
サイドが非常に膨らんでいる。それで、もしも
東京
が膨らみ過ぎていけなければ、
民間
の方も何とかならないでしょうかと申し上げたいところだとは思います。しかし、政府、つまり官側が何もしないで
民間
だけ出ていけと言ってもこれはなかなか通用しないことで、ですから官と民が足並みをそろえて出ていくものは出ていくということで、今
首都機能移転
問題がここで
議論
されているのは、まず
首都機能
という官側のものが先鞭をつけて、
民間
でも特に
東京
になくていい
機能
は出ていってくださいと。それで、今いろいろ拠点
都市
に関する法制の企てもおありと聞いておりますが、これなどは
民間
が
日本
の各地の拠点
都市
にこれから出やすくするという
一つ
の行き方かと思いますので、官と民と並行的に進めていくのが
東京
問題
対策
だろうと私は思います。 それで、それはちょっと余談でございますが、
東京
は幾らか
首都機能
が出た後跡地があります。これをうまく有効利用して防災
対策
に活用するとか、いろいろ
都市
基盤として必要なものの
整備
に活用するとか、そういうようなことで防災
対策
にも寄与できるのではないか、こういうふうに
考え
ているわけでございます。 そんなことでよろしゅうございますか。
中川嘉美
13
○
中川嘉美
君 ありがとうございました。
橋本敦
14
○橋本敦君
参考人
の
八十島
先生
、きょうは御苦労さまでございました。共産党の橋本でございます。 四点ほどお伺いしたい点がございますが、順次お伺いさせていただくことにしたいと思います。 まず第一点は、
先生
もお述べになりましたように、この中間まとめは
首都機能
を
移転
することが是か非かという論議じゃなくて、
国会
決議などを受けて、
首都機能
の
移転
を
前提
とした上で、その
首都機能
の
移転
を具体的にどうやるかというそこのところの
議論
をなさったというのがこの中間まとめの基本である、こういうように理解をしておるのですが、それはそういう理解でよろしいわけでしょうか。
八十島義之助
15
○
参考人
(
八十島義之助
君) これはほぼそういう
趣旨
のことで
本文
も書いてありますので、ひとつ
本文
を御一読いただきたいと思います。 先ほど、私が
最初
に述べましたこともほぼそういうような
趣旨
でございます。
橋本敦
16
○橋本敦君
本文
もあらかじめいただいておりますので、拝見させていただきました。 それで、
東京
の一極
集中
という問題が大変深刻でございまして、私
ども
共産党としても
東京
一極
集中
は打開しなきゃならないという立場は一貫しておるわけでございますが、
国会
を含む
首都機能
の
移転
ということになりますと、即一極
集中
の打開そのものというようにはとらえていないところが私
ども
の立場なんですね。 そこで、今日の深刻な
東京
一極
集中
が起こってきた原因は何か、まずここにメスを入れて、そしてそこのところから
東京
一極
集中
をどう打開するかということを導き出していかなきゃならぬというように
考え
ているわけです。
資料
をいただきまして、この
懇談会
で何度も御
議論
をいただいておるようでありますが、この
東京
一極
集中
の本当の主たる原因は何かという点についての
議論
なりその点の見解なりということは特にお示しいただいておらないように思うんですが、その点はいかがだったんでしょうか。
八十島義之助
17
○
参考人
(
八十島義之助
君) 私、その点については
本文
でどこまで触れたかはちょっと今記憶にありませんので、私見を述べさせていただくということにさせていただきたいんですが、やはり企業活動が集まることがプラスになるという面が
一つ
あると思います。それから、先ほ
ども
申しましたように、やはり政府に近いところにいた方がいいと。それからそのほか、どうもこれは
数字
などであらわせませんけれ
ども
、若い
方々
がこういう大勢集まっているところからいろいろなものを吸収する。その吸収するという
意味
でまた集まってくると。そういうようなことが複合して
東京
がこれだけ大きくなったというふうに私は解釈しております。
懇談会
の
議論
で理由はこれとこれというところまでは私は出さなかったと覚えております。
橋本敦
18
○橋本敦君 そこで、私
ども
としては、基本的には
東京
一極
集中
ということの原因をやっぱりもっと深く探るべきだという
考え
を持っておるんですが、
先生
の御
意見
もございましたし、私もまさに
東京
一極
集中
の大きな原因は、先ほ
ども
お話
しありました
民間
サイドの膨らみ、政策的に言えば、
東京
を
国際
的な金融
都市
、
政治
機能
中心だけじゃなくて
経済
、財政の中心にもしていく、こういった総合的な膨らみが今日の一極
集中
をもたらしているというように見ているわけです。 そういたしますと、
先生
がおっしゃった
民間
サイドの膨らみ、これをどう打開するかと。先ほど
先生
は官民並行的に行くのが理想だろうとおっしゃいましたが、まさにこの中間まとめではその
民間
サイドの膨らみをどう抑えていくかということについての具体的な展望なり方向づけが見られない感じがいたしましたのでそういった質問をしたわけなんです。 その
一つ
の問題として、先ほど
お話
がありましたが、
人口
六十万を移すということによって
人口
問題としての
東京
の一極
集中
がどれくらい
解決
できるかということになりますと、これは具体的には明確に出ていないだけではなくて、むしろこのまとめでおっしゃっている
東京
を今後とも
国際
的なビジネス、金融の中心
都市
あるいは
世界
的な
文化
を含む
国際都市
としてやっていくということになりますと、ある統計ではむしろ
東京
は
首都機能
を
移転
しても
東京
の
人口
というのはまだふえるというような
資料
も私拝見をしておりますので、そういう
意味
では、
首都機能
を今度の
先生
がお出しいただいた中間まとめの方向で仮に進めるとしても、
東京
一極
集中
ということの打開策として緩和改善策としてどれくらい
機能
するかという具体的な展望は、
人口
問題
一つ
とってもなかなか明確に出てこない。 だから、具体的には明確に出てこないということもあるので、この中間まとめではこの
首都
移転
が新しい
社会
を
実現
する
契機
、あるいはそのインセンティブといいますかプロモートしていく先鞭といいますか、
先生
さっきおっしゃいましたが、そういうこととして位置づけられているのではなかろうか。つまり、具体的に一極
集中
がこれでどのように
解決
されるかという展望はやっぱりなかなか出てこないというのが実情ではないかというように私
ども
見ざるを得ないのかなと思っておりますが、いかがでしょうか。
八十島義之助
19
○
参考人
(
八十島義之助
君) 今の一極
集中
の問題ですが、六十万人という
数字
が大きいか小さいかは別として、
数字
を先に出してしまいました。それで、これはただ
夜間人口
の上のことで、
東京
の一極
集中
による弊害というのは、実は
夜間人口
だけでなくて、昼間
人口
もありますし、移動の問題もありますし、
首都機能
があるために動いている人も相当いるわけでございます。ですから、
首都機能
が出るということでそういう人の移動も出れば、
夜間人口
の六十万人以外のメリットがあるのではないかということが
一つ
考え
られます。 それから、
東京
の
人口
が将来どうなるかというのは、これもいろいろ推計がなされているようでございますけれ
ども
、放置すると数百万十年間にふえてしまうという
数字
も出ております。それで、これは御承知のように自然増がこのごろふえ出しまして、子供を産める人が
大都市
に集まっているということで、
社会
増を幾ら抑えても自然増だけでふえていくという非常に難しい問題があります。ですから、
東京
は今
人口
がふえることを何とか抑えていきたい。減らすことまで
考え
るのはなかなか大変だという説もあるくらいでございまして、
首都機能
問題とそれから
東京
問題というのは非常に近いんですが、
東京
問題になりますと少し視点を変えなくてはいけないだろうと思っております。
橋本敦
20
○橋本敦君 わかりました。 まさに私もそう思います。一極
集中
問題は、
首都機能移転
だけで
解決
しない
東京
問題としての根本を探った上で、
先生
もおっしゃいましたが、中央集権的体制の分権化ということもあり、全国的な国土政策、これをどう進めるかということとのバランス、結合もあり、大きなそういう総合政策でやっていく
課題
だというように思っております。その点は、
先生
もそういう
趣旨
をおっしゃいましたんですが、そういうことでよろしいのか、
最後
に伺って、質問を終わります。
八十島義之助
21
○
参考人
(
八十島義之助
君) 私、全く同じ問題ではないと思うんです、つまり
首都機能
問題と一極
集中
問題は。ですが、非常に密接であることも事実であって、先ほど
東京
の膨張を抑えるやり方、
民間
サイドも大事だということを申しましたが、しかしやはり一番何といいますか、やればやれるというのが、しかもやれば
影響
が大きいというのは
首都機能
の
移転
じゃないか。
首都機能移転
ですべてが
解決
するかどうかは別としても、
首都機能移転
が
東京
の一極
集中
是正に及ぼす
影響
は、ほかのいろいろな
方法
に比べまして、これがうまくいけばやはり一番大きい。それで、それをもとにして
東京
をもっとすんなりした、すばらしい二十一
世紀
の近代
都市
に持っていけるというふうには
考え
ております。
橋本敦
22
○橋本敦君 ありがとうございました。
磯村修
23
○磯村修君 私、連合参議院の磯村と申します。 二つほどお伺いしたいんですけれ
ども
、
一つ
は、この本の十ページの「
費用
の想定」のところでもって、「三
大都市
圏を除く全国の住宅地の平均価格に基づき想定」したというふうなことが書かれているんですけれ
ども
、その
意味
は、新しい
首都
というのは三
大都市
圏を除いて
考え
ていくんだというふうな
意味
にもつながるんでしょうか。
八十島義之助
24
○
参考人
(
八十島義之助
君) 先ほど申しましたように、一応三
大都市
圏からは外れたところにつくる、つまり
既存
の
都市
にはくっつけないという
趣旨
で
考え
てまいりました。
磯村修
25
○磯村修君 もう
一つ
。 そうしますと、新しい
首都
をつくっていくのに、新しい技術
開発
によって高速交通網を
整備
して、そして
首都機能
というものを、いわば展都論ですね、天野
先生
がこのメンバーにも入っておられるんですけれ
ども
、その展都論と今度まとめております新
首都
の構想というのはどういう関係になるのか。そしてまた、その
懇談会
で展都論というのは具体的に論議がされて、どういうふうな結論と申しましょうか、どんなふうな
意見
が出されたのか。また、私なりに解釈すれば、この本の
意味
からいっても、どうもこの展都論というのは解消されたのかなというふうな感じも受けるんですけれ
ども
、その辺をお伺いしたいと思います。
八十島義之助
26
○
参考人
(
八十島義之助
君) いろいろ展都論とか分一部論とかございましたが、そういうことももちろん頭の中にありましたが、今度は
段階的クラスター
ということで、これはいろいろな見方があるかと思いますけれ
ども
、いろいろな見方に惑わされないために
段階的クラスター
ということにしまして、
クラスター
を次々につくっていく、それで全体として
首都機能
を発揮できるというふうにしておりますので、ですから今までいろいろ提案されたものとまた別の発想で動き出したというふうにひとつ見ていただきたいと思うんです。
足立良平
27
○足立良平君 私、民社党の足立てございます。 今、
先生
の
お話
なり
資料
をずっと拝見いたしておりまして、先ほどちょっと
議論
として出ておりましたけれ
ども
、
東京
の一極
集中
は、前段としてなぜ一極
集中
してきたのかということをやはりきちんと
考え
ていかないと、後々かえってまた問題をそのまま残していくのではないか、こんな感じを実は私も持っております、この
首都
の
移転
問題というのは、ある面におきましては、私は現在の
日本
の例えば
文化
であるとかあるいは
経済
のシステムであるとかあるいは
政治
のシステムであるとか、そのものがすべてそこに
集中
的にといいますかあらわれてきているのではないか、こんな感じがいたしております。 したがって、この
懇談会
の中間報告の中で、例えば先ほど
先生
御指摘のように、三
大都市
圏ではつくりません、あるいは
東京
から六十キロ以遠のところで
考え
ていく、こういうことになりましても、権限の移譲であるとかあるいはまた
政治
と
経済
というものが分離するという
前提
を
考え
ていても、今のような状態が仮に全体として進んでいきますと、企業の側というものも結果としてついていっちゃう。そうすると、新たに今のような
東京
をそのままどっかに
移転
するようなものではないか、こういうふうな感じもするわけなんですが、一点目に、そういう点について
先生
の
考え方
をひとつお聞かせを願いたい、このように思います。 それから、時間もございませんのでもう一点だけちょっとお聞きをしておきたいと思いますのは、四全総で多
極分散
型国土というものを一応想定いたしまして、
東京圏
は
国際
金融あるいは情報
機能
面で
世界
の中枢的云々、こういう
考え方
、大阪は例えば
経済
、
文化
とか、あるいは名古屋は
世界
的な産業技術であるとかを中心にするという多
極分散
型の国土というものを
考え
ているわけですが、そういう従来の三全総あるいは四全総のような
一つ
の流れの中で今回のこの中間報告というのは一体どういう位置づけをされているのか、この点を二つ目にお聞きいたしたいと思います。
八十島義之助
28
○
参考人
(
八十島義之助
君) 多
極分散
といったようなことについては四全総と私は流れは同じだと思いますし、それから
大都市
圏の成長と
首都機能移転
というのは、これはやはり同時並行的に進み得ると思います。四全総は、今拠点
都市
の法制とか、あるいはいろいろなそういう地方分散の法律が運用され始めておりまして、この四全総の成果というものはこれから出てくるかと思います。 それで、
首都
移転
に関しての
議論
はこれからかなりまだ積み重ねられると思いますので、今の
段階
では四全総は四全総として
一つ
進めていくし、
首都機能移転
の御
議論
は御
議論
で進めていっていただくのがいいのじゃないか。これは、私見かもしれませんが、矛盾するところはないというふうに
考え
ております。
足立良平
29
○足立良平君 先ほどの
先生
の
お話
の中で、これは中間報告ですが、六月に本報告が出されるということをお聞きいたしました。その報告の中で
各界
の
意見
の聴取あるいは
アンケート等
云々と、こういう
お話
も実はあったわけでございます。この方針を仮に貫いていこうとするならば、先ほどちょっと触れましたけれ
ども
、原則として
政治
と
経済
を分けていこうという、むしろこれは画期的で、今までの
首都
移転
の
議論
の中からいたしますと一番その中心的な点にあるのではないかというふうに実は私は受けとめているわけなんです。 そういう面で、例えば本報告の中でその種の問題について具体的に、これはちょっと
行革審
との関係も出てくるんでしょうけれ
ども
、少し触れていくということの
考え方
はございませんでしょうか。
八十島義之助
30
○
参考人
(
八十島義之助
君) それはひとつ我々よく承って、心していきたいと思っています。
片山虎之助
31
○
片山虎之助
君 それでは、簡単に三点ほどお伺いします。 今まで
議論
が出ましたけれ
ども
、私、
首都機能移転
だけでは一極
集中
阻止や多
極分散
型国土にはなかなかならないと思うんです。しかし、そういうことに対する大変大きなインパクトを与える、官が先鞭をつけるという
意味
で、ただ、一極
集中
阻止をやるためには、やはり
地方分権
だとか、
先生
が言われました
規制緩和
だとか、あるいは各
地域
のプロジェクトをもっとしっかりやるとか、総合的なセットの政策が要ると思うんです。だから、それとの絡みでなければなかなか一極
集中
阻止にはならないのじゃなかろうかと思うのが一点です。 それからもう
一つ
。この六十万
都市
が、キャンベラやブラジリアも言われておりますように、こういう公務員ばかりおるようなところが
一つ
のコミュニティーたり得るんだろうかと。
職住近接
はいいんです、職場があり住宅がありと。しかし、 やっぱり人間というのは、第三空間というのか、人間性を解放するようなそういう遊び場みたいな空間が必要なんで、この六十万
都市
は無味乾燥な何かキャンベラみたいなああいうことになるのかどうか。また
一つ
の自治体たり得るんだろうかと。その辺の御
議論
があったのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。 それから三番目は、やはりこれだけの大きな国家的大プロジェクトを、これは
先生
御自身のお
考え
でもいいんですが、大体のスケジュール、何年ぐらいでどうするのか、
国民
的なコンセンサスの形成がどうしても要るんですけれ
ども
、そのためには場合によっては法律を、法制的な
お話
がちょっとございましたが、基本法をつくるとか、いつまでにどうするとか、
土地
だけは確保する、どういう形で
場所
を決めるとか、そういう手順、スケジュールについて
先生
の御私見でも結構でございますけれ
ども
、お
考え
があればお聞かせいただきたいと思います。簡潔で結構でございます。
八十島義之助
32
○
参考人
(
八十島義之助
君) 三点あったと思います。
最初
、これで一極
集中
が防げるかと。これについては、先ほどからも話題に出ておりましたが、一極
集中
是正即
首都機能移転
、
首都機能移転
即一極
集中
是正とまでは私
ども
は一対一の対応としては
考え
ませんでした、そういうことを
考え
ようとしたこともありましたけれ
ども
。ですから、
機能
移転
の
必要性
と
目的
は単に一極
集中
是正だけではなくて、むしろ二十一
世紀
にふさわしい
国土構造
をつくるというようなこともあわせて我々の
目的
意識の中に持ち込んだわけでございます。ただ、一極
集中
と
首都機能移転
とは非常に密接な関係があると。繰り返しますが、
人口
六十万という
数字
だけですと大したことないようですが、いろいろな
影響
がおりますから、私はもっとあるいは質的には大きいだろうというふうに思っております。 それから、六十万では
都市
にならないだろう、コミュニティーにならないだろうと。御指摘の問題は今もう
日本
の各地にありまして、これは私はこれから
クラスター
をどう配置するかという問題に多分に関係してくると思います。それで、確かに今二十万、三十万の
都市
は
日本
にたくさんありますが、それではコミュニティー、何か
都市
らしいにぎわいとか、そういうものはないだろうという御
意見
もあります。それではどこまでいったらあるんだろうかと。大体政令指定
都市
クラスになれば、どこかそういう町としてのにぎわい、あるいはよくこれは通俗的に言われておりますが、市民の匿名性とかそういう問題が出る、これは百万ぐらいかなとか言われて、どこが限界かということが問題だと思いますが、そこまで深くは
議論
しておりませんけれ
ども
、六十万をどういうふうに楽しく、豊かに暮らしてもらえるかというのは今後の問題として我々問題意識を持っております。ただ、今までの
段階
ではそこまで詰めて
議論
はしておりません。 それから、
最後
のスケジュールですが、確かに
地震等
の大
規模災
害のことを
考え
ますと、これはあした来るかもしれません。ですから、そういう
意味
ではぐずぐずできませんけれ
ども
、しかし何といっても
首都機能
の問題ですから、私は踏むべき手順はちゃんと踏んでいかなくちゃいけないと思いますし、それからまた、余り急いで何でもかんでもハードをつくってしまえというのも、今度は、生産力のないハードだけをつくるというのはこれはもう釈迦に説法ですが、インフレの問題、ブラジリアなんかはちょっとそういうきみがあったようでございます。ですから、そういう
意味
での速度もありますが、問題がたくさんありまして、まだ私
ども
は日限を限って正確な
議論
はしておりません。
井上孝
33
○
委員長
(
井上孝
君) 他に御発言もないようでございましたら、本日の
質疑
はこれにて終了させていただきます。
八十島参考人
には、大変お忙しい中、当
委員
会のために貴重な御
意見
をお述べいただき、また、
質疑
に対して御懇切にお答えをいただきましてまことにありがとうございました。一同を代表いたしまして心から厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時八分散会 ―――――・―――――